「伊豆初日の出」号で拝む初日の出@片瀬白田駅【2018年元旦】

伊豆急行リゾート21黒船電車 関東・甲信越

東京都心の品川駅に、伊豆急行の観光列車「リゾート21」黒船電車が入線するレアな光景が、年に1回元日未明だけ見られました。その黒船電車が、初日の出列車の快速「伊豆初日の出号」として、品川駅から伊豆急下田駅まで運行されました。筆者は、この列車のグリーン車(ロイヤルボックス)に乗車できました。

2018年最初の本記事では、元日早朝に快速「伊豆初日の出」号に乗車し、途中の伊豆急行片瀬白田駅(静岡県東伊豆町)で初日の出を拝んだようすを残します。この移動に使ったきっぷであるグリーン券と「南伊豆フリー乗車券」を購入した過程も、本記事に記録しておきます。

現在「伊豆初日の出号」は運行されていません。また、伊豆急行の「リゾート21」黒船電車も、JR東海道線内には乗り入れていません。本記事中紹介する「南伊豆フリー乗車券」も、現在発売が終了しています。

現在参考にならない情報ですが、過去の記録として残した記事であることをご了承ください。

以下の本文、最初に投稿した時の体裁そのままで修正していないこと、ご了承ください。

「伊豆初日の出」号とは|きっぷの予約・購入

伊豆初日の出号サボ

「伊豆初日の出」号は、毎年元日に東京の品川駅から、途中の初日の出スポットの片瀬白田駅を経由して、伊豆急下田駅(静岡県下田市)までの片道だけ運行される快速列車である。

9523M:品川駅 4:15分 →(東海道線・伊東線・伊豆急行線経由)→ 伊豆急下田駅 7:42分
※ 途中の片瀬白田駅には、6:32分着、7時16分発。その間に初日の出(6:51分頃)を楽しめる。

JR東日本初日の出列車販売パンフレット
JR東日本「2018年JRで初詣」販売パンフレットより引用

普段は伊豆急行線内を普通列車として走る、リゾート21黒船電車の車両が、品川駅まで遠征してきて、初日の出客を乗せて伊豆方面へと向かっていくわけである。

この車両がJR線内(熱海駅よりも東京駅方)を走るということが結構レアなことで、それ目当ての鉄道ファン客が多い。もちろん一般客も変わった体験を味わえるのだが、後述するようにこの車両が結構老朽化してきており、いつまでこの車両で初日の出を見られるか怪しいかと思うので、できたら早めに乗られたら良いかと思う。

グリーン券

この電車は全車指定席で、乗車するためには乗車券の他に、指定席券(グリーン車は普通列車用グリーン券)の予約・購入が必要である。

この車両、普段は伊豆急線内を普通車だけで運行していることから、この電車だけグリーン車(ロイヤルボックス)が連結されていることを知っている人が少ないかと思われる。それでも、わずか30席しかないグリーン車の座席は12月1日の発売開始時で瞬殺だったようだ。筆者は、えきねっとの事前予約でグリーン車の席を何とか押さえることができた。

実際に乗車したら、このグリーン車には、その存在を知っている鉄道ファンの乗客がほとんどで、男ばかりの車内であった(汗)。

グリーン車の定員が30人、普通車の定員が350人だが、ほぼ満席だったようである。

伊豆初日の出号普通列車用グリーン券

えきねっと予約では、あいにく座席の席番・位置を選択することができない。満席になってしまう列車なので、席番のチョイス自体が難しいが、みどりの窓口で席番リクエストをしてみてもよいかもしれない。

乗車券「南伊豆フリー乗車券」を活用

南伊豆フリー乗車券販売パンフレット
JR東日本「南伊豆フリー乗車券」販売パンフレット

乗車券として、この列車が快速電車なので、JR線内については「青春18きっぷ」も使用できる(普通車のみ)。その他、「南伊豆フリー乗車券」が安くておすすめである。往復JR東海道線(在来線)を利用するのが条件であるが、往復で約7,800円の運賃が、6,160円まで安くなる(品川駅発着として)。

ここで紹介した「南伊豆フリー乗車券」の発売は終了しており、現在購入することはできません。

行きの券面がこんな感じで、

南伊豆フリー乗車券本券

帰りの券面は次の通りである。

南伊豆フリー乗車券本券

フリー区間内の伊豆急行線とバスに2日間乗り放題なので、往復だけで元が取れる以上におトクなきっぷである。出発前日までに忘れずに購入・発券しておこう。

品川駅での乗車までの狂騒曲:片瀬白田駅までひた走る

品川駅までは、山手線の終夜運転で早めに向かい、品川駅に着いたのが、3:40分頃。発車ホームである9番線に降りる階段は閉鎖されていて、多くの人が待っていたが、ほどなく解放されて、多くの人がホームに降りて行った。品川駅の中のコンビニが営業しているので、利用されたい。

品川駅駅名標

9番線からは、この「伊豆初日の出」号の外、「伊東初日の出」号が発車するので、発車表示板の表示が素晴らしかった。

伊豆初日の出号発車案内表示

ホームの地面には、乗車位置の案内が貼ってあった。

伊豆初日の出号乗車位置案内

この日は、黒船電車の車両に不具合があるとのことで、入線が発車2分前の4:13分だった。その頃には多くの乗客と鉄道ファンが集結し、大勢の人々でちょっとした狂騒曲だった。(入線してきた回送電車としての黒船電車の列車番号は、9722M)

伊豆初日の出号入線

そして、5号車、グリーン車の車内に入った。車内ではBGMがかかっていて、くつろげる感じだった。
座席は薄緑色で、まさに「グリーン車」である。この車両、1990年頃に作られたもので、その頃のバブル時代にあった保養所のロビーのような、ちょっと古びた感じの雰囲気の車内である。

3列配列の座席は独立した座席で、王様気分である。

黒船電車ロイヤルボックス車内

一人掛けのA席。シートピッチはゆうに120㎝以上はあると思われ、足を伸ばしきれる状態だった。この座席、海側に45度回転できることを道中に知って、感動した。ただし、座席の間隔と窓枠の配置が合っていないので、景色の悪い席もある。

リゾートトレインの嚆矢のような、古びているがゆったりした雰囲気の車内だった。

黒船電車ロイヤルボックス車内

ちなみに、普通車指定席の車内(4号車)は、こんな感じである。4人掛けの海側の席に一人で乗って、相席だとしたら、ちょっとくつろげないと思う。こちらの客層は、一般の初日の出客、同性のグループ、夫婦など様々だった。

黒船電車普通車車内

所定の時刻から10分遅れて、4:25分に電車が品川駅を発車した。

車内案内装置が故障しているとのことで、車両全体に案内放送が入らなかった状況だったが、整備員が2人乗っていて、道中で直ったようである。しかし、5号車のグリーン車に限りその放送が入らない。車掌さんが5号車のカウンターにあるマイクで別に案内をしていたが、そのマイクも調子が悪くてノイズが大きかった。(ロイヤルボックスには車内放送が入らない仕様かもしれないが、よくわからない。)

車両全体も老朽化が進んでいる印象で、特にグリーン車は整備の悪さと経年劣化した状態が現れていて、もう先が長くないかなと思った。

遅れを取り戻すために全速力で走っていたが、なかなか遅れが取り戻せずに、初日の出の時刻に間に合うのかなと気をもんだ。

黒船電車はその後、2019年にリニューアルされ、延命しています。ただし、現在運行中止中です。

片瀬白田駅でのおもてなし・初日の出を拝む

そして、お楽しみの片瀬白田駅には、定刻から4分遅れて到着した。

片瀬白田駅駅名標

初日の出を拝むのに海岸線まで出るのには一旦駅を出るのだが、その通路では職員さんがあったかいコンソメスープをふるまっていて、それを飲んで暖まることができた。初日の出鑑賞は基本寒いので、このようなホットサービスがあるとありがたい。

片瀬白田駅

初日の出自体は駅のホームからでも見ることができて、ホーム上にも結構人が残っていた。
一般の乗客はやはり海岸線まで歩く人が多かったが、海岸線が人であふれる状態まではいかなくて、ゆったりと初日の出を楽しめた。

片瀬白田駅

海岸からの眺めは、正面に伊豆大島、右手に利島と新島が見える風光明媚なものである。

海岸線に降りてきたときにはすでに空が白んでいて、6:51分に日が昇った。日が昇る方角だけ雲がかぶさっていて恨めしかったが、それでも7時前にはお日様を拝めたので、良しとしよう。

片瀬白田駅からの日の出

「伊豆初日の出」号の終点伊豆急下田駅まで向かう

初日の出鑑賞が終わって、電車が止まっているホームに戻り、品川駅でよく取れなかった車体の写真を撮ってから座席に戻った。

黒船電車片瀬白田駅にて

定刻の7:16分に再び発車し、終点の伊豆急下田駅へ。片瀬白田駅で降りないで、終点まで乗り通す人が多かった。

発車してからすぐに、進行左手にある海岸線からの日が昇る光景が見事で、素晴らしかった。

2018年初日の出片瀬白田駅にて

終点の伊豆急下田駅には定刻に到着した。そして、乗客は三々五々散っていった。南伊豆をバスで巡って東京に帰るのが良いかと思う。

東京まで帰るのが時間がかかり、伊豆急下田は遠いところだなと改めて感じた。

参考資料 References

● 伊豆急行ウェブサイト 電車図鑑 2023.01閲覧

伊豆急-おすすめ電車旅<観光・海・リゾート・温泉>
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改訂履歴 Revision History

2018年01月02日:初稿

2023年01月17日:初稿 修正

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