いすみ鉄道「キハの旅」観光急行列車乗車体験

今年が最初の祝日、山の日に、里山の中を走るいすみ鉄道線に乗車する機会が得られた。
いすみ鉄道は、千葉県の房総半島の中心部、いすみ市の大原駅から夷隅郡大多喜町の上総中野駅を結ぶ、約27kmの短い路線である。
東京からは近場の部類に入るのでなかなか足が向かなかったが、ようやくの乗車実現であった。

その目玉は、国鉄時代そのままの車両(気動車)を利用した観光急行列車に乗車し、昭和時代にタイムスリップする体験である。その車両はかつてJR西日本の大糸線を走っていたもので、いすみ鉄道がJR西日本から購入した車両をそのままの姿で観光急行列車として走行させている。
また、この列車は、ランチ時にはレストラン列車「レストランキハ」としての運行になる。

本稿では、レストラン営業していない時間帯の列車を紹介したい。

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概要・背景

いすみ鉄道のキャッチフレーズ自体、「ここには、何もないがあります」で、大多喜町の中心部を除いて観光資源があるわけではない。
よく知られた話であろうが、いすみ鉄道に公募で就任した現社長の鳥塚氏の以下のブログを見て、鉄道マニアとして一度足を向けようという話になったわけである。同氏が無類の鉄道マニアのようで、このようなこだわりの強い商品(観光列車)を造成するに至ったものと思われる。

http://isumi.rail.shop-pro.jp/

この社長の鉄道に対する強い情熱を感じる。

観光急行に乗車

早速、大原駅から乗車した観光急行列車について書いていきたいかと思う。

1号(101D):大原駅 9:18分ー上総中野駅 10:26分 ※急行運転は大原ー大多喜間のみ

列車番号100番台の列車が、キハ28+キハ52の2両編成の「キハ」である。

大原駅は、JR外房線が接続するが、改札口は別々なので、JR線の改札口を出てからいすみ鉄道の売店に入る。

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いすみ鉄道にはムーミン列車も走っているが、それは後ほど。

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すでに、大原駅ホームには、急行列車となるキハ28 2346と並んで、先発列車のキハ20 1303も止まっていた。

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懐かしいきっぷ

大原駅の売店で、急行券と、乗車券として房総横断乗車券\1,700を購入したが、急行券は硬券も発売しているのでコンプリートした。収集していると伝えると、快く全種類出してきてくれた。

まずは指定席券。1号の常備式と補充式の両方があった。指定席券は、実際に乗車する場合は当日の朝9時から発売される。

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レストラン・キハとなる2号車を指定席として開放されている席である。
1号車の自由席には、普通の急行券を購入して乗車する。上記の指定席券とも、硬券の地紋がなんと国鉄時代のものである。一瞬目を疑ったが、なんというこだわりようか、感動を覚えた。

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売店には硬券だけではなく、車急式の軟券も発売していたので、最長の状態で購入。これも国鉄地紋である。こんなにマニアのために?遊んでいるきっぷは、ここいすみ鉄道以外ではまず見かけない。このインチキさ?にはただ笑うしかない。サービス精神満点のきっぷだと思う。

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実乗のための乗車券として購入した房総横断記念乗車券は、小湊鉄道線の五井駅まで片道乗車できるきっぷである。はっきり言って値段がかなりおトクである。小湊鉄道の運行本数が少ないのは我慢である。

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こちらは、さすがにJPR てつどう地紋である。

乗車券類の話になっているので、ついでながら大多喜駅や車内で売っているきっぷについても上げておきたい。

大多喜駅の出札窓口では、硬券の急行券・指定席券を売っており、希望すれば発行してくれる。なお、普通の片道乗車券は、自動券売機のみでの発売である。

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おもしろい硬券乗車券としては、小湊鉄道の養老渓谷駅行き連絡運輸乗車券が売っていた。これも国鉄地紋のレアものであるが、いつまで発売されるかは怪しい。

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補充券については、他の第三セクター鉄道と同様、最低限の1種類しかない。(一時期褐色の入鋏式特別補充券が存在したようであるが、この日に聞いたらすでに在庫なしとのことであった。残念)
この補充券は、大多喜駅での出札(基本発券不要のため、収集用発券を行ってくれるかは保証できない)、および車内券としてアテンダントさんから購入可能である。至ってオーソドックスな様式である。

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観光急行再び

話を、観光急行のほうに戻そう。

売店からホームの中に入ると、キハ28のほうの2号車に、急行フラミンゴのヘッドマークが掲げられていた。筆者には、そもそも房総各線の気動車経験がないのだが、急行フラミンゴというのも初耳であった。行先標(サボ)もばっちり掲げられている。

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ランチ時は、レストラン・キハとしての営業である。

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2号車の指定席は本来ボックスシートであるが、シートの上に大きな手作りテーブルがのっていて、2人しか座れない。大多喜行きの列車の場合は、進行方向逆向きに進行するので、そのつもりで。

2号車には終点の上総中野駅まで乗車できるが、大多喜駅からはレストラン・キハの営業準備が始まって落ち着かない。

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1号車(キハ52 125)は自由席として乗車できる。また、全線通しで乗車できる。大多喜駅を過ぎると、行先標(サボ)もしっかり変更されていた。

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車内は正直なところ、かなり疲れていて、床材がはがれてぼこぼこな場所があったりしたが、雰囲気は決して悪くない。車端部にはスタンプや展示のコーナーがあり、国鉄の路線図があった。

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キハ28に吊るされていた広告がこれまたこだわりの塊で、国鉄時代のナイスミディパスなどの企画商品のポスターが何枚かあった。不正乗車防止啓発のポスターも。

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このくらいの言い回しのほうが、抑止効果はあると思うが。。。最近のJRは何かときつい。

大原駅から大多喜駅までは約30分間、さらに終点の上総中野駅まではもう30分の短い乗車時間である。景色が決していいとは言えない車窓で退屈なのだが、その分素朴な里山風景を味わえる。
そのためか、実際の客層は大半の乗客が中高年層であった(夫婦が多かった)。国鉄を懐かしむというこの列車のコンセプトが分かるのは、おそらく50歳代以降の年代の人かと思われる。
今、多くの鉄道会社は中高年層をターゲットにして鉄道商品を造成しているので、いすみ鉄道のこのやり方も間違っていないのだとは思う。

その先へ

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終点の上総中野駅から接続する小湊鉄道線が、これまたレトロで味があるので、お勧めである。

いすみ鉄道のもう一つの顔が、ムーミン列車である。とはいえ普通のロングシートの車両であるが。こちらは日常輸送用なので、インパクトには欠ける。サボが鉄道むすめ系なので、多様性がある。

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いすみ鉄道はグッズの販売も充実していて、大原駅、国吉駅、大多喜駅に売店がある。
食品で特色あるのは、「キハカレー」か。
筆者が購入したのは、クリアファイル300円、運転士車掌バッジ840円他である。

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首都圏にあってアクセスのよいいすみ鉄道は、鉄道マニアにも優しい(というか依存した?)鉄道会社だと思う。職員の人たちも、鉄道ファンの乗客たちに理解があり、よく対応してくれる。

 
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