「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」利用体験

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東武東上線・越生線を除く東武線全線に2日間乗り放題な乗車券と、東京スカイツリーの天望デッキ・天望回廊の両方を利用できる入場券のセットである「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」(以下、デジタルきっぷ)が、2021年7月中旬から9月末までの期間限定で販売された。東武線圏内に住む筆者も興味があったので、さっそく8月のある週末に時間を確保し、東武線の乗り鉄と東京スカイツリーからのサンセットの風景を楽しんだ。

販売価格が大人3,000円と破格な価格設定で、電車に乗れば簡単に元が取れるので、スカイツリーと東武線沿線のどこかへ行く場合にはおトクである。乗車券部分のみのため、特急列車やSL列車に乗車する際の特急・座席指定料金は別に支払う必要がある。

本稿では、デジタルきっぷの概要と購入方法、実際の利用体験をご紹介したい。1日目に東武野田線(アーバンパークライン)の乗りつぶしをしてから東京スカイツリーの天望デッキ・天望回廊を夕暮れ時に訪れ、2日目に東京から鬼怒川温泉に向かい、SL大樹号に乗車してみた。

このデジタルきっぷを見せると、東武系の観光施設数箇所で割引を受けられるが、その詳細については本稿では割愛させていただく。

「東武本線乗り放題デジタルきっぷ」の購入方法

東京スカイツリーの天望デッキと展望回廊の両方に入場できるチケットと、東武東上線・越生線を除く全線に2日間乗り放題な乗車券(東武フリーパス)のセット券で、インターネット上でオンラインで購入可能である。きっぷは、実際に利用開始する30日前から前日までに購入する必要があり、利用開始当日には購入できない

料金は年齢に応じて以下の金額であるが、展望デッキと展望回廊の前売セット券(休日用)の価格と同額である(大人の場合同額で、小人・中人は少し高い)。したがって、東京スカイツリーの入場券のおまけとして、乗車券としての東武フリーパスが付いている形である。

● 大人(18歳以上)3,000円

● 中人(12-17歳)2,700円

● 小人(6-11歳)1,700円

乗車券の東武フリーパスは紙のきっぷではなく、スマホ上のウェブブラウザの画面上に表示される画像情報である。そのため、普通の紙の乗車券と違い、次のものが必要である。

● インターネット接続可能なスマートフォン

● 決済手段としてのクレジットカード

購入するには以下のURLにアクセスし、東京スカイツリーに入場する日時と人数を指定してから決済をし、購入を完了する。支払手段の選択肢にはクレジットカードか、WeChatPayなどの日本人が通常利用しないバーコード決済のいずれかが表示されるため、実質的にはクレジットカードが必要である。

LINKTIVITY Activity Reservation System

代金の決済を済ませ、きっぷの購入が完了すると、以下の画面が表示される。この画面上からは、スカイツリーの入場券のQRコードが表示されたバウチャーと、東武線の乗車券を表示できるバウチャーにそれぞれ飛ぶことができる。

実際のバウチャーは以下のような感じで、紙への印刷用とスマホでの表示に最適化されたイメージとの両方が提供される。

東京スカイツリー入場券部分のバウチャー
東武フリーパス(乗り放題乗車券)部分のバウチャー

東武フリーパス(2日間乗り放題の乗車券)を利用開始

今回は、大宮駅から東武野田線を利用して船橋駅まで通しで乗車し、JR線と都営バスで東京スカイツリーに移動して都内に宿泊し、翌日に浅草駅から特急列車とSL列車で鬼怒川温泉を往復し、大宮駅に戻る周回経路で移動した。

最初に東武線の電車に乗車する時が、デジタルきっぷの使用開始(アクティベーション)となる。使用開始に合わせて、デジタルきっぷのバウチャーから東武フリーパスへのリンクをクリックし、使用開始の画面を表示する。

[利用]ボタンをクリックすると以下の画面が表示され、本当に利用開始するか確認される。駅の有人改札に着いた時にこの画面を表示するようにしよう。

きっぷをアクティベートした瞬間に以下の緑色の画面が表示されて、有効期限までのカウントダウンがスタートする。このきっぷの有効期間は2日間であるが、実際はアクティベートした瞬間から48時間利用が可能である。

実際の画面イメージは、東武鉄道のロゴマークの部分が動画になっていて、その動画部分を駅員さんに見せて有人改札を通る。本稿の画面を見せないように注意していただきたい(使えないよう加工してあるが)。

東武野田線(アーバンパークライン)乗りつぶし

2139A列車:大宮駅 15:14分 → 船橋駅 16:31分

東武野田線は愛称が東武アーバンパークラインで、さいたま市大宮区の大宮駅から千葉県柏市の柏駅を経由して、千葉県船橋市の船橋駅を結ぶ62.7kmの路線である。大宮駅から柏駅までは国道16号線にほぼ並行する郊外路線である。運行系統は柏駅で実質的に分かれ、柏駅発着の列車が多いが、日中の急行列車は大宮駅から船橋駅まで通しで走る列車もある。

筆者は、土曜日の日中に走る急行列車に通しで乗車してみた。

大宮駅には東武線も乗り入れているが、JRに埋もれる形で地味な存在である。東武野田線乗り場は、東口のルミネ1の一角にひっそりと存在している。

大宮駅のホームは島式ホーム1か所で、駅としては小規模であるが、乗客数はかなり多い印象である。

大宮駅の駅名標。東武線といえばラインカラーはオレンジ色であるが、野田線系統はブルーなのが印象的である。さいたま市に東武線が走っているイメージは薄いが、れっきとした東武圏内である。

発車表示板。大宮駅でも、船橋行きの表示を見られる。

この日乗車した急行列車の車両は、リニューアルされた10000系だった。6両編成の進行方向最前部に乗車したが、柏駅で折り返しとなり、進行方向の最後部となる。

急行列車は途中の春日部駅まで急行運転し、その先運河駅まで各駅に停まり、それ以遠は終点の船橋駅まで再び急行運転である。約1時間15分の小さな旅であったが、終点の船橋駅まで通しで乗車したのはおそらく筆者だけであったかと思う。

東京スカイツリーからのサンセットを楽しむ

そして、土曜日の夕方に東武野田線の終点船橋駅からJR線と都営バスを利用して、本所吾妻橋に向かった。

東京スカイツリーに登る前に、本所吾妻橋近くの源森橋で、東京スカイツリーを背景に東武電車の行き来するところを眺めた。

スカイツリーの天望デッキには、夕方18時少し前に入場した。バウチャーのQRコードをスマホ上に表示させて、自動発券機に読み込ませて、入場券を受け取った。

待ち時間なしで展望台へ。日中は家族連れが多いのであるが、夕方の主な客層は若者のグループやカップルが目立った。この日は空にもやがかかっていたため、富士山を眺めることはできなかったが、西方に沈む太陽を拝むことができた。

特急リバティけごん号で下今市駅まで乗車

リバティけごん3号:浅草駅 7:00分 → 下今市駅 8:45分

東京スカイツリーに登った翌朝早く、特急列車の始発駅である浅草駅に向かった。

浅草駅では、リバティけごん号の特急券と、接続するSL大樹号の座席指定券を購入。それから列車が発車するホームに上がり、列車に乗車した。早朝の列車ということもあって、列車は3両の短い編成だったが、乗客も少なく空いていた。

SL大樹号に乗車して鬼怒川温泉に向かう

SL大樹1号:下今市駅 9:33分 → 鬼怒川温泉駅 10:09分

リバティけごん3号が定刻に下今市駅に着いてからSL大樹1号の発車まで45分ほどあったので、一旦駅の改札口を出て外から駅舎を眺めた。下今市駅全体が大正ロマン風にまとめられているが、駅舎も例外ではなく、レトロなつくりである。

東武鬼怒川線には蒸気機関車が2台あって、1日に4往復運転されている。線内でSL列車同士の離合が見られるのは、日本国内でおそらくここだけだと思う。というわけで、SL1号から8号まで運転されるが、いずれの列車も空席ありだった。

発車の13分前の9:20分に列車が入線してきたが、この日は乗客がとても少なく、普通は機関車に群がる多くの人々が、この時はほとんどおらずにさみしい感じだった。

客車の1-3号車それぞれの入口には、アテンダントさんが一人づつ立ち、乗客を出迎えていたが、ちょっと寂しそう。

駅ホームにある発車案内表示も凝っていて、フォントがレトロ風である。東武鉄道は、設備投資が気合入っているなぁと思う。

この列車の2号車はあいにくドリームカーではなかったこともあってか本当に空いていて、乗車した3号車には筆者の他に一人しか乗客がおらず、ほぼ貸し切り状態だった。SL大樹が走り出してからちょうど4年ということで、アテンダント通信は4周年記念号だった。乗客にとってはアテンダント通信目当てにリピートするのもありだろうが、スタッフさんの尽力を感じる。

JR直通特急きぬがわ号で帰路についた

きぬがわ4号:鬼怒川温泉駅 10:39分 →(東武日光線・JR宇都宮線経由)→ JR大宮駅 12:16分

筆者はこの日、鬼怒川温泉に滞在する時間がなかったため、SL転車台での作業を見学してからすぐに、とんぼ返りでJR大宮駅まで直通特急列車に乗車した。

JR直通特急は、運賃的にもちょっと特殊な列車である。チケットレス特急券もなく、乗車券としてICカードが使えないため、紙のきっぷをあらかじめ購入しなければならない(予約システムがJRのマルスで、東武線内の特急予約システムと異なる)。JR東日本の駅で事前に特急券・乗車券を購入しておくか、鬼怒川温泉駅(現地)の駅窓口で紙の特急券・乗車券を購入しなければならない。東武線内の特急列車に比べ、料金的にも高額であるので、乗車を躊躇しがちである。

今回は東武線乗り放題の東武フリーパスを持っているので余計にイレギュラーな案件で、特急券はJR大宮駅まで通しで購入したのだが、乗り越し先のJR線内の乗車券を東武線内で購入できず、厄介だった。というわけで、鬼怒川温泉駅では、通しの特急券だけを購入した。

駅の改札口を通ってホームに向かう途中の案内表示。特急きぬがわ号はJR線内に入っていく。

車両はJRの253系。東武のスペーシアの車両と違ってオーソドックスな車両で、個室もない簡素な列車である。

車両の行先表示。JR新宿行きの列車は、東武線がカバーしていない大宮、池袋、新宿に出るには便利な列車である。

列車が発車してから東武線内を走る時間が長く、東武線からJR宇都宮線に入る栗橋駅には11:50分頃に着いて、3分間程度運転停車。栗橋駅の渡り線に入る直前に架線のデッドセクションがあって、車両の惰性で進む箇所である。

JR線内に入ってから運賃の車内精算をしてもらうべくJRの車掌さんを待っていたが、栗橋駅を発ってから大宮駅までは約20分しかなく、なかなかやってこなくてやきもきした。今回東武フリーパスを持っていることもあって、その事情を着駅で説明するエネルギーもなかったので、何としてでも運賃を車内精算しておきたかったのである。何とか完了して、手元には印字された車内補充券が残った。

(余談)今回は鬼怒川温泉駅で通しの特急券を購入し、JRの運賃を車内精算したが、JRのえきねっとでトクだ値料金として事前に購入し、JRの駅で紙のきっぷにあらかじめ引き換えて、別途東武線内の特急券を当日駅窓口で購入する手もある。

この場合、えきねっとトクだ値で事前に購入(特急券・乗車券)するのが(東武線)栃木駅ーJR大宮駅の区間で、別途特急券だけ購入するのが鬼怒川温泉駅ー(東武線)栃木駅の区間とすると、運賃料金の総額は大して変わらない。

東武フリーパスの有効期限が満了

土曜日の午後にアクティベートして使用開始したフリーパス、48時間の使用期間を満了したのが、月曜日の午後だった。緑色だった画面イメージが真っ赤に変わって使用できない状態になった。

今回は、東京スカイツリーの天望デッキ・天望回廊の入場と、東武野田線の片道乗車、鬼怒川温泉までの往復乗車で、約7千円分の価値を3千円で利用できたことになる。2日間で東武沿線をめいいっぱい楽しむにはおトクなきっぷだと思う。

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