秩父鉄道 硬券きっぷ収集コンプリート!~全駅分公開~

駅に停車中の秩父鉄道の電車
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羽生駅(埼玉県羽生市)から熊谷駅(埼玉県熊谷市)を経由し、三峰口駅(埼玉県秩父市)までの71.7kmの区間を結ぶ秩父鉄道線。

秩父鉄道の全37駅には長らく駅員が配置され、乗車券類の出札業務が行われていました。それで、券売機のきっぷの他に、昔ながらの手売りの硬券きっぷを購入することができました。

そんな秩父鉄道でも、2022年3月に交通系ICカード乗車(PASMO)が一斉に導入され、それに合わせて主要駅を除く大多数の駅が無人駅化されました。この流れで、従前行われていた同線内での硬券きっぷの発売が終息を迎えようとしています。

秩父鉄道における交通系ICカード乗車導入のニュースから、そんな流れを筆者は予見しました。そこで、2021年11月から秩父鉄道全駅の硬券きっぷ(入場券・乗車券・急行券)の収集を始めました。始めてから3か月の時間をかけて、2022年2月に全37駅を制覇し、収集をコンプリートしました。

きっぷが手売りの古き良き時代がありました。

この記事では、2022年3月まで駅員さんによって手売りで発売されていた、秩父鉄道線内の硬券きっぷを全駅分披露します。それで、同線での出札業務が合理化される前の、古き良き時代の記憶を残しておきたいと思います。

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秩父鉄道の各駅では硬券きっぷが発売されていた

秩父鉄道線内の37か所にわたる全駅では、

● 入場券

● 乗車券

● 急行券(急行停車駅を中心に)

が、昔ながらの硬券として発売されていました。入場券と急行券については券売機では購入できず、窓口で手売りの硬券を購入する形でした。

乗車券については、樋口駅(埼玉県長瀞町)を除く36駅に券売機が設置されていて、基本は券売機で購入します。しかし、券売機と並んで出札窓口でも一部の区間の硬券が常備されていて、希望すれば窓口で購入が可能でした。

この券売機が、長年の使用でかなり経年劣化していて、故障が相次いでいるようです。少なくとも、お金が詰まりそうで、駅員のサポートが得られそうにない券売機にお金を入れる気にはとてもなれません。

各駅によって硬券きっぷの発売状況に随分と差があって、多くの種類の乗車券を購入できた駅もあれば、入場券しか発売していなかった駅もありました。かつては数多かった硬券乗車券の区間(口座)の数も、ここ1,2年でかなり減っていたようです。

筆者はそれらの乗車券類の中から、各駅を行脚して購入した硬券入場券と最低運賃区間の硬券乗車券を中心に、全駅分を揃えることができました。これから、各駅別に状況を共有したいと思います。

【筆者からのお願い】

この記事に掲載した硬券きっぷはすでに発売が終了しており、有人駅についても在庫限りで終了と考えられます。入手できる可能性はかなり限定的であることをご承知ください。

武州日野駅をもって全駅コンプリートを達成!

各駅における硬券のきっぷたち

秩父鉄道における硬券の普通片道乗車券の様式は、発駅名と着駅名が矢印を挟んで記載されている券面(相互式)が主流です。同じ運賃の区間については金額式ではなく、両矢印でそれぞれの方面の最遠の着駅名が記載されている券面(矢印式)が大きな特徴です。サイズ的にも、往復乗車券や急行券を含め、ほとんどが高さの低い小さなB型硬券です(例外は樋口駅の準片:少し大きめのA型)。

この記事で掲載したのはすべて未使用のきっぷで、基本は入鋏されていません(入鋏しないのが筆者個人の好みです)。ただし、一部の駅での発行分は業務の都合で入鋏されてしまっています。

◆ 羽生駅ー行田市駅

羽生駅は秩父鉄道の終端駅のため、両矢印の矢印式乗車券は存在せず、相互式で着駅名が記載されているものだけでした。西羽生駅では乗車券はすでに発売しておらず、新郷駅と武州荒木駅には矢印式の乗車券がありました。東行田駅と行田市駅には最低運賃区間の乗車券はなく、熊谷駅行きの乗車券が存在しました(東行田駅の軟券は後述)。

◆ 持田駅ーひろせ野鳥の森駅

持田駅にも最低運賃区間の乗車券が存在しませんでした。ソシオ流通センター駅と熊谷駅には、小児専用券が存在しました。石原駅は休業日があり、なかなかアプローチできず、苦労しました。

熊谷駅以東の駅については、硬券乗車券の種類(口座)が非常に少なかったです。

◆ 大麻生駅ー小前田駅

小前田駅には貴重な往復乗車券の口座が

大麻生駅と明戸駅には、最低運賃区間の乗車券が存在しませんでした。ふかや花園駅には小児専用券がありました。永田駅の駅員さんには嫌な思いをし、逆に小前田駅の駅員さんは素晴らしい方でした。

◆ 桜沢駅ー野上駅

硬券の種類が比較的豊富な区間でした。波久礼駅には乗車券の設備がない一方、寄居駅には小児専用券がありました。券売機が設置されていなかった樋口駅には多くの種類がありました。終端駅以外の中間駅にあって、矢印式以外に相互式の最低運賃区間の乗車券がある珍しい駅です(準片は以下ご参照ください)。

◆ 長瀞駅ー和銅黒谷駅

長瀞駅から皆野駅にかけての区間が収集活動的には修羅場でした。

上長瀞駅では高額区間のみの在庫で、親鼻駅へのアプローチも苦労しました。皆野駅の高齢の駅員さんが収集趣味に理解が全くなく、ひどい対応をされました。必要最低限のきっぷを買うのに四苦八苦しました。和銅黒谷駅には、この駅だけで売っている記念乗車券がありました(後述)。

◆ 大野原駅ー浦山口駅

大野原駅から影森駅の区間にかけては、硬券の種類が豊富です。大野原駅には往復乗車券の硬券があったり、小児専用券を置く駅が多かったです。浦山口駅には、最低運賃区間の乗車券がありませんでした。

◆ 武州中川駅ー三峰口駅

武州中川駅がおもしろい駅で、運賃改定前の旧金額券が多くおいてありました。硬券の往復乗車券がありました。白久駅は在庫がほぼなく、秩父駅行きの相互式乗車券のみです。三峰口駅も終端駅で、相互式乗車券のみあります。

武州日野駅も休業日が多く、アプローチに苦労しました。そんなわけで、筆者が訪れた駅の中では、一番最後の駅でした。駅員さんがとても素晴らしい方でした。

◆ 急行券

急行券だけは、未使用ではなく実際に使用したものです。

急行券については券売機に対応せず、窓口で購入する必要がありました。窓口売りの急行券は、黄色い硬券です。毎年2月頃の観梅の時期には、普通の硬券の代わりに梅の花の形をした特別なデザインの急行券が発売されます。毎年デザインが違うようです。

◆ 樋口駅準片と2022年版特別デザイン急行券

券売機のなかった樋口駅には、線内全駅の大人の口座(種類)が相互式・矢印式のいずれかの様式にて揃っていたようです。熊谷駅以東の中間駅行きの乗車券については1口座にまとめて、長さが短めなA型硬券の「準常備乗車券」として存在しました。首都圏内にしては非常にレアな硬券口座が、最後まで残存していた駅と言えましょう。

2022年1月末から3月上旬の間発売された2022年版の急行券も、例年とは違ったデザインになっていました。一般の硬券とは用紙の坪量が異なるものの、硬券には違いありません。

硬券きっぷ収集行脚の記録

ここでは、筆者が3か月間かけ、数回に分けてコツコツと硬券きっぷを収集した過程を簡単に振り返りたいと思います。電車に乗車して集め歩いた際に使用したフリーきっぷもご紹介します。

1.2021年の埼玉県民の日

「埼玉県民の日フリーきっぷ」1,000円を利用して、主に寄居駅から東側の駅を攻めました。駅数が多く、早朝から夕方まで休みなく移動しました。

武州荒木駅からの夕景がとても素敵でした。

2.2021年の勤労感謝の日

「秩父路遊々フリーきっぷ」1,600円を利用して、皆野駅以東の駅をほぼコンプリートしました。

波久礼駅の近郊にあるみかん園ではみかん狩りシーズンでしたが、波久礼駅を利用する乗客はほとんどおらず、とても静かでした。紅葉も美しい時期でした。

長瀞駅の広場にあった「硬券ガチャ」1回200円。

1つのカプセルに10枚ほどの硬券が入っていて、きっぷの雰囲気を味わうことができます。入場券は料金改定前のもので、廃札になったものと思われます。また、橙色地の硬券乗車券は秩父鉄道では使用されていないので、フェイクです。

写真の左側が廃札入場券、右側がフェイクの乗車券風紙切れ

写真で見られる金額式の普通乗車券も、秩父鉄道線ではリアルには存在しません。その中で1枚だけ当たりだったのが、廃止されて久しい三峯ケーブルの往復乗車券(廃札かと思います)。青地の硬券にリアルさを感じます。

3.2022年1月中旬

2日間乗り放題!

西武鉄道の「秩父フリーきっぷ」を利用して、皆野駅よりも三峰口駅方面までの全駅を攻めました。武州日野駅以外の各駅の訪問が完了しました。

4.2022年2月中旬

最後に残った武州日野駅を訪れ、全駅コンプリートとなりました。

駅舎内にある券売機。ボタンに金額が点灯する古いタイプの券売機で、駅によっては紙幣が入らないところもあったようです。

紅葉が美しい季節に始めた硬券収集の修行も、コンプリートの頃には雪が積もる厳寒の季節になっていました。

【筆者の硬券収集の総括表】

入場券、最低運賃区間の乗車券の他に興味を抱いたものを中心に購入

この記事で公開した収集行脚のすべての内容を、一つの表に集約したものです。時間もお金もかかる苦しい修行でしたが、同じ埼玉県民として地域に貢献できたかと思えばなんともないことです。

各駅の訪問に役立ったのが、各種フリーきっぷでした。秩父地方をめぐるフリーきっぷについては別稿に詳しく書いたので、情報が必要な方はご参照ください。

【おまけ】硬券以外の乗車券類

秩父鉄道でのきっぷ収集の対象は主に硬券かと思います。

しかし、乗車券類の中には硬券以外のものもいくつかありました。この記事でも、おまけとして以下にご紹介したいかと思います。

● 軟券の乗車券類

在庫が切れた硬券の代替なのか、いくつかの駅で軟券の乗車券類が発売されていた模様です。筆者がたまたま入手したのは、東行田駅から310円区間のマルス8.5cm券と同じサイズの軟券です。和銅黒谷駅では、特製の記念入場券が発売されていました。

秩父鉄道における交通系ICカード乗車前日=無人化駅の出札業務最終日に入手できた補充券類です。軟券の急行券、補充片道乗車券および補充往復乗車券です。何年間もの間、ずっと使われてこなかったことを思わせる用紙の黄ばみ具合です。

無人化駅における出札業務最終日に入手した乗車券類(軟券)

各駅には、現在でも出札補充券と補充片道乗車券などの設備があることが分かります(ただし、通常は出してくれることはありません)。持田駅および行田市駅から熊谷・上熊谷駅行きの往復乗車券については、駅の無人化により今後見られることはなくなり、完全に過去の思い出になる形です。

● 普通回数券

主要駅での発行において、主要区間については常備式の回数券が存在し、日付を入れるだけのものでした。その他の駅や区間では補充式の回数券で、着駅名と日付をそれぞれ入れるものでした。

● SL整理券(2019年度までのもの)

2019年度まで、SLパレオエクスプレス号には自由席車両があり、そのSL整理券は下り三峰口駅行きと上り熊谷駅行きでは、機関車の左右の向きが反対でした。とても粋な券でしたが、現在はなくなってしまったのが残念です。

筆者の所感&謝辞

秩父鉄道の全37駅をめぐり、多くの駅員さんと接しました。感じたのは、秩父鉄道における乗客に対する接遇が決して良いとは言えない中で、硬券の収集家に対しては比較的好意的な駅員さんが多かったということです。

無人駅化された大多数の駅で勤務されていたのは、業務委託のOB駅員さんが中心でした。収集に理解があり、親切に対応していただけた駅員さんから、収集を理解してもらえず、嫌な気分にさせられた駅員さんまで様々でした。本当に多様なタイプの駅員さんがいらっしゃって、貴重な人間観察の機会にもなりました。

きっぷの販売に対応していただけたことを、この場を借りて感謝申し上げたいと思います。同時に、今般引退された多くの駅員さんには、今後もご健勝であることをお祈りしたいと思います。

秩父鉄道の名列車がカレンダーに

参考資料 References

● 秩父鉄道のプレスリリース(交通系ICカード乗車について)

【2022年3月12日(土)よりサービス開始】交通系ICカード「PASMO」を導入 について | 秩父鉄道
秩父鉄道では、お客様の利便性向上やICカード利用による感染症対策の向上を目的に、交通系ICカード「PASMO」のサービスを2022年3月12日(土)始発より開始いたします。本サービスの開始により、「Suica」等の交通系ICカードが秩父鉄道

改訂履歴 Revision History

2022年2月17日:初稿

2022年3月21日:初稿 加筆

2022年5月17日:初稿 修正

2022年6月21日:初稿 修正

※ コメント ※

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