「タッチでGo!新幹線」交通系ICカードで新幹線乗車【概要・利用方法:2023年版】

新幹線自動改札機 デジタル鉄(ネット)

交通系ICカードや「モバイルSuica」などのスマートフォンで、JR東日本管内の新幹線に手軽にチケットレス乗車できる「タッチでGo!新幹線」乗車サービス。

「タッチでGo!新幹線」は、2018年4月に東北・上越・北陸新幹線の首都圏内の一部区間に導入されました。その後、2022年3月には、山形・秋田新幹線を含めたJR東日本エリアの新幹線全線に利用エリアが拡大されました。

乗車できるのが新幹線の普通車自由席に限られますが、ネット予約「えきねっと」いらず、クレジットカードいらずで利用できるのが、この乗車サービスの最たる特長です。

「タッチでGo!新幹線」を利用する際の料金の仕組みですが、先に運賃チャージをしておき、乗車する時に残高が引き落とされる形です。

従前、モバイルSuica会員にしか開放されていなかった新幹線のチケットレス乗車サービスが、それ以外の人にも広く普及するきっかけになったのが、この「タッチでGo!新幹線」です。

事前の購入操作なしにサクッと自動改札を通れるのが「タッチでGo!新幹線」です。「新幹線eチケット」とは、似たようで全く違うサービスです。

この記事では、最初に「タッチでGo!新幹線」乗車サービスの概要や特長を説明します。そして、サービスの利用登録方法や実際の利用方法を、筆者の体験をもとに掘り下げます。

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「タッチでGo!新幹線」乗車サービスの概要・特長

「タッチでGo!新幹線」は、JR東日本エリアを走る新幹線の普通車自由席に、紙のきっぷを準備することなく交通系ICカードなどを使用してチケットレスで乗車できる乗車サービスです。

サービスの特長~メリット・デメリット~

以下の特長があることから、利用可能対象者が限定されず、誰でも利用できる点がこのサービスの大きな利点です。メリットがある反面、デメリットもいくつかあります。

● ネット環境が不要

このサービスの最たる特長は、事前のネット購入が不要で、サクッと自動改札を通って新幹線に乗車できる点に尽きます。

東海道・山陽・九州新幹線における「スマートEX」やえきねっとの「新幹線eチケット」では、普通車自由席の利用であっても、ネット画面を見ながら事前の購入手続きが必要です。いざ乗りたくなった時の手軽さに欠ける点が、「タッチでGo!新幹線」で解決されています。

● クレジットカードが不要

モバイルSuicaへのチャージやオートチャージはクレジットカード決済という例外がありますが、基本的に交通系ICカードには現金でチャージします。

何らかの事情がありクレジットカードを所有しない人でも、このサービスを利用できます。

● JRE POINTが付与される

JR東日本のポイントサービスである「JRE POINT」のポイントが、利用金額に応じて一定分付与されます。

えきねっとの「新幹線eチケット」で購入した場合、ポイントが付与されません。一方、「タッチでGo!新幹線」でポイントが付与されるのは、大きな特長です。

● 指定席・グリーン車を利用できない

このサービスは、普通車自由席専用です。普通車指定席やグリーン車、グランクラスを利用する場合、「えきねっと」などのネット予約を利用するか、駅できっぷを購入する必要があります。

● 領収書が発行されない

在来線をチャージ残額で乗車する(SF乗車)のと同様、乗車するごとの利用明細や領収書は発行されません。後述する通り、交通系ICカードの利用明細で確認するようになります。

領収書が必要な場合は「タッチでGo!新幹線」を利用せず、えきねっと「新幹線eチケット」や紙のきっぷを利用します。

サービスを利用できる区間

2022年3月12日に、JR東日本管内の全区間でサービスを利用できるようになりました。具体的には下図の範囲ですが、いくつか注意点があります。

タッチでゴー新幹線系統図

● JR東日本管内の区間に限られる

JR北海道が運営する北海道新幹線の全区間、JR西日本が運営する北陸新幹線の一部区間(上越妙高駅以西の各駅)はJR東日本エリアではないため、「タッチでGo!新幹線」が展開されていません。

当該区間をまたがって乗車する場合、えきねっとの「新幹線eチケット」を利用するか、駅の窓口や指定席券売機であらかじめ紙のきっぷを買っておく必要があります。

● 料金が設定されている区間のみ乗車可能

JR東日本管内で完結する乗車であっても、「タッチでGo!新幹線」のサービスを利用できるのは、料金が設定された区間に限られます。例えば、東北新幹線の全区間を通しで乗車するといったことはできません。具体的には、

> 盛岡駅をまたいで通し乗車できない(東北新幹線盛岡駅以北で完結、秋田新幹線内で完結)

> 福島駅をまたいで通し乗車できない(山形新幹線内で完結)

> 大宮駅、高崎駅、越後湯沢駅で乗り換える場合、いったん改札を出る

という制限があります。

自由席車両がない東北新幹線盛岡駅以北の区間完結、秋田新幹線の区間、山形新幹線の区間完結で乗車する場合、普通車の空いている座席に座ることができます。

(参考)2018年サービス開始時の利用区間

JR東日本販売パンフレットより引用

東北新幹線:東京駅―那須塩原駅

上越新幹線・北陸新幹線:東京駅―上毛高原駅・安中榛名駅

サービスのローンチ時には、福島県以北・新潟県・長野県内の駅にまでサービスエリアが広がっていませんでした。2022年にエリアが拡大してから、完成したサービスになったと言えるでしょう。

「タッチでGo!新幹線」の料金

普通車自由席に乗車する場合の値段は、紙のきっぷの料金や「新幹線eチケット」自由席の料金と同額です。自由席がない一部区間の値段は、乗車券+新幹線特定特急券の合計(=通常期普通車指定席の料金-530円+乗車券)です。

各区間の値段は、「タッチでGo!新幹線」公式ウェブサイトを参照してください。

乗車前に用意するもの

Suicaとタッチでゴー新幹線利用開始登録票

● 交通系ICカード

小児料金を適用する場合、小児用ICカードを用意する必要があります(さもないと大人料金が引き落とされる)。

交通系ICカードのチャージ額上限が2万円なのに対して、乗車料金が高額です。乗車前に十分な金額をチャージするか、オートチャージをうまく活用しましょう(ビューカードのみ可)。

● スマートフォン(iPhone/Android)

「モバイルSuica」もしくは「Apple PayのSuica」を利用できるスマホを利用して、このサービスを利用できます。

交通系ICカードの紛失時・スマホの不具合時の扱い

交通系ICカードを紛失した場合やスマホの不具合が発生した場合には、自動改札を利用できません。その場合、実際に乗車した区間の無割引の運賃・料金を現金で支払うことになります。

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「タッチでGo!新幹線」初回利用登録の方法

「タッチでGo!新幹線」の利用を開始する前に、一回だけ利用開始登録を行います。交通系ICカードの場合は「駅」の券売機にて、モバイルSuicaの場合はスマホ上で操作します。

クレジットカード情報や個人情報を登録するものではなく、このサービスの規約や注意事項に同意するだけの手続きです。紙のきっぷよりも料金が高くつく場合の説明などがあるので、よく読んでから同意しましょう。

この規約を公式ページで閲覧できますが、ネット上では利用開始登録の手続きはできません。以下の操作の流れはネットに掲載されていますが、本記事でも、詳しい手順を振り返りたいと思います(駅に置いてあるパンフレットにも規約が書かれています)。

まず、駅にある券売機に向かいましょう。サービスのローンチ時には、黒い「多機能」券売機だけで手続きが可能でしたが、現在はいずれの券売機でも大丈夫です。

桃色のチャージ専用の券売機であれば、交通系ICカードだけではなく、スマホの手続きも可能です。

多機能券売機であれば、Suicaの購入と、利用開始手続きの両方を同じ券売機で行うことができます。

JR東日本多機能券売機

券売機では、最初に右下の緑色の「チャージ」を押します。

多機能券売機操作画面

次の画面では、一番右下のボタン、「タッチでGo!新幹線」を押します。

多機能券売機操作画面

すると、利用開始登録の画面に入るための最初の説明が表示されます。「新幹線自由席SF乗車サービス特約」が適用されることが表示されます。条件に同意できる場合には進むように案内されます。

多機能券売機操作画面

登録に進んだ場合、4画面にわたって説明が続きます。登録に2、3分時間がかかるので、券売機をふさぐような格好になります。

最初の画面では、このサービスの対象区間と、新幹線乗車の前後の在来線の運賃が通算されないことが表示されます。

多機能券売機操作画面

2番目の画面では、対象区間外の利用はできなくて、乗り越した場合には全区間を精算しなければならないことなどが表示されます(東北新幹線と上越・北陸新幹線を乗り換えなしで利用できない。例:宇都宮駅―大宮駅―高崎駅)。

多機能券売機操作画面

3番目の画面では、自動改札機での細かい操作方法が表示されます。他の乗車券類と併用する場合の操作は、その場で駅員に確認することをおススメします。

多機能券売機操作画面

紙のきっぷで新幹線に乗車する場合、必ず先に新幹線区間の紙のきっぷを自動改札機に入れ、その後に在来線乗車に利用した交通系ICカードをタッチします。順番が逆になると「タッチでGo!新幹線」を利用するとみなされます。

最後の画面が一番重要なのだが、利用する区間によっては、従来の紙のきっぷなどで乗車するほうが安くなる場合があることが表示されます。同意する場合には「利用開始登録を完了する」を押します。

多機能券売機操作画面

同意した場合、利用する交通系ICカードに「タッチでGo!新幹線」を利用する旨が書き込まれて、交通系ICカードが新幹線の自動改札機で利用可能になります。

多機能券売機操作画面

最後に、「利用開始登録票」が交通系ICカードとと一緒に出てきます。

タッチでゴー新幹線利用開始登録票
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実際に乗車!

サービスがローンチされたばかりの2018年4月、筆者も「タッチでGo!新幹線」をさっそく利用してみました。

新幹線の自動改札から入場しましたが、サービスが始まってばかりだからか、自動改札機の前には周知宣伝のためのスタッフが立っていて、ティッシュを配っていました。

高崎駅新幹線改札口

自動改札機では、紙のきっぷを入れる代わりに、交通系ICカードまたはスマホをかざします。

新幹線自動改札機

ちょうど、こんなイメージになるかと思います。タッチするだけで入場できるのは一見当たり前に思えますが、新幹線では斬新的です。

新幹線自動改札機

降りるときも、自動改札機に交通系ICカードをかざせば通ることができます。この時に料金が差し引かれます。

注意点として、領収書は「チャージ」に対しては発行されるものの、乗車する際には発行されないことを留意しましょう。経費精算のためのエビデンスになる利用明細は、降りた後に駅の券売機で受けとっておく必要があります。

ICカードご利用明細
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運賃・料金の比較も気になります。。。

交通系ICカード1枚で新幹線の自由席に乗車できる便利なサービス「タッチでGo!新幹線」。

実は、2020年3月の「新幹線eチケット」のローンチまで、紙のきっぷで利用するよりも料金がかなりおトクでした。現在は紙のきっぷと同額になってしまい、おトクな値段ではなくなってしまったのが残念です。

紙のきっぷとの運賃・料金の比較を別記事で深掘りしました。以下の別記事を参照してください。

参考資料 References

● 「タッチでGo!新幹線」公式ウェブサイト(JR東日本)2023.01閲覧

タッチでGo!新幹線:JR東日本
あなたのSuicaでかんたん乗車、JR東日本「タッチでGo!新幹線」のWEBサイトです。
タッチでGo!新幹線 利用開始登録にあたって:JR東日本
チケットレスで新幹線自由席に乗れる「タッチでGo!新幹線」は、ご利用にあたって「利用開始登録」が必要です。詳しいご利用方法とサービスエリアをご紹介します。

改訂履歴 Revision History

2018年4月07日:初稿

2020年3月15日:初稿 再構成

2023年01月19日:第2稿

2023年01月20日:第2稿 修正

2023年4月07日:第2稿 修正

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