「伊豆クレイル(Izu Craile)」号 乗車体験 【4号車一般座席】

伊豆クレイル(Izu Craile)号は、JR小田原駅から伊豆急行線の伊豆急下田駅までを約2時間で結ぶリゾートトレイン(レストラン電車)である。
伊豆地区は人気の観光地であり、観光電車でわざわざ誘客する必要もあるまいとは思うものだが、遅れながら伊豆にもリゾートトレインのデビューである。

先月、2016年7月後半から運行が開始されたリゾートトレイン、表題の伊豆クレイル号に早速乗車してみた。ただし、筆者はおひとりさまで、今のところは旅行商品の体験ができないため、きっぷ(グリーン券+乗車券)で乗車できる4号車に乗車してきた。

概要・コンセプト

この電車のコンセプトは、販売パンフレットによると、「食べて、飲んで、おしゃべりして過ごす、大人のリゾート列車」だそうである。つまりは、家族連れでもなく、シニア層でもなく、女性グループ客を主なターゲットにした電車であり、電車の外装デザインやサービス内容でそのことがはっきりしているかと思う。まずは、駅で販売パンフレットを入手されたい。

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この電車の醍醐味は、旅行商品の形で購入して乗車し、車内で(多分)おいしいフレンチ料理を味わうことであるので、上記とは別の、旅行商品のパンフレットを手にするとよい。現地コースで1人約1万円と決して安くはない料金であるが、大変な予約をとるだけの価値があるのだと思われる。

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この電車の、「旅行商品車両(食事サービス付き)+きっぷで乗車する車両(サービスなし)」の構成が、新潟県を走るリゾートトレイン、「越乃Shu*Kura」号と全く同じであり、新潟県の日本酒列車が伊豆にも姿を変えて登場したようなものとも言えよう。
(二番煎じ的とはいえ)どちらの列車も人気があり、なかなか予約が取れないことは共通している。

乗車までの流れ

さて、4号車の一般座席の予約であるが、えきねっとで事前予約をかけたら、何とかとることができた。

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この電車の一般座席の料金だが、従来の(普通車)指定席券520円ではなく、普通列車用グリーン券1,280円と割高である。後述するように、この一般座席がグリーン車基準で特別に改装されているわけではないのにグリーン料金がかかるのは割が合わない。この車内の設備からは、普通車並みの指定席券が本来ふさわしい料金水準だと考える。
JR側ではおそらく、本当は乗車しない指定席券を予約購入されるのを防止したいがために、つまりは空席状態を避けるために、グリーン車としての設定を行ったのだろうと推測する。今後新しく造成されるリゾートトレインは、何だかんだといってグリーン車指定席として設定されてしまうのかもしれない。

リゾートトレインらしくグリーン車指定席とするのは大いに結構なのだが、例えば岡山県を走るリゾートトレイン「ラ・マルせとうち」号などを見習って(記事はコチラ)、細かな利便設備の改造や追加などをして普通車とは差別化を図ってほしいものである。

乗車するには普通列車用グリーン券1,280円に加え、(走行区間:小田原駅までの)乗車券2,290円が必要であるが、JR線と伊豆急行線の合算金額であるため、乗車するためのコストが片道\3,570円と、走行距離(83.3km)にしては高額な部類に入る。

※ただし、オフシーズンには、伊豆急行線内の伊豆満喫きっぷ?を利用すると、乗車券部分がいくらか安く上がる。

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実際に乗車した

筆者は、伊豆急下田駅から上りの電車に乗車したのだが、お盆明けの週末であったため、その時偶然に超VIP一家に遭遇した。

上り:伊豆急下田駅 15:09分 →(伊豆急行線、JR伊東・東海道線)→ 小田原駅 17:12分

そう、ここ下田市には須崎御用邸がある場所で、時々往来があるわけである。その影響で、伊豆クレイル号の発車時刻前には警備のために改札口が変更になっており、ホームに自由に入ることができなかった。乗客が長蛇の列をなして、あわやパニックになるところだったが、巻き込まれる寸前でラッチの中に入ることができてよかった。

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警察の警備陣、見送りの駅長やその他要人が揃っている中、ホームに入ったら、すでに伊豆クレイル号の車両が入線していて、車内に入ることができてよかった。電車は4両編成の短い電車である。

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電車の外観は見事である。651系のおさがり車両で、電車の場合は特に古く見えてしまうのだが、ペインティングはグッドである。絵柄がなかなかフェミニンな感じである。
行先は小田原行きである。

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そして、車内の様子である。
グリーン券で乗車する4号車であるが、座席の生地、モケットは見事に張り替えられているが(海側青、山側緑)、座席そのものは、元の特急電車の普通車の座席そのままである。この日は満席だったので、結構圧迫感があった。車内には、ボサノバのBGMが常時かかっていた。

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4号車の客層としては特に女性グループの客が多かったわけではないが、一般の特急電車の客層と同じ男女グループの一般旅客が多かった。
伊豆急行線は鉄ヲタには鬼門なのか??、鉄道ファン系の人はほとんど見かけなかったが、その代わりに女性のおひとりさまがこの電車目当てにちらほらと見かけられた。
そんなわけで、1号車の一部座席を相席専用で1人客に開放すれば、いくらかはそのニーズを掘り起こせると思われるので、旅行主催者には1人申し込みを検討してほしいものである。

本稿の趣旨からはおまけになるが、他の号車の写真も撮れたので、ご紹介したい。

3号車は個室タイプ(コンパートメント)の客室で、旅行商品を購入しないと乗車できない。以下の写真は、車いす対応の2人用シートである。

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1号車は、オープンタイプの客室だが、全座席2人掛けの座席である。海向きのカウンター席のほうが上席に感じる。
例によって、この車両も旅行商品を購入しないと乗車できない。この車両を1人客、3人客にも開放してほしい(相席だとちょっと照れくさいレイアウトではあるが)。

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2号車は全乗客が利用できるバーカウンターとミニラウンジがある。

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カウンターでは、ビールやコーヒー、グラスワイン、お菓子、伊豆の「のもの」の特産品が販売されている。残念ながら、伊豆クレイル号のオリジナルグッズは存在しない。
ミニラウンジでは、途中でボサノバの生演奏があった。(リゾートしらかみ号のように、演奏を全車両のスピーカーに流すようにすればよりグッドなのに、と思った。。。)

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カフェのお品書きはなかなかかわいらしい。

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電車の運行自体は、要人警備があったにもかかわらず定刻でなされ、よかったが、伊豆急行線内の各駅では警備で職員が立っていた。この伊豆クレイル号の直後に特別専用電車が運行されたと想像される。
伊豆急行線とJR伊東線内は線形が悪く、走行スピードも速くなかったが、上下電車の行き違いがうまくできていて、数多くの電車が運行できていた。

上りの電車では、15:40分ごろに片瀬白田駅付近で一旦停車し、目の前の海岸線を眺められる。
乗車した日は天気が良くなくて、向こうの伊豆大島が見えなくて残念だった。

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伊豆急線内では車内検札もなく、伊東駅に着いた。
伊豆急下田駅では駅員の見送りなどのイベントは全くなかったのだが、JR線に入ってからはこの電車のために、ホームに駅員の姿を多くみられた。その様子から、JRとしては、この電車に対して結構意気込みがあると感じられる。
伊東駅では14分間停車し、その間に写真撮影タイムである。

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終点の小田原駅でも、駅員の出迎えがあって、この電車が大事にされているように思った。

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課題点・おわりに

電車自体は快適に乗車できたのだが、最後にその他の課題点を勝手に挙げたい。

それは、小田原駅までのアクセスである。東京からであれば東海道新幹線か小田急線を利用しなければならないし、横浜からならば東海道線に乗車し、小田原駅でこの電車に乗り換える必要がある。慎みなく言えば、出発駅の位置としては中途半端ではないかということである。
線路容量の関係で小田原駅から東京方に運行できないのではないかと推測するが、せめて品川駅まで通しで運行されれば利便性は抜群である。

 
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