のってたのしい列車を指定席券売機でとるワザ~おいこっと号を例に~

スポンサードリンク

JR東日本管内を走る観光列車(のってたのしい列車)によく乗車する筆者も、それらの列車に乗車する前に指定席券を予約・購入する。その方法としては、えきねっと(インターネット)で予約・購入する方法、駅のみどりの窓口で駅員さんと対面で購入する方法、そして駅の指定席券売機で自分で操作して購入する方法がある。

駅の指定席券売機(JR東日本管内の呼び方)を利用して自身で列車を予約し、きっぷを購入するのは一見簡単そうに感じるのだが、いざ購入する段になってから操作が難しく、購入を断念してしまう場合も往々にしてあるのではないかと思う。特に、新幹線や主な在来線特急以外のきっぷを購入する場合の操作については、マルスシステムの背景や旅客運賃制度についての結構高度な知識が必要であり、実はかなり奥が深い。券売機は見かけ以上に高機能で、実にいろいろなことが出来すぎてしまうのである。

のってたのしい列車の指定席券は指定席券売機で簡単に購入できますよ、と言いたいところであるが、前述の通り、実は結構スキルが要求されるのである。本稿では、のってたのしい列車を指定席券売機の「乗換案内から購入」する機能を活用し、自分で操作して購入する方法を、おいこっと号を例にとって説明したいと思う。

列車の予約・購入を行う手段と特徴

のってたのしい列車を含む列車のきっぷを予約・購入するためのそれぞれの手段およびその特徴は、簡単にまとめると次の通りである。

● えきねっと(インターネット)

乗車日の1か月と7日前の14時から事前予約が可能だが、その場合座席表から好きな席を選択することができない。また、列車によっては、いつ購入するにも座席表が表示されず、席番がシステムのおまかせになる場合がある。事前予約でとれた席については購入期限がある。

● 駅のみどりの窓口で対面で購入

有人のみどりの窓口がある駅が限られ、自宅から必ずしも最寄りでないことがある。乗車日の1か月前の10時ちょうどから購入が可能である(10時打ちできる唯一の手段)。駅員さんに細かい希望を伝え、相談しながら購入できる。

● 駅の指定席券売機で自分で操作して購入

みどりの窓口がない小さな駅にも設置されていることが多く、自宅の近くで利用できることが多い。購入できるのは乗車日の1か月前の10時10分からのため、10時打ちができない。えきねっとでは表示できないことがある座席表を表示させることが可能で、自分で席番を選択できる。

えきねっとを利用してインターネット上で予約するのが一番簡単な方法であるが、簡単ゆえに自分の希望を反映できないことがある。また、指定席券を受け取るためには、結局駅に出向く必要がある。そこで、インターネットを使わずに、直接駅に出向いてきっぷを購入したい向きもあろう。指定席券売機できっぷを購入する場合、当然ながら乗客が自分で操作して列車を予約するのであるが、操作してみて当惑する人が想像以上に多いと思われる。

おいこっと号の指定席券を購入【前提知識】

おいこっと号は、長野県の長野駅(JR線ではなく、しなの鉄道線)からしなの鉄道北しなの線とJR飯山線を経由して、新潟県の十日町駅(JRの飯山線)までを直通する快速列車である。全車指定席の列車であるため、乗車券の他に指定席券を事前に購入しておく必要がある。

おいこっと号の座席表は以下の通りであるが、座席には2つのタイプがある。

JR東日本の公式ウェブサイトから引用

● ボックス席

2人掛けと4人掛けのボックスシートが合わせて、1両につき9組分ある(うち、販売されるのは、3-10番の8組分24席)。2人掛けのボックスシート側からは千曲川(信濃川)を長い間眺めることが出来る。

一人や少人数で利用する場合に適している席である。

他人と相席になるのはためらう座席配置

● ロングシート席

おいこっと号には、ボックスシートではないロングシートがある。11-13番の12席分であるが、一人で乗って相席になるのはちょっと窮屈で、むしろ大人数のグループ向きの席かと思う。

ちょっと窮屈なカップルシートが3組並ぶ感じ

ここで留意すべき点が、席のタイプによって、予約上の列車名が異なる点である。システム上表示される「おいこっと」は、ロングシートを指すのである。ボックスシートを予約するには「おいこっと(ボックス)」を選択する必要があるが、指定席券売機を操作してみて筆者も舌を巻いてしまった。

おいこっと号の指定席券を購入【指定席券売機操作手順】

ここまで複雑なのは、指定席券売機の操作感が、JRの列車予約システムであるマルスそのままだからだと思う。乗客が操作する分、タッチパネル上のインターフェースは工夫されていたとしても、大元がマルスのシステムアーキテクチャーであるため、その複雑さが券売機にもそのまま現れてしまっているのはやむを得ないだろう。

この指定席券売機を自由に使いこなすには、列車そのものの知識に加えて、旅客運賃制度の知識も必要なのである。JR東日本がアピールするほど、操作が簡単な代物ではないと思う。

指定席券売機を操作する上で万能かつ基本なのが「乗換案内から購入」の機能である。筆者も、おいこっと号の指定席券を乗換案内から購入したので、その手順と画面遷移を本稿上に残しておきたい。

1. 指定席券売機のタッチパネル上に表示されている[乗換案内から購入]をタッチする。

2. 予約する列車の乗車区間、乗車日・時間帯、人数および新幹線を利用するかどうかの条件を設定する。まず、乗車駅を入力する。今回は上りのおいこっと号が出発する(JR飯山線)十日町駅を選択する。十日町駅には北越急行線も乗り入れているが、システム上は違う駅であるので、今回は「十日町」を選択する。

3. 条件設定画面上で、降車駅を指定する。おいこっと号が発着するのは「しなの鉄道線」長野駅であるため、表示された一覧から「しなの鉄道長野」を選択する。

4. 検索結果である列車の組み合わせが表示されるが、一発でおいこっと号が表示されない(その上、画面左側の結果はバグである)。あれっと思い、ここで挫折してしまいがちであるが、もうひと頑張りである。タッチパネルの下のほうにあるグレーの[検索条件を変更する]をタッチする。

※ [次へ]をタッチして3番目の検索結果を表示させたら、おいこっと号が表示されていたかもしれない。

5. すると、より詳細な検索条件を設定することが出来る。ここでは、「直通区間を指定して再検索」を選択する。そして、乗車駅と降車駅には同じ駅を改めて入力する。

6. ようやく、お待ちかねのおいこっと号が表示された。一瞬ほっとしたところであるが、同じ列車が2つ表示されて、どうしよう状態になった。一体どちらを選択すればよいのか。そこで、前に説明した通り、ロングシートの座席を指定する場合は「おいこっと」のほうを、ボックスシートの座席を指定する場合は「おいこっと(ボックス)」のほうを選択する。

7. 筆者はボックスシートの座席を購入したかったので、 「おいこっと(ボックス)」 を選択した。指定券だけを購入することも、乗車券を込みで購入することも可能である。そして、座席表を表示させると、取りたい席番を自分で指定できる。指定席券売機では、列車の進行方向も表示されるので、選択しやすいはずである。

1番A/D席は発売されていないと思われる

指定席券の購入完了!

こうして悪戦苦闘した努力の結果、筆者が望む通りのおいこっと号の指定席券をゲットできた。

ボックスシートの券面上の列車名は「おいこっとBOX」

言う以上に難しい手順を踏む必要があったことを理解していただけたかと思う。この手順を理解するためには、かなり癖のあるマルスシステムを自分自身で操作している自覚を持った上で、列車の情報をあらかじめ自分で収集し、理解しておく必要がある(その反面、一度使いこなせるようになると、全国のJR列車を自由自在にとれるようになるかと思う)。

普通ならば、簡単に操作できるようにJRに改善してほしいと思うはずであるが、元の予約システムが複雑怪奇なマルスである以上、改善したくてもしようがないものと筆者は考える。

今後は有人のみどりの窓口が少なくなると報道されていて、乗客自身が指定席券売機を操作する場面が多くなると思われる。JRにとっては、乗客への遠隔サポート体制の強化が課題であるかと思う。

タイトルとURLをコピーしました