インドネシア鉄道の旅「Taksaka」号でジョグジャカルタへ【2018年版】

タクサカ号ガンビール駅にて 海外

2018年9月のインドネシアへの乗り鉄旅行の中で、首都のジャカルタからジャワ島東部の古都、ジョグジャカルタまで移動する旅程を立てた。移動はやはり鉄道でしょうということで、列車での移動を愉しんだ。

本稿では、ジャカルタ発ジョグジャカルタ行きの昼行列車、「Taksaka」52号のきっぷを購入するところから、実際に乗車した時の体験を綴っていきたい。

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きっぷの予約購入:インターネット上で即完了!

インドネシアの鉄道会社、Kereta Api社が運行する優等列車のきっぷは、日本以上にオンライン化が進んでいる。インドネシアの国外からでも、ネット上で簡単に予約購入することができる。

最初にトライしたのが、同社の公式ホームページ。

インドネシア語だけのページなので、解読にはGoogle翻訳必携のページである。きっぷ購入の画面もあって、ユーザー登録をしなくても決済画面に進めるのだが、決済がインドネシア国内発行のクレジットカードまたはコンビニ支払いでないとダメなようで、国外からの利用は実質的にできない。

そこで、旅行者が使いやすそうな他のサイトを探して見つけたのが、Traveloka社のサイト。飛行機やホテルだけではなく、インドネシア国内の鉄道のきっぷを英語画面で予約購入できる優れものだ。

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このサイトで列車を検索して、予約購入を実際に行うことができた。インドネシアでは列車のきっぷを購入して、駅の構内に入場する際に、パスポートなどのIDの提示を求められるのだが、そのIDの番号を予約購入時にも入力する必要があるので、パスポートを手元に用意しておこう。

予約購入が無事完了すると、きっぷであるE-Ticketと、領収書であるインボイスがPDFで表示される。
航空会社の予約システムをそのまま鉄道でも使用しているので、JRの列車に乗車するというよりは、飛行機に搭乗する感覚に近い。

タクサカ号イーチケット

E-Ticketを見てみると、自分の氏名とパスポート番号が表示されて、その右側には自動で指定された席番が表示されている。1人で予約したにもかかわらず、窓側ではなく通路側で指定されるのが不思議だった。
ちなみに、現地の人たちは、紙のE-Ticketではなく、アプリのQRコードを利用していた。鉄道の発券形態では、日本はまだ遅れている。

タクサカ号イーチケット

きっぷの料金は一定ではなく、飛行機のように変動するのだが、間際の予約だったので安い料金が売り切れていて、高めの350,000ルピア(約2,700円)で購入した。

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いざジャカルタ Gambir駅へ!

ガンビール駅駅名標

朝7時ちょうどにホテルを出て、約10分で長距離列車が出発するGambir駅へ。モナス(独立記念塔)が近い駅である。

駅に着いたら、列車に乗車する多くの人たちであふれていた。

改札口に入る前に、事前に予約購入したデータをもとに、チェックイン機でチェックインを行って、ボーディングパスを受け取る。

6文字の予約番号(Booking Code)を端末に入力すると、すぐにボーディングパスが出力されてきた。

ガンビール駅

これが、実物のボーディングパスである。日本式の鉄道きっぷというよりは、飛行機の搭乗券に近いイメージだ。

タクサカ号ボーディングパス

このGambir駅の構内が手狭で、込み合っているのだが、時間をつぶせるファーストフード店がたくさん入っているので、快適に過ごすことができる。出発30分前に改札口に中に入った。今さっき出力したボーディングパスとパスポートを見せて、中に入場。

ガンビール駅

駅は簡素な作りで、LEDの案内表示も一切なくて、何番線のホームに上がればいいのか、さっぱりわからない。まあ、この駅の場合は、多くは3番線か4番線のどちらかであるが。。。

ガンビール駅
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先発列車「Argo Dwipangga」号を見送る

ガンビール駅に入線する列車

ジャワ島東部、ソロ行きの優等列車、Argo Dwipangga号が8時ちょうどに出発するのだが、出発が遅れているようで、筆者がちょうどホームに上がって少しした頃に、ホームに入線してきた。この列車かなと思ったのだが、実際に乗車する1本前の列車だと教えてもらえた。

駅のホームに案内や掲示がないので、列車のサボに表示されている列車名を確認するしかないのだが、すべての車両についているわけではないのが厄介である。

長距離列車のサボ

多くの旅行者が乗車するだろうと思われる1等車。インドネシア語で、「Eksekutif」と呼ばれる。

インドネシア長距離列車1等車
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そして「Taksaka」52号に乗車!

52レ:Jakarta Gambir 08:30 → Yogyakarta 16:25

この列車の時刻表は、下図の通りである。

列車スケジュール

ジャカルタからジョグジャカルタまでの距離は約510kmで、約8時間かけて走る。

ちょうど、東京駅から京都駅までを新幹線ではなく、在来線の客車列車で東海道本線をひた走って向かうようなイメージである。

ジャカルタからノンストップでジョグジャカルタまで向かうわけではなく、途中の主要な街の駅に停まりながらジョグジャカルタまで走る。

ジャカルタGambir駅の3番線ホームに、8:30分の定刻ちょうどに列車が入線してきた。写真を撮る間もなく、乗客が乗り終わったらすぐに列車は発車した。

タクサカ号入線

機関車はディーゼル機関車で、その直後に電源車が連結されていた。

タクサカ号電源車

その後ろの車両が1号車で、番号が上がるにつれて後ろの号車になる。列車側方のサボには、Taksasaと列車名が明記されていた。

タクサカ号行先表示板

列車の車内の様子だが、1等車のEksekutifは、在来線のグリーン車のような感じである。色遣いが明るいので質感に欠けるのだが、シートピッチと料金を考えると、グリーン車相当かと思う。

この日の1号車は、ほぼ満席だったが、幸い筆者の隣には人が座ることはなくて、一人で2席使うことができた。

タクサカ号1等車車内

座席の色遣いは、カエルのような淡い色である。枕付きである。

タクサカ号1等車車内

窓枠にはモバイル電源が取れるコンセントがあったのだが、コンセントの形状が違うので、使うことができなかった。フットレスト付きである。

タクサカ号1等車車内

車内でランチをいただく

タクサカ号からの車窓

Gambir駅を5分遅れで出発した列車だが、順調に走って、郊外に出ると、写真のような素敵な水田が姿を現すようになった。

最初の停車駅、Cirebon駅までは、約3時間海岸沿いの平野部をひた走る。ずっと複線の快適な線路上を高速度で走った。

そのCirebon駅を出発する頃にお昼を迎える。何しろ、8時間の日中の道中なので、途中でランチをとることになるのだが、車内販売に期待してみることにした。

前から4両目の4号車には、カフェテリアカーが連結されていて、買った食事を席に座って取れるようになっているのだが、筆者は席まで持ち帰っていただいた。

タクサカ号カフェテリア

車内販売メニューの表面。ナシゴレン弁当が33,000ルピアと、大変おいしそうである。

タクサカ号カフェテリアメニュー

中面には、他のメニューもいろいろとあるようである。

タクサカ号カフェテリアメニュー

筆者が買ってみたのは、ベタであるが、ナシゴレン弁当。実際は、地味な弁当箱に入った食事である。

ナシゴレン弁当

ごはんの味はまあ普通だったのだが、チキンの味付けは抜群においしかった。

ナシゴレン弁当

変化に富んだ車窓を眺めながら、終点のジョグジャカルタまで

Cirebon駅を過ぎると、次に停車するPurwokerto駅までの約2時間、山間の峠越えの区間に入る。線路は依然複線だが、今までよりは列車の速度が落ちて、走るのがゆっくり目になった。

峠越えの頃の山村の風景。

タクサカ号からの車窓

Purwokerto駅を過ぎると、線路が単線になって、ひなびた感が出てくる。その分、農村風景が濃くて、美しい。

タクサカ号からの車窓

橋を渡るときの風景がよくて撮った写真。

タクサカ号からの車窓

そして、列車は定刻にジョグジャカルタ駅に到着した。

海外での本格的な乗り鉄だったが、思ったよりも風情があって楽しめた。

飛行機では1時間少しの距離だが、鉄道の旅もいかがだろうか。

参考資料 References

● Traveloka社のウェブサイト:Taksaka号の予約ページ(英語)

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改訂履歴 Revision History

2018年10月16日:初稿

2022年9月28日:初稿 修正

2023年01月25日:初稿 修正

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