【発売終了】「北陸周遊乗車券」VS「北陸おでかけパス」比較

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北陸エリアを走る観光列車「花嫁のれん」号や「べるもんた氷見」号「べるもんた城端」号に乗車するための乗車券に、おトクなフリーきっぷがないか、お考えではないでしょうか。

2023年3月まで発売されていた「北陸おでかけパス」は、北陸本線長浜駅から金沢駅までの区間、IRいしかわ鉄道やあいの風とやま鉄道の全区間をはじめとした北陸エリアの全域をカバーしていました。フリー乗車区間(自由周遊区間)が非常に長大なため、とてもコスパの高いきっぷでした。

その他に、北陸新幹線利用者を対象に「北陸周遊乗車券」も同時期まで発売されていました。フリー乗車区間やきっぷの値段が「北陸おでかけパス」と全く同じですが、有効期間や発売条件が異なります。

紙のきっぷ「北陸おでかけパス」「北陸周遊乗車券」に代わり、スマホで利用できるデジタルきっぷ「tabiwa周遊パス」が利用できるようになりました。2022年11月から導入された「北陸おでかけtabiwaパス」がこれらのきっぷの後継になるかと思います。

この記事では、2023年3月まで発売されていた「北陸おでかけパス」と「北陸周遊乗車券」の有用さを記録として残しておきたいと思います。

また、北陸新幹線金沢駅まで開業した当初、期間限定で発売された「北陸トライアングルルートきっぷ」についても、参考までに情報を残したいと思います。富山県と石川県が共同企画したきっぷでしたが、現在は発売されていません。

北陸おでかけパス

北陸おでかけパスフライヤー
現在は大人2,580円、子ども1,030円。直江津駅までフリー乗車区間です。

利用対象者に制限がなく、誰でも利用できるのが「北陸おでかけパス」です。

北陸本線の長浜駅(滋賀県長浜市)からえちごトキめき鉄道(旧北陸本線)の直江津駅(新潟県上越市)にかけての長大な区間が、フリー乗車区間に設定されています。北陸新幹線は含まれていません

土日祝日1日限り有効のきっぷですが、コスパは抜群です。ただし、利用日が土休日のみで、きっぷの購入も、使用開始の3日前までの制限があります。

  • 発売対象:特に制限なし
  • 設定期間:2015年10月3日から2023年3月26日【発売終了】
  • 発売期間:乗車1か月前から3日前まで
  • 有効期間:土休日の1日間(当日限り)
  • 発売価格:大人2,580円、子ども1,030円
  • 発売箇所(駅以外):電話予約、ネット予約「e5489」※
  • 発売箇所(駅):JR西日本の主な駅(北陸エリア周辺)、IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道の主な駅
  • 自由周遊区間:次の図の通り(東端は直江津駅)
北陸周遊乗車券フリー乗車区間
「北陸周遊乗車券」と同じエリア(えきねっとウェブサイトより引用:2022年9月閲覧)

※ 「e5489」で購入した場合、JR西日本の駅まで移動してからきっぷを受け取ります(当日でもオッケー)。

有効期間が当日限りなので、週末泊りがけで旅行する場合には使いにくいかと思います。

北陸本線の長浜駅から直江津駅までの長大な区間が、フリー乗車区間です。東京から周遊旅行する場合、ゆきに北陸新幹線を利用し、かえりは米原駅(滋賀県米原市)から東海道新幹線を利用することも可能です。

【きっぷのコスパ分析】

下表のとおり、フリー乗車区間を通しで片道乗車した場合、運賃の合計額は6,860円です。これ以上説明が不要なくらい、コスパ面でずば抜けたきっぷです。

区間運賃額(大人片道)
長浜ー金沢3,080円
金沢ー市振2,470円
市振ー直江津1,310円
合計6,860円
フリー乗車区間を全区間乗車した場合の価格分析(2022年9月現行)

北陸周遊乗車券【北陸新幹線利用者向け】

北陸新幹線E7系

北陸新幹線のJR東日本区間から「新幹線eチケット」で利用する乗客には、「北陸おでかけパス」のパワーアップ版が「北陸周遊乗車券」として、同じ値段で提供されます。

ネット限定の「えきねっとトクだ値」でも大丈夫です。

「北陸おでかけパス」と同じ価格、同じフリー乗車区間で、利用期間が2日間です。

北陸新幹線には乗車できません。在来線特急列車には、特急券を別に買えば乗車できます。

2日間有効なので、泊りがけの旅行でも活用できるきっぷです。

  • 発売対象:北陸新幹線を「新幹線eチケット」で乗車する旅客(上越妙高駅ー糸魚川駅間を含む区間を利用)
  • 設定期間:2023年3月31日まで【発売終了】
  • 発売期間:発売駅に着いた当日か翌日
  • 有効期間:平日を含む通年のうち、2日間有効
  • 発売価格:大人2,580円、子ども1,030円
  • 発売箇所:北陸新幹線JR西日本管内の5駅(糸魚川駅から金沢駅までの間)
  • 自由周遊区間:次の図の通り(東端は直江津駅)

※ 発売駅に着いた当日とその翌日、もしくは翌日と翌々日のいずれかの期間で利用可能

北陸周遊乗車券フリー乗車区間
「北陸おでかけパス」と同じ範囲です

このきっぷの情報を検索しにくいため、知る人ぞ知るおトクなきっぷです。「北陸おでかけパス」と違い、発売期間や方法に縛りが少ないです。そのため、北陸新幹線で北陸エリアに入る人には気軽に利用できるきっぷです。

購入する時には、上記の駅で、購入した時の画面を提示します。

【きっぷの券面】

現在は、自動改札を通れる一般的なサイズ(8.5cm大)の紙のきっぷです。ただし、北陸地区には在来線の駅に自動改札機がほとんど設置されていないので、気にならないかと思います。

ちなみに、筆者が購入した2016年当時は、下図の通り12cm大の自動改札を通れないきっぷでした。

北陸周遊乗車券本券
北陸周遊乗車券ご案内

まとめ:「北陸おでかけパス」と「北陸周遊乗車券」の違い

両者の違いは、発売対象者・発売方法と、有効期間です。

● 発売方法

北陸おでかけパス:対象制限なし、事前購入

北陸周遊乗車券:対象限定あり、当日購入

● 有効期間

北陸おでかけパス:土休日のみ1日間(当日限り)

北陸周遊乗車券:平日・土休日の2日間

両者とも、全区間を片道でも乗車すれば簡単に元をとれる、コスパが優れたきっぷです。

参考:北陸トライアングルルートきっぷ【現在終売】

北陸トライアングルルートきっぷフライヤー

北陸トライアングルルートきっぷは、2015年に石川県と富山県の企画で登場した企画きっぷです。現在は発売されていません。きっぷの詳細は、次の通りでした。

  • 発売対象:特に制限なし
  • 設定期間:2015年10月3日から【発売終了】
  • 発売期間:乗車当日まで
  • 有効期間:2日間
  • 発売価格:大人2,850円、子ども1,430円
  • 発売箇所:北陸エリアの主なJR西日本、IRいしかわ鉄道・あいの風とやま鉄道の駅、のと鉄道穴水駅
  • 自由周遊区間:上図の通り

のと鉄道の和倉温泉ー穴水間を乗車できるのが、このきっぷの特長でした。観光列車「のと里山里海」号には、追加料金を支払えば乗車できました。他のきっぷでは、この区間は乗車できません。また、加越能バスのわくライナーにも乗車できました。

【きっぷの券面】

北陸トライアングルルートきっぷ本券
北陸トライアングルルートきっぷご案内
北陸トライアングルルートきっぷご案内

参考資料 References

● JR西日本 おでかけネット(2022年9月閲覧)

鉄道のご案内|トクトクきっぷ:JRおでかけネット
トクトクきっぷとは、特別なご利用条件(区間、列車や利用期間など)を定めて発売する普通乗車券、回数乗車券、急行券、特別車両券、寝台券、コンパートメント券および座席指定券のことです。

● JR西日本 ニュースリリース(2022年9月閲覧)

https://www.westjr.co.jp/press/article/items/220218_04_kanazawa.pdf

改訂履歴 Revision History

2015年12月15日:初稿

2019年10月14日:初稿 修正

2022年9月08日:第2稿

2022年12月22日:第2稿 修正

2023年02月13日:第2稿 修正

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