2016年元旦、「犬吠初日の出」号に乗車し、千葉県銚子市の犬吠埼にて初日の出を拝むことができた。この記事では、その様子をご紹介する。
銚子の犬吠埼は、初日の出を拝む場所としてはあまりにも有名だが、初めてだった。日本で、山頂などを除く平地で一番早い時刻に日が出る場所だ(概ね6時46分)。
マイカーで行ったとしたら、銚子市内で大渋滞にはまるのは確実だったので、鉄道趣味を兼ねて、公共交通機関である鉄道を利用して向かった。
初日の出列車「犬吠初日の出」号の予約事情
東京では、元日の未明に臨時列車が終夜運転されている。東京から銚子へも、終夜運転の特急列車が運行されている。
2016年元日には3本の列車が設定されていて、「犬吠初日の出」1号が高尾駅発、3号が今年から大宮駅発、そして5号が新宿駅発であった(本当は両国駅発の列車に乗車してみたかったのだが)。
そのうち、筆者にとってアクセスが良い3号に、大宮駅から乗車してみた。
2023年元日に運行された「犬吠初日の出」号は、新宿駅から銚子駅ゆきの片道1本だけの運行でした。現在、大宮駅や高尾駅からの列車の出発はありません。
「犬吠初日の出」3号は、大宮駅から湘南新宿ライン、中央線快速、総武緩行線、総武快速線、成田線(佐原)経由で銚子駅まで向かう、大変おもしろい経路を走った。
大宮駅 1:45分 →(湘南新宿ライン、総武本線、成田線経由)→ 銚子駅 4:39分
この列車は全席指定席なので、事前に必ず指定席特急券を購入しなければならない(加えて乗車券も必要)。
乗車1か月前の12月1日に10時打ちしないと取れないといった予約の難しい列車ではなく、比較的間際でも予約できる。天気予報次第ではあるが、できれば12月24日頃までには特急券を予約しておいた方がよいだろう。そして、乗車当日には確実に満席になる(天気予報が良ければ)。
下図は2015年12月31日23時現在の空席状況だが、3本ともほぼ満席だった。

特急券は以下のとおりである。昼間の特急「しおさい」号と違って「えきねっとトクだ値」料金の設定がないので、運賃料金とも高めだ。各駅の金額の記載は、出発駅によって違うので割愛させていただきたい。

「犬吠初日の出」号に乗車
さて、元日になり、実際にこの列車に乗車し、銚子駅まで向かった。
始発駅の大宮駅には待合スペースが全くなく、冷たい印象がある。この列車の入線も発車5分前と間際だったので、列車を待つのに適した居場所探しに苦心した。また、大宮駅ではこの電車の案内放送もほとんどなくて、不親切に感じた。

大宮駅を発車する時点での乗客層は、鉄ちゃんが思ったよりも多かったのだが、次第に一般客も増えてきた。
車両はE257系5両編成だが、古さを感じるのは事実だ。ヘッドマークの表記は「臨時」だった。

大宮駅から新宿駅までは宇都宮運輸区の車掌が乗務していたのが驚いたが、新宿で佐倉運輸区の車掌に交代して、普通の房総特急になった。新宿駅で埼京線の線路から中央線快速の線路に入る瞬間がおもしろかった。錦糸町駅までには乗客がほとんど乗車して、実際ほぼ満席の状態になった。なお、車内改札はなかった。
銚子電鉄に乗り換え
銚子駅に到着して、銚子電鉄線に乗り換える時が戦いなのだが、銚子電鉄線のホームに近いのが5号車であることが判明した。5号車の席を予約できると、銚子電鉄の車内にいち早く到達し、座れるだろう。
銚子駅では銚子電鉄の職員が待ち構えていて、1日600円の一日乗車券、弧廻手形を販売していたので購入して乗車した。
犬吠駅までの所定往復運賃は680円にもかかわらず、元旦限定だが600円で発売しているのは大盤振る舞いだと思った。銚子電鉄には書き入れ時で、この日だけは儲かるのだろう(笑)。

著作権の関係で、画像にモザイクをかけてあることを申し添えるが、きっぷのデザインは、鉄道むすめと昼間の犬吠埼灯台の写真である。
余談だが、普通のきっぷには、いまだ硬券が現役で存在するので、合格祈願切符とともに記念購入するのをお勧めする。
上記の特急到着に合わせた元旦限定の特別ダイヤが銚子電鉄でも組まれていて、初日の出に間に合うようになっている。しかし、いうまでもなく電車は大入り満員である。犬吠駅には朝5時台に到着して、犬吠駅から徒歩10分程度で灯台や君ヶ浜に着くので、そこで1時間程度待つことになる。

犬吠埼で拝む初日の出とその帰り道

君ヶ浜では朝6時頃に花火が打ちあがって、おもしろかった。6時を過ぎると海岸に人が集まってくるが、混んでよく見られないということはなかった。6時46分には日が昇るはずだったが、あいにく東方に雲がかかっていて、実際に雲の間から初日を拝めたのは7時05分頃だった。
やはり帰りが大変だった。今日はすぐに日が出てこなくて、退散する時間が遅れたため、予定していた列車に乗り遅れ、銚子駅からの帰りの特急「しおさい」6号(7:42発)の指定席をふいにした。よりによって「えきねっとトクだ値」料金で購入していたので、乗り遅れできっぷが紙くずになってしまった。
そこで、銚子電鉄線の観音駅に近い高速バスのバス停から東京駅まで帰ってきた。このバスには、初日の出客が乗車しておらず、大変空いていた。特急「しおさい」号も運転本数が多くないので、帰路に高速バスの利用を検討してもいいのでは。

遠出のお楽しみ、プチおみやげは、銚子電鉄のぬれ煎餅。濃い口、薄い口、甘口の3種類があるが、筆者は濃い口を買った。おいしいので、いかがだろうか。
改訂履歴 Revision History
2016年01月01日:初稿
2022年12月09日:初稿 再構成
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