京都丹後鉄道 きっぷ鉄 非公式ガイド

京都丹後鉄道普通列車
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京都府丹後地方の日本海沿いの地域を走るローカル線、京都丹後鉄道。

京都丹後鉄道線の玄関口となる福知山駅(京都府福知山市)から宮津駅(京都市宮津市)までを走る宮福線30.4キロ、そして西舞鶴駅(京都府舞鶴市)から宮津駅を経由して豊岡駅(兵庫県豊岡市)までを結ぶ宮舞線・宮豊線(旧国鉄宮津線)83.6キロから成り立っています。日本三景の一つである天橋立に向かうための公共交通機関である一方、あおまつ号・あかまつ号などの観光列車が走り、乗り鉄を楽しめる路線でもあります。

そして、京都丹後鉄道は、知る人ぞ知る手売りきっぷの宝庫です。上記3路線の各終端駅で特急列車を含め、JR西日本と接続している関係で、広範な連絡運輸が設定されています。それゆえ、線内のきっぷだけでなく、JR線との連絡きっぷも発売されており、種類も乗車券だけでなく、料金券も存在します。

本稿では、乗り鉄では飽き足りない諸氏のために、京都丹後鉄道線内の有人駅において、手売りで発売されているきっぷの数々を、筆者が購入した限りでご紹介したいと思います。

【お断り】本稿のもととなる資料を収集したのは、2022年2月でした。その後、JR西日本線内の特急列車が全車指定席化されて自由席が廃止されたため、本稿で紹介したJR連絡自由席特急券は発売されていません。また、他の券種においても、ダイヤ改正等で発売終了になる場合があることを留意してください

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京都丹後鉄道線内の出札事情

京都丹後鉄道福知山駅コンコース
玄関口となる福知山駅には出札窓口がない

これから諸々のきっぷをご紹介する前段として、線内の出札事情について筆者が知りえていることを書きます。

京都丹後鉄道の駅のうち、委託駅を含む有人駅は15駅あり(そのうち3駅はJR線との接続駅)、それらの駅で乗車券類が発売されています。各駅の情報は、京都丹後鉄道のウェブサイトに記載されているので、各自参照してください。

京都丹後鉄道において、将来的にはVISAタッチ決済やQRコードの使用によるキャッシュレス乗車の流れが進みそうですが、当面は紙の乗車券を購入して乗車することになります(京都丹後鉄道線内では、ICOCAやSuicaなどの交通系ICカードが使えません)。

紙の乗車券を駅の自動券売機や発券端末から購入することが一般的ですが、京都丹後鉄道の駅では券売機を見かけることがあまりありませんでした。出札業務に端末が導入されていないため、硬券や補充券といった手売りの乗車券類がまだまだ活躍中というのが現状です。

JR線との接続駅や主要駅に置かれている券売機や、宮津駅と天橋立駅に設置されているマルス端末がむしろ例外的な存在のように見受けます。

京都丹後鉄道の駅で乗車券類を購入する際の決済手段として、現金の他にクレジットカードが広く使用できるようです。先進的な面とレガシーな面の両面が見られるのが興味深いところです。

京都丹後鉄道をめぐるための実乗用乗車券について

丹後の海車両エンブレム
看板列車の「丹後の海」

クルマではなく、鉄道に乗車して駅を訪問して手売りきっぷを買い歩くことを前提として、列車に乗車するための乗車券をいかようにするか、まずは考えたいと思います。

京都丹後鉄道における乗車券類の有効期間はJRに準拠しており、100キロ以下の乗車券は当日限り(途中下車不可)、101キロ以上では2日間です。京都丹後鉄道線内の乗車券は当日限りで途中下車できませんが、JR線との連絡きっぷで通算101キロ以上にすれば有効期間が2日間となり、途中下車できることになります

どうしてこのようなお話をするかというと、京都丹後鉄道線内の一日フリー乗車券が大人3,500円と高価な一方、線内の普通乗車券の上限額が大人1,500円(往復で3,000円)とリーズナブルなので、JR線を加えた連絡運輸(もしくは通過連絡運輸)の片道普通乗車券を活用した方がいいということになります。

● 連絡運輸:JR西日本線内全駅と京都丹後鉄道線内各駅で設定あり

● 通過連絡運輸:京都丹後鉄道線内を経由して、その前後をJR線の経路とする場合、JR各社の各駅との設定あり(JR線のキロ程を通算して運賃計算)

京都丹後鉄道線がJR線かと思えるくらい、信じられないほどフレキシブルに経路取りが可能です。

期間限定で1日2,000円のフリー乗車券が発売されることがありますが、いつでも購入できるとは限らないため、駅めぐりするためのきっぷ作りを念頭に入れた方が良いです。

前置きが大変長くなりましたが、筆者はJR線区間を含めた全経路が101キロ以上となるように乗車券を求めました。途中下車を活用することで、逆戻りしない限り、その都度きっぷを買う必要がなくなり、精神的負荷が軽減しました。

福知山駅発八鹿行き乗車券券面
えきねっとで仕込むことも実は可能

これが、京都丹後鉄道線内に入った時の普通乗車券です。訳あって福知山駅を発駅としなければなりませんでしたが、宮津駅経由で豊岡駅までの89.3キロに加え、豊岡駅から10.7キロ以上のJR線を加えれば全経路で101キロ以上となり、途中下車できる乗車券を入手できるわけです。

本来は京都丹後鉄道の福知山駅の窓口で求めるべき乗車券ですが、実はネットの「えきねっと」を含め、JR線の駅で購入できます(丹鉄側には補充券の設備がないそうです)。手っ取り早く、JR線福知山駅のみどりの窓口で購入しました。

久美浜駅発小浜駅行き乗車券券面
端末無設置駅では補片での発券が妥当

これは、京都丹後鉄道線内からJR線に出る時に購入して使った普通乗車券です。これも、行きと同様に全経路で101キロ以上となる乗車券です。原則通り発駅の窓口で求めて、筆者の要求通りに発売された正規発券のものです。

京都丹後鉄道に存在する乗車券類

上述した通り、購入できる乗車券の区間が非常に広範です。その上、走行する列車も普通列車だけではなく、線内の自由席特急列車やJR線乗り入れの全車指定特急列車と非常に多様なため、出札業務において必要な券種が大変多いことを容易に察することができます。

京都丹後鉄道ウェブサイトより引用

実際に、京都丹後鉄道のウェブサイトにおいても、線内で購入できる乗車券の種類に関する情報があり、出札補充券も含まれることが分かります。

京都丹後鉄道線内の各駅において、非常に多様な乗車券類が発売されている中で、筆者はごく一部の駅をかいつまんで訪問し、代表的な券種を中心に乗車券類を購入してみました。

きっぷ鉄でなくとも目にしうる手売りきっぷ

● 車内補充券

線内を走る特急列車や一部の普通・快速列車(列車番号がx6xxである間合運用の列車)には車掌さんが乗務していて、運賃や料金の車内精算ができます。その際、車内補充券が発行されます。灰色地紋のノンカーボン用紙です。

【悲報】本稿を投稿したのと同じタイミングで、京都丹後鉄道にも車発機が導入されたという情報を目にしました。手書きの車補はすでに消えてしまった可能性があります。

車内補充券
車内補充券はさすがにノンカーボン

● 丹鉄線内のハザ・G券

宮津駅と天橋立駅にはマルス端末があり、JR線連絡の乗車券類を購入できます。線内の指定席特急券・グリーン券についてもマルス端末にて発券されます。席番が記載された指定券(指のみ券)がマルス端末から発券され、特急券本体は赤地紋の(第二種)出札補充券が使用されています。

実際に、宮津駅では線内特急「たんごリレー」号の普通車指定席の特急券を購入しました。特急料金は、21-50キロレンジの950円です。上述の通り、特急券は以下の2枚構成です。

(特急券本体)

出札補充券

(指のみ券)

指定券

天橋立駅で購入したグリーン券。JR連絡特急の「はしだて」号に線内の区間だけ乗車したものです。20キロまでの短区間であれば650円と、普通車指定席とほぼ変わらぬ料金で乗車できます。

(特急券本体)

出札補充券

(指のみ券)

指定券

● ライナー券

宮津駅8:18分発福知山駅行きの通勤ライナー乗車に必要なライナー券300円が発売されています。

ライナー券

とても奥が深い手売りきっぷの数々

硬券のデザインは非常に独特で、奇抜ともいえるものです。

補充券に関しては京都丹後鉄道だけに存在するような特殊なものは特になく、JR線や各鉄道会社で見られる乗車券類の様式を踏襲したものばかりです。他社にあるものは丹鉄にもある、という感じでしょうか。

● 入場券

各有人駅で入手できます。赤地紋のA型硬券です(丹鉄ではB型硬券を目にしませんでした)。

京都丹後鉄道の入場券

● 普通乗車券(硬券)

必ずしも購入可能なわけではなく、設備があったりなかったりするようです(売れる区間のみ?)。線内の乗車券は赤地紋、JR連絡のものは青地紋です(A型硬券)。

往復乗車券も一部の区間あるようで、線内用、連絡用ともD型硬券のようです(筆者は線内用を入手)。

京都丹後鉄道の普通乗車券

● 普通乗車券(補充片道・往復乗車券)

常備券が存在しない区間の片道・往復乗車券については、補充片道乗車券、補充往復乗車券で発行されます。線内はともかく、JR連絡の乗車券の場合常備券が限られるので、目にする機会が比較的多いかもしれません。

京都丹後鉄道の補充片道・往復乗車券

● 出札補充券(出補)

丹鉄線内用の第二種と連絡用の第一種の2種類が存在します。

線内用の第二種は赤地紋の駅名式の補充券です。連絡用(汎用)の第一種は青地紋の記入式の補充券で、車内補充券とほぼ同一の様式です。

京都丹後鉄道の出札補充券

● 料金券(硬券)

丹鉄線内用の自由席特急券(赤地紋)を購入しました。駅や区間によって設備の有無があるようで、求める区間や金額のものが硬券で入手できるとは限りません。

駅によっては、自由席特急券も準常備式なのが興味深いです。

JR連絡の自由席特急券(青地紋)も発売されていましたが、高額なこともあり、うかつにも購入しませんでした。高くても買っておけばよかったかな。。。

京都丹後鉄道の自由席特急券

● 料金券(軟券)

上述したマルス券併用のものに加え、青地紋の料金専用補充券(料補)が存在します。第一種出札補充券同様、あまり出番がないものかと思います。

2022年3月に全車指定席化されたJR連絡特急の指定席特急券は、この料補で発行されうると思いますが、実際はどのようになっているか??です。指定席特急券の発券が宮津駅を介した中継発券になるとのことで、業務が煩雑になったとも受けます(このための新様式があるという情報を目にしました)。

京都丹後鉄道の特急券

● 料金券(JR代売分)

JR線の接続駅3駅等から有効になるJR線の自由席特急券などの料金券を、京都丹後鉄道線内の駅でも購入できました。赤地紋の距離式常備軟券と、料金専用補充券が存在しました。この自由席特急券も無割引用と新幹線乗継割引用とあったようですが、筆者は無割引のものを1枚だけ購入しました。

JR料金券の代売範囲は現在いかようか分かりませんが、新幹線特急券の発売も継続しているように思います。

※ JR連絡特急の自由席特急券は設備廃止のため、2022年3月で発売終了

自由席特急券

筆者が本稿であげたものはごく一部の典型例であって、全駅めぐれば本稿に掲載していない珍券も多く入手できるかもしれません。

筆者の丹鉄行脚記録

【お断り】本稿では、丹鉄の一部の駅(以下)で収集したことを投稿しましたが、単に旅程のためです。これらの駅でしか手売りきっぷを入手できないということは一切意図していません。他の駅でも発券に応じてくれているかと思うので、紹介した駅に殺到しないでいただきたいです。

京都丹後鉄道福知山駅

筆者が京都丹後鉄道を訪れたのは2022年2月末のことで、まだ雪深い寒い時期でした。本来運行しているはずの観光列車も折しも運休で、普通の定期列車で地味にめぐる形となりました。

この日の丹鉄行脚の起点になったのが、福知山駅です。福知山駅の出札には、少数の硬券口座しかありませんでした(線内の出補はあると思われますが、ほとんど出していないように思えます)。補充券については期待しない方がよさそうです。

丹後の海車両前面

福知山駅から乗車した快速「大江山」1号(4601D)。特急列車の間合運用で、特急料金なしに「丹後の海」車両に乗車できるおススメ列車です。前夜福知山駅前に投宿し、乗車しました。

福知山駅発車案内板

福知山駅の改札口にある発車表示。有人駅の出札窓口オープンに間に合うちょうどよい時間帯の列車です。

丹後の海車内

車内は、水戸岡一色。九州新幹線の「つばめ」号を想起させられます。

丹後の海展望ラウンジ

車端のラウンジでは、車掌さんと近くでお話しできます。

大江駅

この快速列車で大江駅(京都府福知山市)へ。

大江駅で購入したきっぷ

早朝にもかかわらず、多くの乗車券類を発券していただきました。

普通列車

宮津駅まで乗車した普通列車。

車内にあるビザタッチ決済リーダー

車内には、VISAタッチとQRコード読み取りの装置がありました。キャッシュレス決済出来たら、交通系ICカードさえ不要になります(その頃「きっぷ鉄」は消滅しているような)。

宮津駅

宮津駅に到着。

丹後の海車両前面

ここから線内特急列車の「たんごリレー」号に乗車。指定席もあります。

夕日が浦木津温泉駅

夕日が浦木津温泉駅(京都府京丹後市)に到着。

京都丹後鉄道連絡運輸範囲

京都丹後鉄道の連絡運輸の範囲が掲示されていました。この掲示でも、JR西日本全線が連絡運輸の対象であることが分かります。

木津温泉駅で購入したきっぷ

ここでも、多くのきっぷを出していただきました。

久美浜駅

そして、最遠の久美浜駅(京都府京丹後市)に到着。時間的に豊岡駅まで行けなくて、ここで乗車券の前途を放棄。それでも、十分元を取れます。

久美浜駅で買ったきっぷ

久美浜駅に着いた頃には乗車券類を購入するための予算を使い切ったため、最低限のものだけ購入。

天橋立駅

西舞鶴駅に向けて帰路について、途中天橋立駅で降りて、鉄印を。天橋立駅には駅前に日帰り温泉があり、2時間あればひと風呂浴びてさっぱりできますが、筆者は残念ながらスルー。

特急はしだて号車両

宮津駅まで一駅だけ、特急「はしだて」号のグリーン車に乗車。

特急はしだて号グリーン席

3列シートのふかふかシートに5分間だけ着座でした。

西舞鶴駅

西舞鶴駅で京都丹後鉄道を離脱。丹後由良駅当たりの車窓が見事でした。

おわりに

補充券を出すための工数が結構かかるのを承知で多くを購入しましたが、快く発券対応くださったことに感謝申し上げます。きっぷ鉄には、総じて優しい鉄道会社かと思います。

機会に恵まれたら、観光列車にも乗車してみたいところです。

参考資料 References

● 京都丹後鉄道ウェブサイト

路線・駅のご案内 | 京都丹後鉄道(丹鉄/TANTETSU)
京都丹後鉄道路線・駅の詳細情報をご案内します。

● 連絡運輸に関する記事

● 通過連絡運輸に関する記事

改訂履歴 Revision History

2022年4月03日:初稿

2022年4月04日:初稿 加筆

2022年5月16日:初稿 修正

2022年6月21日:初稿 修正

※ コメント ※

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