「S-TRAIN(エストレイン)」は、西武鉄道が主体になって、東京メトロ副都心線と東急電鉄東横線・横浜高速鉄道に乗り入れを行う座席指定制の列車です。確実に座れますが、座席指定料金が有料の列車です。車両は、西武鉄道の40000系が使用されています。
ある日曜日の日中に横浜に所用があったため、2017年春に運行が始まった「S-TRAIN」2号の運行時刻に合わせて、東急東横線内の区間のみ乗車してみました。この記事では、「S-TRAIN」に乗車した際の体験を残します。
過去には、東急と西武が箱根でガチンコしていた時代があり、水と油の関係だったことをご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。それは今や昔の話で、西武線の車両が副都心線を経由して、普通に東急線内に乗り入れてくる時代になりました。
運行日・料金
「S-TRAIN」は、平日は西武線内からメトロ有楽町線に乗り入れるホームライナー的列車、土休日は西武線内からメトロ副都心線、東急東横線・みなとみらい線に乗り入れる行楽列車という位置づけです。
したがって、東急東横線・みなとみらい線内で「S-TRAIN」に乗車できるのは、土休日のみであることを留意してください。
S-TRAINに乗車するには、乗車券の他に「指定券」が必要です。その料金は、乗り入れ会社ごとに決められていて、乗車する会社ごとに料金が加算される仕組みです。例えば、西武線、東京メトロ、東急線の3社の料金が加算されると、区間によっては料金が1000円を超える高額な料金になります。
乗車区間 | 料金額 |
西武線内 | 区間によって300~510円 |
東京メトロ線内通過 | 一律210円を加算 ※メトロ線内のみの料金設定はなし |
東急・みなとみらい線内 | 一律350円 |
(最長区間乗車の場合の座席指定料金) | 1,060円(西武秩父駅ー元町・中華街駅間) |
指定券の事前購入は、停車駅の改札窓口か、東横線各駅の自動券売機のいずれかで可能です。

東急渋谷駅で買い求めた東急・みなとみらい線内の指定券。西武鉄道の特急券・指定券の様式をそのまま流用しています。

また、当日券は、発車時刻前に停車駅ホーム上の指定券券売機でも購入可能です(ICカードのみ)。
乗車した時のようす
この記事では、「S-TRAIN」2号の東急線・みなとみらい線内のみ乗車した際の様子をご紹介したいと思います(この列車の始発駅は、西武池袋線飯能駅)。
2号:東急渋谷駅 10:18分 →(東急東横線、みなとみらい線経由)→ 元町・中華街駅 10:53分

渋谷駅の東横線ホームから乗車するのは、日常の何食わぬ光景です。

ホーム上の発車案内表示にも、S-TRAINが何食わぬ顔で表示されています。

4番線ホームに列車が入線し、乗務員が交代しました。車両のロゴマークが西武鉄道なのが新鮮ですが、若干違和感も覚えます。


車両の行先表示板には、2パターンの表示があります。片方が列車名、もう片方が行先です。
4ドアの車両ながら、実際に乗り降りできるのは各車両1か所のみです。車内に入ると、通勤型の普通の車両には違いないものの、座席がちょっとだけ豪華な感じがします。日曜日の午前中でしたが、そこそこ人が乗っているかなという感じでした。

4号車にトイレがある点と、座席の窓側には電源コンセントがあって、スマホなどの充電ができる点で、列車が差別化されている感じです。

網棚には、座席番号の表示が当然あります。
座席はリクライニング式ではないので、あまりくつろぐことができません。向きを転換できるので、4人で座る時には座席の向きを変えることができます。

ドア戸袋にある電光案内板は、一般の通勤車両と変わりません。
渋谷駅から終点の元町・中華街駅までの途中停車駅は、自由が丘、横浜(降車のみ)、みなとみらい(降車のみ)ですが、ほかに中目黒駅と武蔵小杉駅、菊名駅にも運転停車していました。見かけの停車駅は少ないものの、所要時間は一般の特急列車並みにかかります。
おわりに
「S-TRAIN」のメリットは、全席指定席で必ず座れることでしょうか。座席定員以上に立っている乗客がいなくて、車内に余裕があります。
指定券の課金に意味を見いだせる方だけが利用すればよい列車なのかなと考えます。
参考資料 References
● S-TRAIN(西武鉄道ウェブサイト)2023.01閲覧

● 指定券 S-TRAIN(東急電鉄ウェブサイト)2023.01閲覧
改訂履歴 Revision History
2017年8月12日:初稿
2023年01月05日:初稿 再構成
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