近鉄特急「しまかぜ」号乗車体験

大阪・京都・名古屋から三重県の伊勢志摩を結ぶ近鉄特急。
その中でも異彩を放つ観光列車の「しまかぜ」号。
全席デラックス席およびサロン個室の特別な列車に乗車する機会を得たので、本稿でその体験を共有したい。

しまかぜ号は、大阪難波駅、京都駅、近鉄名古屋駅からそれずれ週6日1往復運行されている。
そのうち、本稿で紹介するのは、賢島駅(三重県志摩市)発、近鉄名古屋駅行きのしまかぜ号に乗車した体験である。

しまかぜ号に乗車するまで ~列車の予約~

近鉄特急の中でも最豪華列車であるしまかぜ号、乗車するための最たるハードルが、その予約の取りにくさであろう。
列車の定員が、一般のデラックス席で112席、個室(5室)を含めて138席と少ないので、確かに取りにくいのが分かる。

近鉄特急の特急券の発売開始が乗車1か月前の10:30分からで、そのタイミングで予約しないとなかなか席が押さえにくいと思われる。

特急券の発売箇所が近鉄の駅か旅行会社であるが、旅行会社に依頼しても席を取れる保証がないので、近鉄沿線以外に住んでいる場合は、予約するのがその分不利になると思われる。

ただし、近鉄特急の特急券はインターネットでチケットレス特急券として予約購入を行えるようになっている。あらかじめ積立金カードにお金を積み立てておくか、クレジットカード決済になるが、場所を問わず1か月前に予約の土俵に立てるようになっている。
詳細は近鉄特急インターネット予約のウェブサイトを参照されたい。

筆者は乗車1か月前の発売開始のタイミングには間に合わなかったのだが、事前にネットでチケットレス特急として運よく予約購入することができた。

しまかぜ号に乗車するために必要なきっぷは、しまかぜ特別車両料金を含んだ特急券と乗車券である(個室が取れた場合は個室券も)。
賢島→近鉄名古屋間の乗車券が1,970円、デラックス席の特急券が2,640円で、合計4,610円である(執筆時点の2019年9月現在)。

乗車券は交通系ICカードで乗車することもできるし、駅の窓口で乗車券を購入することもできる(クレジットカード決済可能)。

いざ賢島駅へ!

伊勢志摩国立公園に中にある賢島駅に降り立った。

賢島駅のある地域は、かつて伊勢志摩サミットも行われた高級リゾート地であるが、駅前には特にこれといったものはない(駅ナカには、伊勢志摩サミットの資料館がある)。

賢島駅には、列車の発車時刻の1時間以上前に到着したのだが、しまかぜ号の案内ボードには、大阪・京都・名古屋行きとも満席である旨が表示されていた。この列車の人気ぶりをうかがい知ることができる。

発車時刻の30分前の賢島駅の改札口。10分刻みで特急列車が発車する中で、名古屋行きのしまかぜ号が3本目の発車であった。改札口を通して、中には普通列車の車両としまかぜ号の車両2編成分が見える。

しまかぜ号の車両とご対面!~車両外装について~

早めに改札口からホームに入った。3番線にはすでに名古屋行きの編成が入線していて、車内の準備中だった。改札口から見る列車は、進行方向の最後尾である。

しまかぜ号の編成の最前部。発車20数分前では人がほとんどおらず、静かだった。
1号車は客室がハイデッカーになっていて、大変眺めの良い座席である。運転席の前面デザインも特別感がある。

ホーム上にあるしまかぜ号の乗車位置の案内。きれいな状態で、これから乗車しようとすると、心が小躍りする。

車両の側面に描かれたしまかぜ号のロゴマーク。リアス式海岸の伊勢志摩地域に合った海風をイメージさせるデザインだ。

4号車の側面。カフェの車両のみブルーの塗装になっている。

5号車の側面。一般の車両は白の塗色だ。お世辞にも外見の良くないデザインの近鉄特急の車両の中では、際立ってデザインが良い。

車両の中へ ~車内設備について~

車内の準備ができて、ドアが開いてから車内に入った。
5号車は一般の号車で、横3列のデラックス席が並んでいる。座席の後ろから見ると、座席の背もたれにテーブルがついている。

座席を前から見たところ。飛行機のビジネスクラスの座席のようである。

1号車のハイデッカー座席の入口にあるデッキ。段差があるので、高齢者にはあまり向かないかと思う。

同じデッキには、無料で使えるロッカーがある。中型のキャリーバッグであれば、鍵付きのロッカーに入れられる。大型のものは鍵のかからないところに置けるが、使用するにはいずれも早い者勝ちである。

1号車の最前部。しまかぜ号の場合、最前部が共用ラウンジになっているのではなく、いきなり展望座席である。
名古屋行きの列車の場合、1号車1番の座席がとれれば、2時間最前部の展望を楽しめる。

展望座席から見た運転席。眺めは抜群である。

個々の座席をみてみたい。一人掛けの座席には、電動のリクライニングとフットレストが付いていて、飛行機のビジネスクラスのような豪華な設備である。シートピッチも125cmと、余裕で足を組める足元の広さである。

こちらは二人掛けの座席。

各座席に付いているのは、電動で動く座席のコントローラー。リクライニングの調整とレッグレストの出し入れを行える。

3号車の個室、サロン席にまだ人がいなかったので、撮った写真を共有したい。
1編成で1室しかない和風個室。取れれば極楽の旅である。

こちらも1室だけの洋風個室。さながらカラオケボックスのような雰囲気である。

コンパートメントのサロン席は3室あるので、個室よりはいくらかは取りやすいだろう。大きなテーブルがあって使いやすい座席である。

4号車のカフェ車両はダブルデッカーになっている。カフェスペースの入口である階段。

1階のカフェの座席は赤色。狭い空間である。

2階のカフェの座席は緑色。開放感がある空間である。

発車前の物販カウンターはまだ準備中だった。余談だが、夏休み期間だけしまかぜ号のクリアファイルが売っているとのことだったが、すでに品切れとのことで、残念だった。

そして、近鉄名古屋駅に向けて発車!

賢島駅 15:40分 →(近鉄鳥羽線・名古屋線経由)→ 近鉄名古屋駅 17:44分

賢島駅での発車時刻が迫るにつれて乗客が列車に乗ってきたが、まだ満席にはならない状態で発車。伊勢市駅で多くの乗客が乗ってきて、予約状況通り満席になった。

伊勢市駅までは多くの駅に停車していたが、そこからは近鉄四日市駅のみに停車して、終点の近鉄名古屋駅まで疾走した。

各車両にアテンダントさんが車内販売に回ってきて、しまかぜ号の特製のおしぼりと記念乗車証を配ってくれた。

終点の近鉄名古屋駅には定刻に到着。多くの人がホームに降りて、混雑していた。

しまかぜ号は速達性のある列車で、ゆっくり列車に乗って遊ぶというよりは、飛行機の快適性を求めるような列車に感じた。一般の特急列車と比べて乗り心地がまるで違うので、しばらくは人気を保つのではないかと思う。

 
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