2022年は、鉄道開業150年です。JR東日本エリアを中心に、ラッピング列車やグッズ販売など、さまざまなイベントが開催されています。
そのイベントの一つとして、「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」(以下「JR東日本パス」)が発売されます。2022年10月中旬から下旬にかけて使用できる、3日間有効のきっぷです。
この「JR東日本パス」については、この記事を執筆している時点では(2022年7月)、プレスリリースにて概要が告知されているだけです。ただし、その内容から、いくつか推測できることがあります。
「JR東日本パス」は、大人の休日俱楽部会員お馴染みの「特別設定 Web限定 大人の休日パス スペシャル」(以下「大人の休日パス」)をベースに造成されていると思われます。そのため、商品性がとてもよく似ています。
この記事では、単発で記念発売される「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」の商品性を、定期的に発売される「大人の休日俱楽部パス」と比較して、考えたいと思います。
目次
フリー乗車区間
乗り降り自由のフリー乗車区間については、「JR東日本パス」「大人の休日パススペシャル(東日本スペシャル)」とも、下図のとおり、全く同じです。

● JR東日本線全線(BRT含む)
● 接続社線(青い森鉄道線・IGRいわて銀河鉄道線・三陸鉄道線・北越急行線・伊豆急行線・富士急行線・えちごトキめき鉄道線の一部区間)
JR東日本線と他社線との連絡特急列車で、パスの料金に込々でないのは、東武日光線直通の「スペーシアきぬがわ」号くらいです(東武線区間分を別途支払い)。
利用期間・発売方法 ~限定発売か?~

【JR東日本パス】
「JR東日本パス」の有効期間は、2022年10月中旬から下旬にかけて設定されています。暑さが一段落した頃の秋の旅行シーズンに設定されるため、多く利用されると想像できます。
● 有効期間
2022年10月14日(金)から27日(木)までの間の3日間
※ 連続した3日間有効か、断続的に3日分使えるか、まだ不明です。
● 発売期間
2022年9月14日(水)から
● 発売方法
ネット予約「えきねっと」のみ
● 発売枚数
まだアナウンスされていません。
【大人の休日パススペシャル】
「大人の休日俱楽部パス」は、設定時期によっては「えきねっと」限定で発売される「特別設定 Web限定 大人の休日パス スペシャル」として発売されます。
● 有効期間
一年度につき5回発売され、いずれも連続した4日間有効
● 発売方法
ネット予約「えきねっと」のみ
● 発売枚数
出発日ごとに3万枚(最近は売り切れたことはないようです)
【共通点】
「JR東日本パス」のフリー乗車区間と「Web限定 大人の休日パス スペシャル(東日本スペシャル)」のフリー乗車区間が、まったく一致しています。
両者とも、「えきねっと」で購入する点が共通しています。
【相違点】
「大人の休日パス」が、大人の休日俱楽部会員限定なのに対して、「JR東日本パス」はだれでも利用できます。
有効期間が「大人の休日パス(東日本スペシャル)」で4日間、「JR東日本パス」で3日間と、違いがあります。
値段・座席指定回数

両方のパスとも、指定席の座席指定が回数限定で、料金込みで受けられます。
【JR東日本パス】
● 値段
大人22,150円/小児10,150円
※ 「週末パス」同様、こどもの値段が安価です。
● 座席指定回数
4回
【大人の休日パススペシャル】
● 値段
15,270円(小児の設定なし)
※ 会員限定きっぷのため、小児の設定はありません。
● 座席指定回数
6回
【相違点】
「JR東日本パス」が3日間有効で4回の座席指定、「大人の休日パス」が4日間有効で6回の座席指定のため、大人の休日パスのほうが全車指定の新幹線に乗車できる回数が多いです。価格面では、誰でも使える「JR東日本パス」のほうが割高なのは確かです。
一日当たりの料金単価

それぞれのきっぷの一日当たりの単価は、次の通りです。単価からも、「JR東日本パス」が相対的に割高なのがわかります。
● JR東日本パス
大人7,383円/小児3,383円
● 大人の休日パススペシャル
大人3,817円
総括

これまで見てきた通り、「JR東日本パス」と「大人の休日パススペシャル」は非常に似た企画きっぷだというのが分かりました。
フリー乗車区間や、普通車指定席に座席を受けて利用できる点など、使い勝手はまったく一致しています。その一方、一日当たりの料金単価に2倍の開きがあり、コストパフォーマンスには大きな違いがあります。
会員限定のきっぷのほうが安価なのは当然として、「JR東日本パス」を使ってみると「大人の休日パススペシャル」の使い勝手を体験できるかと思います。
いわば、「大人の休日俱楽部パス」のお試し版のような感じがします。
すでに「大人の休日俱楽部」の会員になっている方には、値段が高いことを除いては使い勝手が同じです。10月に旅行予定がある場合、利用を検討すると良いと思います。
「JR東日本パス」が枚数限定での発売になるか、枚数限定なしで発売されるかによって、列車の混雑状況や旅行の快適性が全く異なってくると予測できます。
Appendix:「大人の休日パス」詳細な利用条件
「JR東日本パス」と商品性が同一の「大人の休日パス」についている「ご案内」の券片を、参考までに掲載します。座席指定が不要な新幹線の区間(立席利用)など、細かなことが書かれています。
駅レンタカーの優待については、同じ条件になるのではないかと推測します。
(ご案内1)

(ご案内2)

(特典のご案内)

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「JR東日本パス」は、「大人の休日パススペシャル」の商品性と同一で、筆者が書いた別の記事のノウハウが活きるかと思います。是非お読みください。
● 「大人の休日パススペシャル」の概要
パスの商品性を理解できます。
● 「大人の休日パススペシャル」の購入方法(えきねっとの操作手順)
パスの購入方法を知ることができます。
● 普通車指定席座席指定6回枠のうまい消費方法
できるだけ全車指定の新幹線、長距離区間で優先して消費するとおトクです。
参考資料 References
● JR東日本 ニュースリリース(2022年5月10日分)
● 「大人の休日俱楽部」公式ウェブサイト

改訂履歴 Revision History
2022年7月29日:初稿
※ コメント ※