東武線-日比谷線直通列車「THライナー」乗車体験

東武伊勢崎線久喜駅(埼玉県久喜市)から地下鉄日比谷線直通で上野や銀座といった東京都心に向かう有料座席列車「THライナー」の運行が、2020年6月6日から始まった。

東武スカイツリーライン・伊勢崎線沿線から東京都心に出るには地下鉄頼みで、半蔵門線か日比谷線に乗車することになるが、全席指定で座って快適に利用できる東武線と東京メトロ日比谷線の直通列車である。

平日・土休日ともに1日当たり7本が運行されるが、平日は東武線沿線の駅から東京都心への通勤用の列車として、土休日は都心への買い物などのお出かけに便利な列車として利用できる。

運行開始2日目の6月7日、筆者は久喜駅から恵比寿駅(東京都渋谷区)までTHライナー4号に全区間乗車した。

本稿では、THライナーの座席指定券の買い方、筆者が実際に乗車した際の体験、そしておまけとして、6月6日開業した地下鉄日比谷線虎ノ門ヒルズ駅について読者の皆さまと共有したい。

THライナーの停車駅・料金

THライナーを利用できる駅は、東武線内の久喜、東武動物公園、春日部、せんげん台、新越谷駅と、日比谷線内の上野、秋葉原、茅場町、銀座、霞ヶ関(と恵比寿までの各駅)である。そのほかの途中の駅からの乗降はできない。

日比谷線内でこのような列車が走るのは初めてのことで、知らない乗客が誤乗して警備員に注意される場面を何件か見かけた。列車の向かう方向によって乗れない駅、降りられない駅があることを知っておくべきだろう。

座席指定券の料金は、乗車区間によって大人580円か680円のいずれかになる(子ども350円か300円)。

● 久喜、東武動物公園、春日部 → 大人680円(子ども350円)
● せんげん台、新越谷 → 大人580円(子ども300円)

座席指定券を事前に買わずに乗車してしまうと、車内料金として一人200円が加算されてしまうので、事前に購入して乗車したい。

THライナーの乗車に必要なきっぷの買い方(東武線内)

全席座席指定のTHライナー、乗車するには乗車券(ICカード含む)だけではなくて、座席指定券を購入する必要がある。なお、座席指定券が必要な有料の区間は、東武線の久喜駅と日比谷線の霞ヶ関駅の区間である。日比谷線内の霞ヶ関駅から恵比寿駅までは座席指定券の設定がなく、乗車券だけで利用できる。

東武線内で座席指定券を購入できる場所は、停車駅である久喜、東武動物公園、春日部、せんげん台、新越谷駅のホームにある特急券券売機、これら停車駅と周辺の駅の改札口にある券売機と駅の窓口で、比較的事前の購入がしやすくなっている。

久喜駅では、上りホームにある特急券券売機で、THライナーの座席指定券(当日分)も購入できる。

ここでは、駅の改札口にある券売機で座席指定券を購入する時の主な画面遷移をご紹介したい。券売機の最初の画面で「THライナー」を選択できる(タッチパネルの左下部分)。

列車を降りる駅を選択する。霞が関から先の各駅は、座席指定券の設定外の駅となるため、乗車する場合は「霞ヶ関」を選択しよう。

当日(前売の場合選択した日)空いている列車が表示されるので、乗車する列車を選択する。

座りたい座席の位置を指定する。座席を選ぶ上で留意点があるので、ざっと書きたい。

● 基本は座席表から選んだほうが良い(戸袋がなく景色がよく見える席は、各号車5/8/11番のA/D席)
● 優先席としても使われる車端部のロングシートも指定席として販売される。有料座席なので譲る必要はないが、ベビーカー、車いすや大きな荷物を持ち込む場合はロングシートを選ぶと便利。

シートマップが表示されたら、座りたい座席をタッチして選択する。

日付と列車番号、人数と座席位置を確認してよければ現金を入れる(領収書発行可)。

きっぷが発券されるので、忘れずに受け取る。

THライナーの乗車に必要なきっぷの買い方(日比谷線内)

東武線内では座席指定券を買える駅が停車駅以外にもあるが、東京メトロ日比谷線内では、停車駅である霞ヶ関、銀座、茅場町、秋葉原、上野駅の改札口の券売機(前売可)もしくはホームにある券売機(当日のみ)のいずれかである。

改札口にある券売機では前売分、そして東武線の駅からの分も購入できる。往復で座席指定券を購入したい場合、便利だろう。

ホームにある券売機では、乗車当日の次の列車の座席指定券のみ購入可能である。表示に従って、券売機に向かう。

写真は販売時間外のものである。

THライナー4号に実乗!

久喜駅から恵比寿駅まで全区間乗車した。この日は日曜日なので、土休日ダイヤの時刻である。

4号:久喜駅 9:23分 →(東武伊勢崎線/スカイツリーライン・地下鉄日比谷線経由)→恵比寿駅 10:53分

筆者が久喜駅に到着したのは、9時ちょうどだった。

9時過ぎに東京都心へ向かう列車、THライナーの前に区間急行とりょうもう号の2本があるので、始発の久喜駅からわざわざTHライナーに乗車する人は少ないと思われる。

列車が発車するのは3番線ホーム。東武線の久喜駅で「恵比寿」駅行きの表示を向かけるのは新鮮な体験である。

発車10分前の9:13分頃、東武動物公園方から回送で列車が入線してきた。

車両は、東武鉄道が新造した70090系。THライナーのために何編成も投入した東武鉄道の資本力がすごい。

車両は4扉だが、THライナーとして走行する時開くのは1か所だけで、ホーム上には乗り場の表示がある。

ほどなくドアが開いて、車内に入れた。扉の上にある行先表示は、一般の70000系車両、東京メトロの車両と同じものであるが、恵比寿行きの表示である。

車内の様子。進行方向の後ろから前を眺める。THライナーとして走る場合、6人掛けのシートがクロスシートとして配置されている(間合い運用の場合、ロングシートの配置になる)。

今度は列車の進行方向の前から後ろを眺める。

実際に乗車した座席。リクライニングはできないものの、シートの質感は期待したよりも高く、座席コンセントとドリンクホルダーがついている。車内でフリーWIFIも利用できる。

後ろから前を見ても、そこそこのシートピッチが確保されていて、座り心地は悪くなかった。

車端部のロングシートの部分。間合い運用の際は優先席として使われる部分である。ライナー用車両でも日比谷線と共通の規格の車両なので、トイレがついていなくて、1時間半乗車するのがライナー列車の悲しさである。

定刻発車後恵比寿駅まで疾走!

運行開始2日目の日曜日ということもあり、乗車する人は列車を試乗するファン層が大半で、久喜駅から乗車する一般の乗客はほとんどいなかった。

この列車の真価はもう少し都心に近い駅にあるようで、せんげん台駅と新越谷駅では多くの一般乗客が乗ってきた。車内検札は東武鉄道の車掌ではなく、東武ビルマネジメント委託の警備員が2人組で巡回していた。

東武線内では、次の停車駅は上野、途中で降りることはできませんとアナウンスされていた。久喜駅から西新井駅を通過するまでは急行線を疾走し、梅島駅の手前で緩行線に移ってからはゆっくりと走って、北千住駅で運転停車。

日比谷線に入ってからの停車駅でライナーの存在を知らずに誤乗してくる人が複数いて、駅や車内の警備員に「乗れないので降りて」と叱られる人を見かけた。霞ヶ関駅以降は座席指定が解かれ、一般の電車と同じ状態で終点恵比寿駅まで。中目黒駅まで客扱いしないのがこの列車の七不思議のひとつである。

THライナー、思うに

都心に向かう上りの列車の行先はなぜか、恵比寿駅。霞ヶ関駅でもなければ中目黒駅でもない。東武線に向かう下り列車は、すべて霞ヶ関駅の始発である。THライナーの七不思議といったところだろうか。

春日部以遠の乗客が日比谷線経由で末端まで行き来するというよりは、霞ヶ関駅までの区間への通勤や、上野や銀座にお出かけという乗客が主流と思われる。久喜から渋谷や恵比寿までの移動であれば、JR湘南新宿ラインのグリーン車で移動したほうがずっと快適である。

遠距離客ではなく、新越谷やせんげん台といった近場からの利用客には受けるような気がする。ただし、ちょっと座席指定料金が高く、毎日気軽に利用できるものではないように思う。

デビューの時期が悪く、今後テレワークが進んで通勤客が減少するかもしれないし、外出も減ったらこの列車の利用も伸びないのかもしれないとも感じられる。

あくまでも、東武線沿線の埼玉県民のための御用列車といったところだと思う。日比谷線のユーザーにとっては、次の各駅電車までの待ち時間が長くなってしまうのである。

おまけ:開業初日の虎ノ門ヒルズ駅の様子

当日はとくにお祭りムードではなく、粛々と業務が開始したようである。

駅の開業初日お約束の0001きっぷや補充券の発売を、コロナを理由に一切やらないとのことで、残念だった。駅員と接触する行動なので、一趣味としてはもはや終わった感がある。

本稿に残すために一応買ってきた券売機の普通乗車券である。

 
スポンサードリンク

 

 
関連コンテンツ