北海道内JR駅における乗車券類出札の簡易委託

北海道内のJRのいくつかの小駅において、2016年に入ってから駅業務をJR北海道が撤退して、出札業務だけを地元自治体(市町村)や地元企業が簡易委託という形で引き受け、辛うじて無人駅でない状態で存続している。それらの駅には、特急列車の停車駅も含まれる。(北海道内の簡易委託駅には、現在のところ、マルス端末設置駅がないようである。)

出札業務の合理化

それらの駅ではマルス端末を操作できるだけの人材(および人件費)の確保が難しいという理由で(筆者の推測だが)、手売りの常備券や補充券が復活している。それらの手売り券の収集目的という罰当たりな?目的ではあるが、収入アップに微力に貢献するという名目で、それらの簡易委託駅を訪れてみた。

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少しだけ話がそれるが、駅利用の低迷により合理化が図られる過程については、以下の長野県松川町の資料が分かりやすい。飯田線の場合は該当しないようだが、マルス端末を維持することが厳しく、やむなく手売りきっぷを取り扱うこととなって地域住民が不自由するという場合があるようである。
乗車券類の売上の数パーセントの手数料収入と引き換えに受託職員の人件費がかかるビジネスモデルのため、沿線自治体かボランティアしか受託しうる人はいないだろう(例えば鉄道マニア同士で法人を立ち上げ、一ビジネスとして自治体から再受託する手はあるが、営利事業になりうるかどうか??)。
実態は、自治体が(本来JRが負担すべき)人件費を肩代わりして負担しているものと思われる。

http://www.matsukawa-town.jp/cms-sypher/open_imgs/info/0000007947.pdf

肝心のJR北海道からも、こんなプレスリリースが告知されており、駅業務の簡易委託化だけでは済まない問題なのかもしれない。

http://www.jrhokkaido.co.jp/press/2016/160729-2.pdf




実踏

本来は鉄道を利用して訪れたかったのだが、JR北海道のローカル輸送体制が崩壊しかかっており、鉄道では一日では回り切れないため、レンタカーの利用となった。本末転倒な話ではあるが。。。

以下の駅の中で、実際に訪れた駅には、【実踏】と表示する。
JR北海道管内における簡易委託駅の一部のみを紹介していることを予めお断りしておく。

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補充券等の手売りきっぷの収集用発券は、当該鉄道会社の好意によるものと考えます(正当事由による発券を除きます)。
当然、発券を断られることもあることを留意する必要があります。
もし入手できた場合は、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。また、入手のための職員への無理強いなども慎むようにしましょう。
なお、補充券や常備券の在庫は常に変動するため、本稿に掲載したきっぷを今後入手できることを保証できません。
以上をあらかじめご承知のうえ、本稿を閲覧ください。

(旭川支社管内)

【美幌駅(石北本線)】

2016年5月2日より開始

http://www.town.bihoro.hokkaido.jp/docs/2016042400010/
http://ccib.or.jp/wp/wp-content/uploads/2016/05/jr.pdf

美幌駅から約1km離れた美幌商工会議所にて一部の乗車券類を販売(補充券の取り扱い有無は不明)。
駅で販売すると人件費がかかり赤字となるため、このような形態になったとのことである。
祝日を除く平日日中のみ営業。

【美深駅(宗谷本線)】

2016年5月2日より開始

http://www.town.bifuka.hokkaido.jp/cms/section/soumu/i63vp60000006xgc-att/syuuti.pdf

町のホームページによれば、指定券の取り扱いがあるとのこと。
ここは他の駅と違い、毎日営業との告知がある。

【石狩沼田駅(留萌本線)】【実踏】

以前からの簡易委託駅

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祝日を除く平日日中のみの営業である。
町名義で、窓口の真横に乗車券購入のお願いの告知がある。

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常備券の口座は少なく(Sきっぷの在庫がある)、その代わり、出札補充券、料金専用補充券の設備があり、他駅発の乗車券類の発券が可能である(道内のみ)。

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(本社管内)

【奈井江駅(函館本線)】【実踏】

2016年5月2日より開始

http://www.town.naie.hokkaido.jp/oshirase/856/

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祝日を除く平日の朝夕の時間帯のみ営業

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他の簡易委託駅とは一味違った駅で、受託事業者が自治体ではなく、富士工業という地元の一民間企業(産業廃棄物処理業者)である。これこそ、企業のCSRというか、地域へのボランティア活動という感じがする。
取り扱うきっぷは常備券のみで、補充券の取り扱いはない。常備自由席特急券は、砂川駅発と岩見沢駅発のものがある。

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営業キロが100km以上の途中下車できる乗車券の地紋の色は、青であるが、入手するのに高価である。窓口には、使用されていないマルス端末が放置されていた。

【赤平駅(根室本線)】【実踏】

2016年3月28日より開始

http://www.city.akabira.hokkaido.jp/docs/2016022600010/files/28-03-02.pdf

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祝日を除く平日日中のみ営業

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駅舎は、赤平市の施設、交流センターみらいの中にあって、かつてあったみどりの窓口(出札業務)を市が簡易委託の形で引き継いでいる。
窓口に座っているのが、市の(嘱託)職員の方で、収集のためにきっぷを購入したいと申し出ると、レストランのメニューのような、取り扱い券種の図付きのリストを見せてくれた。収集家によく対応できている駅だと思う。

常備券の口座数も多く(ただし売れるところだけ)、滝川駅から札幌駅まで(とみられる)常備指定特急券(地紋は緑色)まであったが、筆者は予算オーバーのために、残念ながら購入を見送った。
もちろん、出札補充券と料金専用補充券の用意があるが、市の広報紙によると、出札補充券の他駅発着は無理の様である(料補は可能)。

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【芦別駅(根室本線)】【実踏】

2016年4月1日より開始

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祝日を除く平日日中のみ営業

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隣の市である赤平市にある赤平駅に比べるとかなり質素な感じの駅舎だが、富良野駅行きの臨時特急列車が芦別駅に停車することがある。
簡易委託の体制は赤平駅と類似しているが、芦別駅のほうが数日開始が遅かった。芦別駅については情報が少ないのだが、やはり市の職員が業務を担当しているものと思われる。そんなわけで、市役所の窓口のような雰囲気であった。

常備券の口座数は普通券だけでも10種類程度あり、近距離から売れるところまで用意されている。常備式の自由席特急券も本来は設備されているのだが、訪れた時はたまたま在庫切れで、購入することができなかった。
出札補充券は芦別駅発限定、料金専用補充券は任意の駅(道内のみ)発可能である。芦別駅発の料補が珍しいので、購入してみた。

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【占冠駅(石勝線)】【実踏】

以前からの簡易委託駅

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毎日日中営業

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この駅の出札業務は、国鉄分割民営化直前に簡易委託化され、現在は占冠村が受託運営している(Wikipediaより)。したがって、かなり長い期間村の職員が出札業務を行っていることになる。

この駅を攻める上でのネックが、アクセスの悪さ。窓口が開いている時間帯の特急列車の停車本数が上下でわずか7本である。車で来るにも、最寄りの都市富良野市から約40km、1時間ほどかかる。それでもこの駅にたどり着くと、簡易委託駅では非常に珍しい硬券の入場券に出会うことができる。

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無人駅の入場券なので、マニア向けのダミー券に違いない。。。

常備券は、普通券で新千歳空港駅行き1,590円と札幌駅行きの2種類、自由席特急券で100kmまで1,130円、150kmまで、札幌駅から150kmまで(帰り用)の3種類がある。
その他のニーズには、補充券が使用されるが、最低区間が隣のトマム駅行きが450円、自由席特急券の最低金額が100kmまでの1,130円(小児560円)と、かなりお高いので覚悟されたい。しかし、常備券口座が少ないため、事実上収集用発券に対応していただける。

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以上、一部の駅をご紹介したが、販売収入の一部(数パーセント)が販売者の手元に残り、それが地元自治体の財源になるというので、節度を持って利用したい。

多くの駅で土休日が休みとなっているので、平日日中に訪れる必要があり、収集家にとってはハードルが高いかと思う。

私見ではあるが、今後も駅の無人化、それに伴う沿線自治体受託の簡易委託化が進み、端末を置けない場合、このような手売りの常備券や補充券が多く出回ってくるようになると考える。皮肉な結果ではある。

 
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