「フルーティアふくしま」号|乗車体験【2015年】

フルーティアふくしま719系電車 東北・北海道

磐越西線郡山駅(福島県郡山市)から会津若松駅(福島県会津若松市)までの区間を主に走る、観光列車「フルーティアふくしま」号。

列車の中で流れる車窓を眺めながら、福島県のスイーツを楽しめる「走るカフェ」がコンセプトになっています。

季節によって、走る区間や車内で提供されるスイーツの内容が変わり、リピートしても飽きることがないだけの魅力があると思います。

同じく磐越西線を走る「SLばんえつ物語」号とは、会津若松駅にて接続するダイヤになっていて、一日で2本の観光列車を楽しめる場合があります。

この記事では、筆者が2015年に会津若松駅から郡山駅まで乗車した「フルーティアふくしま」号について、申し込み方や実際の車内体験を共有します(文章は乗車当時のままです)。

磐越西線の他、東北本線や仙山線を走った実績があります。福島に限らず、仙台地区のスイーツを楽しめます。

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旅行商品として申し込む

フルーティアふくしま号バナー
JR東日本 ふくしまアソート販売パンフレットより引用

この列車の特徴だが、JR東日本の旅行商品として発売されているので、乗車券と指定席券では乗車できない。この列車の申し込みは、JR東日本のびゅうプラザで行うことになる。

「フルーティアふくしま」号の運行が、2023年度をもって終了することが発表されました。運行開始から10年間弱、観光列車として活躍したことになります。

2022年以降、実店舗の「びゅうプラザ」はなく、かわりにインターネット上の予約サイトから申込をします。この記事の内容は、2015年当時の申し込み方であることをお含みおきください。

実際の車両には、4人掛けと2人掛けのボックスシートとカウンターがあるので、この列車の申し込みは1名から4名単位で行うことになる。1名利用で座れる席は限られるので、カウンター席をとれたらラッキーだ。また2人掛けのシートが少ないので、2名利用では2名ボックスが取りづらいと思われる。実際、乗車当日には、4人ボックスにかなり多く相席していた。

旅行商品なので、申し込み・支払時点ではキャンセル料は発生せず、宿泊を伴う場合は出発20日前、日帰り(列車乗車)の場合は乗車10日前からキャンセル料が発生することが、普通のきっぷとは違う点だ。
ちなみに、列車乗車の場合の料金は、2015年10月現在、全区間の利用で大人1人4,800円(一人申し込みは5,000円)だ。旅行商品としてのリゾートトレインの価格にしてはお手頃ではないだろうか。

フルーティアふくしま号紙の乗車票

びゅうプラザで申し込んだ時点で何枚かクーポン券をもらえるが、駅への入場と乗車には、次のクーポンを使う。これは、(契)のマークがあるので、普通のきっぷではないことをお断りしておく。

2022年乗車分から、紙の乗車票のかわりにデジタル乗車票で乗車する方法に変わっています。この記事に投稿した乗車票は、2015年当時に乗車した時のものです。

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実際に乗車

さて、実際に乗車したのは、「フルーティアふくしま」4号、郡山駅ゆきである(1234M普通電車に併結)。

会津若松駅 15:06分 →(磐越西線経由)→ 郡山駅 16:20分 ※2015年10月現在のダイヤ

この電車の会津若松駅での入線が遅く、カフェの準備作業もあったので、車内に入れたのは出発の数分前だった。

なお、この日はほぼ同じ時間帯に会津若松駅から「SLばんえつ物語」号が発車するため、多くの鉄道ファンでにぎわっていた。

フルーティアふくしま号719系電車

この電車は改装されているが、改装前の元の車両が、通勤型電車の719系なので、カフェとしては快適ではない。乗客が座る2号車がクモハ719で、電動車(モーターが付いている車両)なので、走行中音がかなり大きい。

1号車、カフェカウンター車は、クシ718-701。「クシ」は、運転台のある先頭車両かつ食堂車を意味する。どうしても、1号車を電動車にしたくなかったのだろうか。外装はこんな感じだ。

フルーティアふくしま719系電車
付随車の食堂車を意味する「クシ」、貴重です
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カフェのような車内空間

1号車の内部は以下のような感じで、広いカフェバーがある。ここに、アイスコーヒーとアイスティーのドリンクバーがあって、物品も販売している。数席だけ椅子があるが、椅子の数は少ない。

郡山駅ゆきの場合、1号車の最前部にかぶりついて前方を眺められるが、ゆっくりお茶するというこの列車のコンセプトには相反する気がする。

フルーティアふくしま車内
フルーティアふくしま車内

この写真のように、この時は鉄道ファンがほとんど乗っていなかったので、走行中でも静かだった。

また、1号車に洗面所があるが、トイレはウォシュレット付きで、JRの在来線には珍しく気が利いた設備だ。パウダールームもあって、ティッシュペーパーが置いてあったのは、かなり女性客を意識していると思う。

車両の改装の完成度はそこそこなのだが、このような細かい部分での配慮の良さが、リゾートトレインの中でも秀い出たところだと思う。何しろ、この電車は、鉄オタのためのものではない。

次に、2号車は乗客が乗車する部分で、クモハ719-701だ。前にも書いたが、電動車なので、走行音がうるさく、カフェとしての居住性が失われている点が残念。居住空間に電動車を持ってきたのはこの電車の失敗点ではなかろうか。クハなどの非電動車を充てられなかったものだろうか。

もっとも、2両編成の電車なので、いずれかの車両にモーターがないと走れなく、致し方ないところ。

2号車から車内に出入りするが、そのドアが元の車両そのままの両開きだ。

フルーティアふくしま外装

車内の様子は、次のような感じだ。シートは広めで、走行音を気にしなければ快適だ。カウンターシートの椅子は動かすことができるので、意外に快適だ。

フルーティアふくしま車内

そんなわけで、車内に入ったのだが、入る時にクーポンのチェックは特になかった。乗務員が入口に立っていなかったら、一般の乗客が入ってきてしまいそうだ。発車直後に、バウチャー券の食事券だけ回収された。

この日のこの電車は、カウンター席の1席を除いて満席で、やはり女性のグループ客やカップルが多かった。男女の大勢のグループ客もいて、筆者は特に居づらかったわけではない。子供連れも1組だけだった。一つ言えるのが、鉄オタ色がなかったこと。

席に座ったら、乗車証明書が置いてあった。発車してからの車内放送が一般車両と同じで、各駅で放送が流れてきてしまうのは笑った。フルーティアの車両にも車掌が1人いて、きっぷのチェックや流れる車内放送の修正をしてくれたらいいのに、と思った。

なお、車窓の眺めに磐梯山が望めるのは、席番で言うと奇数席番なので、申し込み時にリクエストしてみるといい。

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お楽しみのスイーツ・ドリンク

これまで長くなってしまったが、車内では全員にスイーツが配られ、楽しめる。ケーキとタルトが入った箱と、コーヒーと桃のジュースだ。箱を開けるのは弁当みたいで、ケーキだといまいち品がない。ケーキは皿に盛って出してくれると、かなり質感があってよいと思うのだが。。。

フルーティアふくしま車内で提供されるスイーツ

箱の中に入っていたのが、ケーキとタルトのメニューで、福島県産のフルーツを使ったものでいい感じだ。郡山市にあるフルーツピークスという洋菓子店の提供だ(首都圏にもいくつか売店があるようだ)。

車内でスイーツを提供している業者は、主に「フルーツピークス」さんです。筆者が2015年当時乗車した時には「ルヴェルジェ」名義でした。車内で味わったスイーツの味を、首都圏のお店で買って楽しむことができます。

フルーティアふくしまスイーツメニュー
2015年秋のメニュー

実際のケーキとタルトは、以下の写真の通りだ。折角のケーキなのだが、箱入りのままなので、安っぽく見えるのが残念。

フルーツピークスのタルト

一気にタルト2つは、かなり満腹感があった。糖質制限をしている身には結構厳しかった。でも、ケーキ自体は大変おいしくいただけた。

まとめ

この列車のローンチ当初は、サービス面に課題点が多い状況でした。現在は改善されていることを期待したいです。

まとめとして、改善点はいくつかあるものの、配慮も多く見られ、リゾートトレインとしては悪くはないということだ。しかし、車両の電動車から出る音対策はどうにもならないのがネックになるだろう。

料金一人4,800円(5,000円)という価格設定は、普通の運賃・料金・飲食代金を考えても、無茶に高額とは言えないリーズナブルな設定だと思う。

次回乗車する機会があったら、改善されていることを期待したい。

改訂履歴 Revision History

2015年10月13日:初稿

2022年12月12日:初稿 修正

2023年4月06日:初稿 修正

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