「銚子電鉄」きっぷ鉄ガイド

銚子電鉄の廃札券 きっぷ鉄(紙券)

千葉県の東端に位置する銚子市。漁業と醤油の街として、古くから栄えてきました。

そんな銚子の街の中心部には、銚子電鉄線が古くから走っています。JR銚子駅から外川駅までの6.4kmの短い路線で、犬吠埼にアクセスできます。2022年で創業からちょうど100年経った、小さいながらも歴史ある鉄道会社です。

近年は銚子電鉄の経営が厳しく、2021年度に微額の黒字を計上した程度です。そんな背景があり、鉄道事業以外に「ぬれ煎餅」や「まずい棒」などの製菓事業があり、会社の経営を支えている形です。

本業である鉄道事業では、車両や手売りきっぷなど、古くからの風情が残っています。JR銚子駅を除き、きっぷの自動券売機がありません。そのため、有人駅では硬券や補充券といった手売りきっぷが残っていて、タイムスリップした感覚を味わえます。

統一感がない代わり、バリエーションに富んだきっぷが見られます!

この記事では、銚子電鉄で体験できるきっぷ鉄について、筆者の体験を交えて綴っていきます。

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銚子電鉄におけるきっぷ鉄

銚子電鉄の車両

銚子電鉄の正式社名は「銚子電気鉄道」です。銚子電鉄の銚子市内での存在感は薄く、銚子電鉄線を利用する地元の人は少ないです。その分、鉄道ファンなどの観光客の誘客に注力していて、社長さんが各地のイベントに東奔西走していることをご存じだと思います。

一時期ブームになった「ぬれ煎餅」の存在感があまりに強く、鉄道業というよりは製菓業といっても過言ではないと思います。

冒頭で申し上げた通り、鉄道事業は古くからのスタイルが踏襲されていて、きっぷの出札業務も例外ではありません。そんなわけで、銚子電鉄においてきっぷといえば、硬券や補充券といった手売りきっぷを指します(JR銚子駅にだけ券売機が存在)。

きっぷ鉄の初心者にとっては、収集の経験を積むには適した場所だと思います。基本的には各有人駅を訪問し、実際に使えるきっぷを購入する形です。

銚子電鉄の廃札券

まれに、廃札券など普段入手できないきっぷが、イベントや売店などで販売されることがあります。上記の写真は、期間限定の商品として犬吠駅売店で販売されていた、廃札券の詰め合わせ(購入時1000円)です。

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銚子電鉄の主な有人駅

銚子電鉄の出札業務には端末が導入されていないため、各駅で購入できるきっぷは手売りとなります。

銚子駅(JR管理)

銚子駅駅舎

銚子電鉄の起点になる駅です。JR銚子駅の一角を借りている形ですが、JR総武本線と線路が直結していて、列車の相互乗り入れが決して不可能ではありません。JR線と銚子電鉄線の乗り換えは中間改札がなく、ホームがそのままつながっています。

そのような背景があり、銚子電鉄とJR東日本の連絡運輸がいまだに残っていて、連絡乗車券を購入できます。

銚子電鉄案内ボード銚子駅にて

2022年9月まで、銚子駅にはJRのみどりの窓口がありました。窓口では、銚子電鉄の社線単独券を入手できました。現在は窓口が閉鎖してしまったため、自動券売機できっぷを購入できるのみです。

仲ノ町駅

仲ノ町駅駅舎

銚子駅の隣にある駅で、仲ノ町車庫や銚子電鉄の本社がある拠点です。普通乗車券、回数乗車券、定期乗車券といった諸々のきっぷが発売されています。その他、ぬれ煎餅や鉄道グッズなどの物販もあります。

仲ノ町駅出札窓口

土休日だけでなく、平日も窓口が開いています。駅舎は昔ながらの建物で、窓口も昔の雰囲気のままです。窓口の上に掲示された運賃表も、味がある手書きです。

銚子電鉄連絡運輸範囲

JR線との連絡運輸範囲も掲げられています。普通乗車券については、千葉駅までの範囲で連絡乗車券として購入できます。

外川駅

外川駅駅舎

銚子電鉄線終点の駅です。窓口は、土休日日中のみ開いています。この駅も、普通乗車券は硬券、補充券とも取り扱いがあります。外川駅でしか入手できないきっぷがあるほか、仲ノ町駅とは細かな様式が異なるきっぷもあるため、訪問する価値があると思います。

その他の駅

観音駅(土休日日中のみ)、笠上黒生駅、犬吠駅でもきっぷを発売しています。このうち、犬吠駅では扱う券種が限られるので、留意してください。

これから実際のきっぷを紹介します!

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銚子電鉄にて購入できる主なきっぷ

銚子電鉄には実に多様なきっぷがあり、とても興味深いです。きっぷ鉄を十分に楽しめるでしょう。小さな鉄道会社ですが、他の鉄道会社並みに種類は豊富です。

銚子電鉄の公式ウェブサイトには、同社のきっぷを詳しく紹介したページがあります。この記事でも、筆者なりの切り口で深堀りしたいと思います。本記事にて紹介するきっぷは一部の駅で購入したものにすぎませんが、おおまかな全容はみえるかと思います。

入場券

銚子電鉄入場券

通常の入場券は、エドモンソン券A型硬券です。犬吠駅の入場券は特殊なサイズです。その他、キャラクターものを含む多くの種類の記念入場券が発売されています。上の写真の中で、仲ノ町車庫のものは定期券サイズの硬券で、JPR地紋が入っているレアな一品です。

普通乗車券(硬券)

銚子電鉄硬券

銚子電鉄では、多くの種類の硬券が存在します。「○運賃変更」の印を押して古い券をそのまま使用することが多いです。

銚子駅ゆきは緑色の地紋、その他の線内の駅ゆきは桃色の地紋です。

左上の外川から銚子ゆきの硬券、金額の印字ミスがあり、運賃変更印が押された珍しいものです。また、左中央の硬券は「○救」(被救護者用)のものです。

左下にある「一駅散歩往復切符」は、外川駅と犬吠駅で発売されています。エドモンソン券C型硬券で、大変レアです。

銚子電鉄硬券

最近の硬券です。銚子駅ゆきの券が、JRマルス券風のデザインです。自動改札に入れてはいけませんが、入れられると誤解しそうです。

硬券にもスタンパーを押すようになってから、硬券らしさが失われたのが残念です。

銚子電鉄招待券

これは、イベントで販売されたぬれ煎餅のおまけとして同梱されていた招待券です。エドモンソン券D型硬券の中に、仲ノ町駅の入場券と線内の往復乗車券が印刷されています。日付や有効期間が掲載されていないので、いつでも使用できそうです。

銚子電鉄招待券裏面

招待券の裏面です。硬券には券番があります。一応管理されていることがうかがえます。

補充片道・往復乗車券

銚子電鉄補片

仲ノ町駅で購入した補充片道乗車券と補充往復乗車券です。JR線連絡乗車券として購入できます。駅名補充式で、各駅汎用です。

写真下の券は、外川駅で購入したものです。金額だけ手書きですが、実質的に常備券です。

車内券

銚子電鉄車内券

銚子電鉄線内用の車内券は、簡易なもぎり式の金額券です。いろいろな金額があり、カラーバリエーションが豊富です。

銚子電鉄車内券

JR連絡の車内補充券です。経由欄があり、八日市場経由と小見川経由とありますが、JR線内は東京近郊区間内のため、形骸化しています。連絡運輸範囲が狭いので、全駅分収録されています。

その他

銚子電鉄には、いまだ回数乗車券が発売されており、縦長のきっぷを購入できます。また、一日乗車券「弧廻手形」も発売されていて、駅めぐりに使用できます。

JR銚子駅社線単独マルス券【発売終了】

JR銚子駅のみどりの窓口では、銚子電鉄線の社線単独券を発行してもらうことが可能でした。2022年9月にて当該窓口が閉鎖され、今ではマルス券は購入できません。

銚子電鉄マルス券

これは、購入できた当時のマルス券です。

なお、JR線内の設定駅でも、銚子電鉄線内ゆきの連絡乗車券を購入できることは、いうまでもありません(実物がなく掲載していません)。

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まとめ

銚子電鉄車両

わずか6.4kmの短い路線で、数駅しかない銚子電鉄線。規模は小さいですが、それに見合わないほど多様なきっぷがあることがお分かりいただけたと思います。

銚子漁港での食事や犬吠埼観光のついでに、駅めぐりしてみてはいかがでしょうか。

参考資料 References

● 「銚電の乗車券 発売中!」(銚子電気鉄道)2022.12閲覧

銚電の乗車券 発売中! 銚子電気鉄道株式会社
<各駅の発売時間(通信販売は行っておりません。各駅にてお買い求め下さい)>仲ノ町、笠上黒生5:30~2

改訂履歴 Revision History

2016年11月19日:初稿

2022年12月29日:第2稿

2023年4月06日:第2稿 修正

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