「往復乗車券」ささやかではないメリット【改訂版】

E653系電車大宮駅にて 運賃制度

鉄道のきっぷを買う際、目的地の着駅までのゆきとかえりの経路(経由路線・駅)が全く同じ場合、往復乗車券を買うことができます。

往復乗車券は、乗車する距離にかかわらず購入できます。また、他の鉄道会社にまたがる連絡乗車券を往復乗車券として買える場合もあります。

この記事では、往復乗車券にまつわるメリットや、筆者が購入し使用した様々なパターンの往復乗車券をご紹介します。従前あまりメリットがないと思われていたふしがある往復乗車券ですが、実はささやかではない数々のメリットがあります。実例を交えて、そのメリットを考えていきます。

各種割引を適用したり、割引証の枚数を節約したりするために、特に有効なワザです!

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往復乗車券を買うメリット

みどりの窓口戸田公園駅にて

冒頭で申し上げた通り、往復乗車券が成立するためには、発駅と着駅までの経由がゆきとかえりで全く同じである必要があります。

例えば、整備新幹線である盛岡駅(岩手県盛岡市)と新青森駅(青森県青森市)を含む区間を、ゆきは東北新幹線経由、かえりは在来線の第三セクターである青い森鉄道とIGRいわて銀河鉄道を経由する場合は、往復乗車券にはなりません(当該区間を連続乗車券として買える可能性はあります)。

この往復乗車券ですが、普段は明白なメリットを見出すことはあまりありません。しかし、目に見えるメリットがいくつかあります。

● きっぷを買うための決済回数や時間を減らすことができる

最近は駅の有人窓口が減少しており、目的地の駅で思うようにきっぷを買えないことが考えられます。あらかじめきっぷを用意できること自体、今日ではメリットです。

● 有効期間が片道乗車券の2倍の日数になる

片道乗車券の倍の有効期間自体にはメリットはあまりありませんが、旅行日の急な変更(後ずらし)に柔軟に対応できます。

● 片道601km以上の行程の往復乗車券では、ゆきとかえりの運賃がそれぞれ1割引になる

往復割引は、長距離の乗車券を買う際の最大のメリットです。

● 学割証などの割引証の提示枚数

ゆきとかえりの乗車券で1件のきっぷとして扱われるため、割引証も当然1枚で済みます。

● 「ジパング倶楽部」「大人の休日俱楽部」割引きっぷ

片道で201km以上の目的地ではなくても、往復で201km以上になれば運賃が割引になるのは、明らかにメリットです。

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近距離きっぷ

往復乗車券のメリットは、比較的長距離の行程で見出しやすいため、近距離きっぷでは目立ったメリットはありません。往復乗車券の有効日数が長くなることと、途中下車ができることとは、論点が全く違います

これが、最もオーソドックスな近距離の普通往復乗車券の例です。大宮駅からさいたま新都心駅(さいたま市大宮区)ゆき往復乗車券です。途中下車の可否を論じるまでもない、シンプルな短距離きっぷです。

(ゆき券片)

大宮駅からさいたま新都心駅ゆき往復乗車券

(かえり券片)

大宮駅からさいたま新都心駅ゆき往復乗車券

往復乗車券にする意味があまりないケースですが、目的地の着駅が無人駅などできっぷを思うように買えない場合、あらかじめ往復分買っておく意味は十分あります。

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連絡乗車券

往復乗車券は、単一の鉄道会社で完結する必要はなく、他の鉄道会社にまたがった区間を連絡乗車券として買うことも可能です。

ただし、連絡乗車券が成立する条件として、連絡運輸の設定区間であること、普通「往復」乗車券として発行が可能なことが挙げられます(まれに普通「片道」乗車券のみ可能な場合がある)。

往復乗車券に限りませんが、連絡乗車券には1枚のきっぷでの距離を長くし、途中下車や割引証の適用のチャンスが増える利点があります。

以下に挙げたのが、典型的な連絡乗車券である、JR東日本と東武鉄道にまたがる普通往復乗車券です。大宮駅から久喜駅(埼玉県久喜市)経由、東武伊勢崎線羽生駅(埼玉県羽生市)ゆき往復乗車券、あまりメリットを見出せませんが、きっぷを一度に買えて便利です。

(ゆき券片)

大宮駅から羽生駅ゆき往復乗車券

(かえり券片)

大宮駅から羽生駅ゆき往復乗車券

本例で紹介したきっぷは「金額入力」という特殊処理で窓口発行されたものです。連絡運輸の設定があれば、券売機だけではなく(理屈では)有人窓口や「話せる指定席券売機」で通しのきっぷを買えます。

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「大人の休日俱楽部」割引きっぷ

E653系電車大宮駅にて

65歳以上が対象の「ジパング俱楽部」、50歳以上が対象のJR東日本・北海道「大人の休日俱楽部」の会員向けには、運賃や料金の割引が提供されます。1件の乗車券での乗車距離が201km以上であれば、会員種別ごとの割引率にて割引きっぷを購入できます(片道・往復・連続を問わず)。

この記事では、大宮駅(さいたま市大宮区)から勝田駅(茨城県ひたちなか市)ゆきの往復乗車券を例示したいと思います。

営業キロが101km-200kmの範囲に入る経路のため、きっぷの有効期間は往復で4日間です。ただし、両駅とも大都市近郊区間に含まれるため、距離にかかわらず途中下車はできません(そもそも往復乗車券の有効期間と途中下車の可否は論点が全く違います)。

● 無割引の往復乗車券

(ゆき券片)

大宮駅から勝田駅ゆき往復乗車券

(かえり券片)

大宮駅から勝田駅ゆき往復乗車券

● 「大人の休日俱楽部」割引適用の往復乗車券

(ゆき券片)

大宮駅から勝田駅ゆき往復乗車券

(かえり券片)

大宮駅から勝田駅ゆき往復乗車券

ミドル会員の場合、ゆきかえりとも所定運賃の5%引きです(大休05)。「大人の休日俱楽部」割引が適用される場合、乗車変更に制限があることに留意する必要があります。詳しくは↓を。

往復割引~片道601km以上~

サンライズ出雲号出雲市駅にて

往復乗車券である意味を持ってくるのが、長距離の移動になる場合です。代表的な例として、夜行列車の「サンライズ出雲」号で、東京駅から出雲市駅(島根県出雲市)を往復するケースがあります。

島根県出雲市は東京からはかなり遠距離で、航空運賃、高速バス運賃とも高額な目的地です。そのため、鉄道利用も現実的な目的地です。「サンライズ出雲」号に乗車すれば、乗換がないので移動が楽です(時期や設備によって予約が取りにくいですが)。

きっぷを見ると、往復割引を意味する「復割」という文字が目立ちます。東京駅から出雲市駅までは、片道601km以上の距離があるため、往復割引で、ゆきもかえりも1割引になります。

● 東京都区内-出雲市:片道953.6km

往復割引運賃:21,960円(割引がない場合、往復で24,420円)

(ゆき券片)

東京都区内から出雲市駅ゆき往復乗車券

(かえり券片)

東京都区内から出雲市駅ゆき往復乗車券
2015年3月現行の運賃

片道601km以上となる区間の往復乗車券にまつわる節約ポイントやワザについては、別の記事にまとめました。次の記事(↓)をあわせてお読みください。

まとめ

普段あまり意識することがない往復乗車券のメリットですが、各種割引適用のためには大きな意味を持つことを理解していただけたかと思います。

往復乗車券の場合、学割証や「ジパング倶楽部」の手帳に付いている利用証の枚数は、1枚で済みます。特に、学割証の年間発行枚数には制限があることが多いと思われるので、利用をよく検討してほしいです。ちなみに、それらの割引と往復割引は併用でき、両方の割引が適用されます。

学割の場合、割引適用は乗車券だけで、特急券などの料金にはないことを注意しましょう。ジパング俱楽部の割引は、運賃と料金の両方に適用があります。

改訂履歴 Revision History

2015年9月09日:初稿

2022年12月12日:第2稿

2023年02月13日:第2稿

2023年3月31日:第2稿 修正

2023年4月06日:第2稿 修正

2023年7月03日:第2稿 修正

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