「えきねっとトクだ値」キャンセル料のワナ

JR東日本・北海道内特急列車のネット限定割引運賃「えきねっとトクだ値」が盛り上がっている。本稿を執筆している2020年10月現在では、新幹線や多くの在来線線区に所定運賃・料金の50%引きの「えきねっとトクだ値スペシャル」が絶賛販売中で、旅行好きには大変うれしい限りである。

出発日の21日前までに購入できる「えきねっとトクだ値スペシャル」、出発日の14日前までに購入できる「お先にトクだ値」といった早割タイプのものがおトクであるが、悪天候や予期しない状況で旅行日程を変更したり、キャンセルしなければならなくなった場合のキャンセル料について念頭に置いておく必要がある。

在来線特急では紙のきっぷを受け取る

新幹線の場合は、原則紙のきっぷを使用しない「新幹線eチケット」利用になるため、予約の変更やキャンセルはすべてネット上で行うことになる。日付や列車の変更の場合はネット上では何回でも無料で変更したり、1人1区間320円のキャンセル料(払戻手数料)を支払うことで、事なくキャンセルをすることができる(本稿では、えきねっと特典外の予約や新幹線eチケットを紙券に引き換える場合は考慮しない)。

しかし、在来線特急では現在のところ、乗車する前に必ず紙のきっぷを受け取らなければならない。紙のきっぷを受け取った後に急遽変更やキャンセルしなければならなくなった場合が事なのである。

本稿では、在来線特急で「えきねっとトクだ値」料金を利用する場合の旅行キャンセル上のワナというか注意点をお話ししたい。

筆者の体験:台風でキャンセルしたいけど、、、

筆者が2020年10月のある週末に、山梨県内でぶどう狩りを楽しみたいと思い、新宿駅から甲府駅行き特急かいじ号のきっぷを50%割引の「えきねっとトクだ値スペシャル」料金で予約していた。

ご存じの方がいらっしゃるかもしれないが、在来線特急の場合、紙のきっぷを受け取る時点ではじめてクレジットカードに課金されるので、キャンセルするなら紙のきっぷを受け取るまでにネット上でキャンセルしたほうがいいということになる。

しかし、台風が接近しているけど、いったい運休しそうかしなさそうか予想が全くつかない中で、今回紙のきっぷに引き換えてしまったのである。きっぷを受け取ってクレジットカードに課金された時点で、東海道新幹線など他の線区で台風でのキャンセル料は無料とアナウンスされたので、タイミングが大変悪く、乗車予定だったかいじ号のキャンセル手数料についても気になったのである。

JR東日本管内の列車については、台風の影響での旅行取りやめでの払戻手数料の取り扱いについてアナウンスがなかったため、キャンセル料が完全に乗客負担になってしまうわけである。

結局は列車が運休にならず、予定通りに乗車できて払戻手数料は問題にならなかったが、もしも乗客自身の判断できっぷ受け取り後にキャンセルを決めた場合の手数料額が問題である。

えきねっとトクだ値在来線特急の払戻手数料

紙のきっぷを受け取るまではネット上での乗車日付などの変更は無料で、列車の発車前にキャンセルする場合の手数料は、新幹線eチケットと同様、1人1区間320円である。

しかし、駅の指定席券売機で一度紙のきっぷを受け取って、クレジットカードに課金してしまうとその後一切変更はできなくなり、キャンセルとした場合に高額の払戻手数料がかかってしまうことが盲点で、注意が必要である。

一つ設例として、筆者が実際に乗車したかいじ号で、50%引き(5割引き)の「えきねっとトクだ値スペシャル」料金をキャンセルし、払い戻した場合の料金を考えたい。(券面には「払戻不可」と記載されているが、発車時刻以降という意味。発車時刻前なら以下の手数料で払い戻しできる。)

当該列車の発車時刻前の払い戻しには、発売金額に対して、割引率分の払戻手数料が発生することになる。この場合、新宿駅(東京山手線内)から甲府駅までの50%引きの運賃・料金1,940円の概ね50%の払戻手数料がかかることになる。確認したところでは、トクだ値料金の運賃相当部分1,150円と特急料金相当部分790円に分けて、それぞれ50%の手数料がかかるそうである(それぞれ端数切り捨て)。

ここで、筆者が混乱してしまったことは、新宿駅から甲府駅までの所定運賃・料金(通常期)3,890円の50%分である1,940円(端数切り捨て後)が払戻手数料として課されるのか、それともトクだ値の発売金額1,940円の50%分である960円(端数切り捨て後)が課されるのか、ということ。キャンセルすると1円も戻ってこないのかなと疑問に思った。

結果としては後者で、発売金額に対して概ね50%の払戻手数料が課されることになる。発売金額1,940円分まるまる差し引かれてゼロになってしまうことはないことが分かり、胸をひと撫ですることができた。

本設例で「50%」と説明した部分は、それぞれのケースで実際の割引率に置き換えて計算されたい。

※払戻手数料の最低金額は、上記にかかわらず乗車券部分220円、特急券部分340円(合計560円)

帰りに利用したかいじ号は、台風のせいかがらがらだった。

在来線特急のチケットレス乗車(eチケット化)が課題

このように、えきねっとトクだ値料金を利用する際、在来線特急に乗車する場合は、紙のきっぷを受け取るのは慎重であってほしい。可能な限り旅行が確実になった時点で受け取るようにすると、本稿の事例のような葛藤を感じることはないはずである。

今回の事例では、在来線特急の乗車前に必要な紙のきっぷの受け取りに際し、万が一受け取り後にキャンセルした場合の手数料額に関し、狂騒曲があるわけである。

このような問題は、新幹線eチケットのチケットレス乗車では発生しえない。在来線特急でも予約・変更・キャンセルがネット上で完結し、チケットレスで乗車できるようになって、紙券という媒体を発生させないようにするのが、今後の課題であると筆者は考える。

 
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