函館地区のフリーきっぷ「はこだて旅するパスポート」

北海道道南の一大観光地、函館市。市内の観光スポットをめぐるには、市電やバスを利用しての観光が便利である。

函館の街から外に出る時に鉄道を利用する場合、「はこだて旅するパスポート」というフリーきっぷが販売されている。1日用、2日用の2種類の設定があって、自分の旅程に合わせて購入することができる。大沼公園、森、木古内方面に出かける場合便利なきっぷなのだが、果たして元を取れるきっぷなのかどうか。

本稿では、筆者が実際にこの「はこだて旅するパスポート」を購入して利用した体験をご紹介し、コストパフォーマンス的に見合うきっぷなのかどうかを検証したい。

JRの販売パンフレットより

函館地区で販売されている主なフリーきっぷ

函館地区では、驚くほど多くの種類のフリーきっぷが販売されている。本稿ではそれらのすべてをご紹介しきれないので、主なきっぷをご紹介したい。函館旅行の観光の計画に合わせて、それに見合ったフリーきっぷを購入すると安く上がって便利である。

※ 以下の全てのきっぷでは、函館山ロープウェイに乗車することができないので注意

【函館中心部のみをまわる場合】

函館市電を運行する函館市は、多様なフリーきっぷを販売していて、市電のみを利用する場合、バスも利用する場合のそれぞれのフリーきっぷが存在する。

● 市電専用一日乗車券

大人600円・子ども300円

市電に乗車できるが、バスには乗車できない。函館中心部の観光スポットや湯の川温泉に日帰りで訪れる場合、おトクである。

【函館市内のバスを利用する場合】

函館山にバスを利用して登る場合に利用できるおトクなフリーきっぷがある。

● 函館バス一日乗車券

大人800円・子ども400円

函館中心部、函館山、五稜郭タワー、トラピスチヌ修道院などの観光スポットにバスで移動する場合に利用できるきっぷで、バスだけ1日乗車できる。

● 市電バス共通一日・二日乗車券

(1日券)大人1,000円・子ども500円
(2日券)大人1,700円・子ども850円

市電とバスの両方を利用したい場合に便利なきっぷで、日帰りには1日券、湯の川温泉などに宿泊する場合は2日券を購入するとおトクである。

2日間滞在する場合、この2日券を購入するのがコスパ的にはよいと思う。

● スマホ乗車券

上記のフリーきっぷをウェブ上で購入できる。スマホに搭載したきっぷで、紙のきっぷをなくす心配がない。

スマホ乗車券に限り、市電・バスそれぞれの24時間券が販売されていて、夕方から翌日夕方まで利用する場合に利用を検討できるかと思う。

購入するためのウェブサイトはこちら。

https://sp.cstm.dohna.jp/tabs/home

【函館の外に足を延ばす場合】

鉄道(JR函館本線・道南いさりび鉄道)を利用して、木古内、大沼公園、森方面に出かける場合に利用できるのが「はこだて旅するパスポート」である。率直なところ、函館観光で郊外に出かけるパターンは限定的であるが、以下でお話しするように、木古内駅から函館入りし、その後函館観光を公共交通機関でするという場合に利用することができる。

● はこだて旅するパスポート

(1日券)大人2,690円・子ども1,340円
(2日券)大人3,650円・子ども1,810円

上記の「市電バス共通一日・二日乗車券」に、鉄道(JRの函館ー森間・いさりび鉄道の函館ー木古内間)が加わった乗り放題券である。

このきっぷは、JR北海道函館地区の限られた駅のみで購入可能である。

※ 北海道新幹線木古内駅ー新函館北斗駅間は対象外なので、要注意

市電・バス共通乗車券との大人の差額が、1日券で1,690円、2日券で1,950円である。

きっぷの券面と注意書きは、次のようなものである。

鉄道に乗りまくらないと元が取れない

「はこだて旅するパスポート」の設定価格が結構高いことがお分かりだと思う。差額が結構あるので、鉄道に往復乗車しないと元が取れないきっぷである。

したがって、函館入りするのに新函館北斗駅ではなく木古内駅を利用する場合や、大沼公園や森まで出かけるという場合に利用できる、かなり限定的なきっぷであるのが事実である。

(参考:JR函館駅ー森駅間の運賃)

大人片道1,130円・往復2,260円

(参考:JR函館駅ーいさりび鉄道木古内駅間の運賃)

大人片道1,170円・往復2,340円

筆者の「はこだて旅するパスポート」利用体験

筆者が北海道新幹線を利用して函館入りするのに、木古内駅から道南いさりび鉄道を利用し、その後街の中心部を市電とバスでまわるのに、このきっぷ(1日券)を購入してみた。

実際に乗車したのが、いさりび鉄道の片道と、街中の市電・市バスを4回ほど。そして、JRの函館駅と森駅を往復した。

この場合、いさりび鉄道は普通のきっぷを購入して乗車し(1,170円)、それと「市電バス共通一日・二日乗車券」(1,000円)を購入するのが一番安くつくパターンである(合計2,170円)。

筆者は森駅までの往復でJRに乗車するのにこのきっぷを利用したので元を取ることができたが、はっきり言って一般的な旅程ではないため、広くは勧めにくい。鉄道に乗りまくる場合に限り、おトクということになる。

【木古内駅→函館駅】

道南いさりび鉄道127D 11:16分発ー12:16分着

東京・仙台方面から北海道新幹線で函館入りする場合のサブルートで、筆者的にはお勧めである(この列車は、はやぶさ1号から乗り継ぎ可能)。

1両編成の列車で、木古内駅を過ぎて海越しに函館山や下北半島を眺めることができる風光明媚な区間を走る。

車窓から眺める函館山

【函館駅→森駅】

特急北斗15号 14:54分発ー15:42分着

自由席特急券を別に購入すれば、特急列車にも乗車可能である。森駅まで距離にして50km弱あるので、いかめしやラーメンを楽しみたい場合、このきっぷを利用すると良いかと思う。

車窓から眺める駒ケ岳

【森駅→函館駅】

JR函館本線 5884D 16:07分発ー17:42分着(渡島砂原駅経由)

筆者はこの列車に乗るのが目的で、森駅を往復した。JR北海道のローカル列車を体験するには格好な列車だと思う。

筆者はこのほかに、函館中心部の市電や函館バスに乗車した。鉄道に乗車したので、かろうじて元を取れた格好である。市電・バスのフリーきっぷに鉄道運賃分を単純に加算しただけの料金設定で金額が高くなっているのが、商品としては残念である。

函館地区では交通系ICカードを利用できるので、2,3回しか乗車する予定がない場合、フリーきっぷを購入する必要はないかと思う。

 
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