2018年9月にインドネシアの首都、ジャカルタにある近郊鉄道網、コミューター鉄道の乗り鉄を2日間にわたり楽しんだ。
この記事では、その2日目にジャカルタから、その南50kmのところにあるボゴール(Bogor)まで往復した様子をまとめたい。
ボゴールには大きな植物園があって、日本とは違う植生が楽しめる。
初日の様子は、以下のリンクからどうぞ。
往路:ジャカルタコタ駅からボゴール駅に向かう
2日目の朝も、再びジャカルタコタ駅からボゴール駅行きの電車に乗車した。
ジャカルタコタ駅は中心部から北に離れているのだが、電車の始発駅なので、確実に座れるところがいいところである。

今度のボゴール行きの電車は10番線からの発車。ホームの高さが改良されていないホームで、なんと電車には階段で上がる構造である。東京メトロ有楽町線で使われていた7000系車両が入線してきた。

12両編成の電車の最前部の車両と最後部の車両それぞれ1両は、女性専用車両である。
ピンク色の配色も日本の女性専用車両と同じなのだが、ジャカルタでの女性は一般の車両にもどんどん入ってくる。物事が緩いインドネシアの中にあって、この女性専用車両や区画に男性が入り込もうとすると、その視線が厳しかったのが印象的だった。

駅のホームに高さがなく、電車までステップで登るというのも、ここで初めて目にした。

この車両の座席のモケットは日本のお下がりではなく、現地のデザインの独自なものに変えられていた。一般座席が青、優先席が赤というほうが分かりやすいかと思う。

7000系の貫通部にはドアがなく、車両が連続しているように見えるのが独自のデザインである。

ドアのデザインも7000系そのままで、東京で地下鉄に乗っているのかと錯覚させられる。

ジャカルタコタ駅から、長距離列車が発着するガンビール駅(Gambir)を通ってボゴール駅に向かうのだが、長距離列車の発車待ちなど前の列車が詰まっていての停車が多く、約50kmの行路に要した時間が2時間だった。
この日は金曜日の平日にもかかわらず電車が混雑していて、なぜかジャカルタ都心の逆に進む電車の終点に向かうほど混んできたのが理解に苦しんだ。
途中のマンガライ駅では線路の高架化工事が始まっているのだが、電車のドアの外が階段になっていてびっくり。

終点のボゴール駅でも、写真の通りドアから降りられない箇所があるのに驚いた。

終点のボゴール駅では、恐ろしい数の乗客が電車を降りていて、人の流れが嵐のようだった。
復路:ボゴール駅からマンガライ駅まで戻る
コミューター電車の終点、ボゴール(Bogor)も、ジャカルタ自治州から抜けた西ジャワ州のにぎやかなローカルな街である。
ボゴールにある植物園を楽しんでから、同じ電車でジャカルタまで戻った。
駅の入口である駅舎は簡素なものだが、駅の構内はオープンで広い駅で、写真の撮影には適した場所である。

駅名の表示が非常にのどかである。

1番線と2番線には、205系と7000系が並んで止まっていて、力強い眺めである。

実際に乗車したのが、ジャカルタコタ駅行きの205系の電車である。

行先表示幕がそのまま生きていて、Jakarta Kotaと、オレンジ色の背景に黒い文字で表示されていた。

モハ205-275の車両番号のうち、「モハ」の部分だけはがされていて、数字の部分はしっかりと生きていた。

車両は、6両編成の2連での12両編成であるが、その連結部である。

車内のモケットも新品で、清掃状態も至って清潔である。

昼下がりの電車は静かに発車して、始発駅では非常に空いていてのどかな雰囲気だった。
ジャカルタから47.8kmのキロポストの地点にて。宅地化が進んでいるが、眺めはのどかだった。

ボゴール駅から約1時間走って、大きな乗換駅であるマンガライ駅(Manggarai)に着いた
マンガライ駅でまったり
マンガライ駅は4線が交差する大きな乗換駅で、車両基地も地図上では存在するのだが、高架線が邪魔をして見えなかった。
そんな駅が撮り鉄に適した駅なので、しばしの間駅に滞在して、電車を眺めていた。
コミューター電車の現在の車両ラインアップだが、大多数の車両が東京メトロの6000,7000系、もしくはJRの205系に置き換わっている。東急の8500系や東京メトロの05系も見かけたが少数派で、2日間の滞在で乗れることはなかった。

高架化工事が始まったばかりというところで、まだ古いたたずまいを残している。ホームを地平で渡るのがのどかな光景である。電車が近づく時には、セキュリティの係員が制止するので大丈夫である。

電車が来ない時には、電車に乗るためのステップに座り込んで休んでいる人たちが多い。

205系電車が地平ホームに入線する様子。地味だが、何気にいい写真を撮ることができる。

電車への乗降シーン。乗客がステップを駆け下りている。

参考資料 References
● 鉄道運営会社のオフィシャルページ(インドネシア語)
改訂履歴 Revision History
2018年10月09日:初稿
2022年9月28日:初稿 修正
2023年4月01日:初稿 修正
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