東京メトロ千代田線に乗り入れている小田急ロマンスカー。2018年3月17日から「メトロえのしま」号がそのラインアップに追加され、北千住駅(東京都足立区)から片瀬江ノ島駅(神奈川県藤沢市)まで特急列車1本で向かえるようになりました。
「メトロえのしま」号は土休日限りの運行です。この列車の乗客層としては、常磐線・千代田線沿線の乗客で、日帰りで江の島・鎌倉地区に遊びに行くという人たちと想定されます(後述の通り、実際には小田急線内のみの利用者が意外に多かったです)。
この記事では、「メトロえのしま」号のきっぷの買い方や今回「メトロえのしま」号に乗車した時の様子、そして行先変更に伴って購入したきっぷについてお話していきたいと思います。
小田急ロマンスカー「メトロえのしま」号の概要

この「メトロえのしま」号は土休日に運行され、箱根湯本駅(神奈川県箱根町)まで走る「メトロはこね」号に連結されています。
土休日に限った運行で、一日当たり1.5往復3便です。片瀬江ノ島駅行きは午前中に2便、北千住駅行きは夕方に1便運行されます。そのうち、3便はメトロえのしま号との併結(号数が90番台)で、残り3便は併結なし(号数が20番台)。
車両編成(併結)【1-6号車:メトロはこね号】+【7-10号車:メトロえのしま号】
メトロはこね号と併結される列車であり、連結作業のため相模大野駅(相模原市南区)に必ず停車します。
特急券はネット予約し、東京メトロの駅で引き換え

「メトロえのしま」号のきっぷの買い方の説明をする前に、まずは筆者のエピソードをお話しします。
筆者は本来、「メトロはこね」号に乗車しようと思っていましたが、春の三連休の午前中のこと、ほぼ満席で思ったように予約できない状況でした。そこで、まだ席が空いていた「メトロえのしま」号に乗車することにしたわけです。当初、途中の相模大野駅まで乗車するつもりでしたが、結局終点の片瀬江ノ島駅まで乗車しました。
今回は東京メトロと小田急線内の行程ですが、メトロはこね号が混んでいることもあったので、念のために座席をネットで予約しておくことにしました。ネット予約は、小田急電鉄のネット予約システム「e-Romanscar」でできます。
乗車前日現在の空席状況は、朝一番の「メトロはこね」91号が△で残席が少ない状況、併結された「メトロえのしま」91号は〇でまだ空いている状況でした。春休み真っ最中ということもあったのですが、土休日午前中の箱根湯本行きの特急列車の需要は高く、なかなか手ごわいものです。
クレジットカードで決済する場合はそのままチケットレスで乗車すればよいのですが、現金で精算する場合は、事前に駅の窓口か券売機で事前にきっぷを引き取る必要があります。
今回は現金で特急券を購入することにしましたが、小田急のサイトでネット予約したきっぷを東京メトロの駅で引き取ることができるか疑問でした。
その結果は、この列車の乗車駅にある券売機(始発の北千住駅では、改札内の駅事務所でもOK)で、電話番号があれば引き取りできることが判明しました。東京メトロ線内の駅で、スムーズに引きとりができたわけです。ただし、券売機や窓口の数が少ないので、時間には余裕をもちたいところです。

北千住駅で引き取った特急券の券面は、小田急電鉄の駅で発行されるもの(赤い乗車券用紙)と全く同じ様式ながら、東京メトロでは青い用紙が使用されています。いつもと違った感じがしました。
「メトロえのしま」号のきっぷの購入方法
今申し上げたことを、整理します。
小田急ロマンスカーは全車指定席のため、きっぷは乗車する前に購入する必要があります。購入する方法には、前述したネット予約を含めて、次の通りいくつかの方法があります。
● ネットで予約購入【特急券のみ】
東京メトロ線内から乗車する場合を含めて、小田急電鉄のネット予約システム「e-Romancecar」を利用しての特急券の予約・購入を、乗車する1か月前から行えます。
クレジットカードがあればネット上で決済し、チケットレスで乗車することもできます。また、ネット上では予約だけしておいて、決済と紙の特急券の受け取りは駅で行うことも可能です。この場合、決済までの期限が限られているため、注意してください。
筆者個人的には、事前にネット「e-Romancecar」でシートマップを見ながら座席を予約し、乗車前に駅で決済して紙の特急券を受け取るようにしています(きっぷの受け取りのため、メールアドレスと電話番号を入力する必要あり)。
乗車券については、交通系ICカードを利用するか、駅で購入するかのいずれかです。
本記事では、リピーター向けの「ロマンスカー@クラブ」、「EMot」アプリについては割愛します。
● 小田急線内の駅で購入【特急券・乗車券とも】
特急券と乗車券を新規に購入することも、ネットで予約した席の決済・受取を行うことも可能です。また、券売機で購入することも、窓口で購入することも可能です。小田急電鉄の場合、乗車券を含めて現金の他、クレジットカードで決済することも可能です。
● 東京メトロ線内の駅で購入【特急券・乗車券とも】
東京メトロ線内から乗降する場合に限られますが、東京メトロの駅でも、小田急電鉄の発券端末(MSR)が置いてあるロマンスカーの停車駅でのみ購入することができます。
小田急線内の駅と同様、駅事務室ではネット予約の特急券の受け取りも可能です。東京メトロの駅ではクレジットカードは使えず、現金のみの決済になります。
列車の始発駅である北千住駅の場合、きっぷを購入できる駅事務室が改札口の中にあるため、駅員さんに断って改札内に入れてもらってください。
2021年までは、北千住駅のルミネに小田急トラベルの営業所が入っていて、そこでもロマンスカーのきっぷを購入できたのですが、現在は閉鎖されてしまったのが残念です。
「メトロえのしま」号乗車時の様子
91号:北千住駅 8:34分 →(東京メトロ千代田線・小田急線経由)→ 片瀬江ノ島駅 10:12分
3月最終日曜日は一日中快晴で、日中は暖かくなって、大分人出が多くなった日でした。
朝一の北千住駅。発車20分ほど前に北千住駅に着いた時にはまだ静かなほうでした。

まだまだ発車時刻に時間があるので、しばらくホームで待機。普通列車の発車時刻には多くの乗客で混んでいました。まだ朝ということもあって、発車後には人が引いて、混み方はそれほどでもありませんでした。

列車へ乗車するドアはすべての車両で開くわけではなく、一部の号車のドアしか開きません。
メトロえのしま号は進行方向後方の4両(7-10号車)で、北千住駅では綾瀬駅方のほうで列車を待ち合わせました。7・8号車と9・10号車で乗り場が2か所になります。

8:30分に先発の普通列車が発車してから、ホームの発車表示板の先発列車が「メトロはこね号・メトロえのしま号」に。いよいよロマンスカーの車両を待つ状態になりました。

8:31分に列車が入線。小田急ロマンスカーのMSE(60000系)の車両が10両編成で入線した内、前方6両が「メトロはこね」号の箱根湯本行き、後方4両が「メトロえのしま」号の片瀬江ノ島行きです。

9・10号車へは、9号車から乗車。

メトロえのしま91号の表示が目新しいです。

片瀬江ノ島行きの表示を千代田線内でみるのは、まだ新鮮です。

北千住駅からメトロえのしま号に乗車する人は数えるほどで、車内はほとんど乗客がいなかったです。片瀬江ノ島行きがまだ浸透していないので、当然の結果だと思います。車内販売はなくて、飲み物の自動販売機が車内にあるだけです。
車内は木目調のシックなデザインで、筆者個人的には好みです。

北千住駅を定刻通りに発車してから停車したのは、途中大手町駅、霞ヶ関駅、表参道駅(乗車のみ)。途中で普通列車を追い抜くこともなく、9:10分頃に代々木上原駅(東京都渋谷区)に到着。運転停車で乗務員だけが乗り降りして、すぐに小田急線内に進入しました。
出来立ての複々線の線路を走って、すぐに成城学園前駅(東京都世田谷区)に到着。小田急線内に入ってから乗車する客が多く、千代田線内では空いていた車内の座席が少しづつ埋まってきました。
次に停車する相模大野駅で、メトロはこね号から離れて、江ノ島線に進入。相模大野駅(相模原市南区)からも結構な乗客が乗ってきて、結局座席がかなり埋まりました。
江ノ島線に入ってから20分足らずで、藤沢駅に到着。進行方向が変わって、格好いいほうの車端が先頭車になったのでgood。

藤沢駅を発車してからわずか6分で。終点の片瀬江ノ島駅に定刻に到着。大勢の乗客が江ノ島に向かっていきました。

日中、江ノ島界隈で遊んだとして、夕方には北千住駅に向かうメトロえのしま90号が設定されているので、時間が合えば利用できるかと思います。
メトロえのしま号に併結される箱根湯本駅行きのメトロはこね号については、本記事と合わせて次の記事もご一読ください。
行先変更で購入した車内特急券(補充券)
車内で特急券を購入した場合の流れがどのようになるかを今回知るために、特急券を途中までしか購入しませんでした。そのような目的なので、まずは、ご容赦いただきたいと思います。
特急券を購入しないで乗車してしまった場合、東京メトロ千代田線内から乗車した場合は本来の特急料金にプラスして450円が加算される上、座席を指定してもらえないので、混んでいる時はかなりリスキーです。
そんなわけで、特急券を車内で購入するのは非常手段として、基本は避けたほうが良いと思います。
今回限りで、乗り越しとして特急券を別に購入する格好になりましたが、この日は満席ではなかったので、座席を指定してもらえました。
ただし、乗り越した場合の特急料金は差額精算ではなく、乗り越した区間の料金を別途支払う形になります(乗り越しの場合は、車内加算は適用されません)。

小田急線内に入ってから発行してもらった車内特急券の裏面を見ると、今述べた特急券のルールがよく分かります。千代田線内で乗り越しを申し出たのですが、小田急線に入ってからの対応になりました。東京メトロの車内補充券は存在しますが、実際に目にすることは、なかなかないかもしれません。
特急券を持たない場合は車内料金の加算(無急)、乗り越しの場合は別途購入(別途)のルールが記載されています。個人的には、このような流れだと何かと面倒に感じます。特急券は、あらかじめ乗車区間の分を買っておきたいと思います。
参考資料 References
● ロマンスカー予約ウェブサイト「e-Romanscar」
● 小田急電鉄 ロマンスカー
改訂履歴 Revision History
2018年3月31日:初稿
2022年3月25日:初稿 再構成・加筆
2022年5月18日:初稿 修正
2022年6月22日:初稿 修正
2022年10月05日:初稿 修正
2023年01月18日:初稿 修正
2023年02月13日:初稿 修正
2023年07月03日:初稿 修正
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