東京と静岡県の伊豆半島を結ぶ特急列車「スーパービュー踊り子」号の運行が、2020年3月13日で静かに終わりました。
「スーパービュー踊り子」号は、185系電車で運行される普通の「踊り子」号よりもグレードが高い観光特急列車の元祖として、1990年から30年間にわたって運行を続けた列車です。
列車の運行が終了となる1週間前の2020年3月上旬に、「スーパービュー踊り子」号のグリーン車と普通車の両方に乗車する機会に恵まれました。
この記事では、「スーパービュー踊り子」号の乗り納め体験を綴りたいと思います。
「スーパービュー踊り子」7号【グリーン車】
伊豆半島に向かう行きの列車として、「スーパービュー踊り子」7号のグリーン車に東京駅から伊東駅まで乗車しました。
「スーパービュー踊り子」号の料金は、一般の「踊り子」号に適用されるB特急料金ではなく、A特急料金で、料金が割高です。
グレードの高い251系電車で運行される列車のためです。また、列車にアテンダントさんが数名乗務していることからも、それが分かります(廃止寸前の車両なので、塗装がくたびれていました)。
以下に写真を掲載した通り、グリーン車ではアテンダントさんによるおしぼりとドリンクのサービスがあります。一般の列車のグリーン車に比べて、サービスのグレードが一回り高いです。
料金の金額自体は張るのですが、それなりにいい乗車体験ができました。「スーパービュー踊り子」号については、グリーン車に乗車する価値があるのかなと思いました。

東京駅の9番線のホームには12:30分に到着。
運行終了1週間前ということもあって、この列車目当ての人が多いという気がしました。

駅ホームの行先表示板にも、「スーパービュー踊り子7号」の表示が。

行きの列車、「スーパービュー踊り子」7号の入線を待ちました。12:40分を過ぎて列車が入線し、車内清掃の終了を待ちました。
251系電車の先頭部は流線形で、運転席の背後には展望席があります。

1号車の車体外部には、スーパービュー踊り子号のエンブレムがあって、この列車の特別感が出ています。

2号車の車両外部の眺め。
1階がグリーン個室で、2階が一般のグリーン席というダブルデッカーの車両です。

列車の行先表示。
「スーパービュー踊り子」伊豆急下田駅行きの表示がもうすぐ見られなくなることから、多くの人が撮影しに来ていました。

スーパービュー踊り子号の乗車口は各号車にあるわけではなく、5か所に集約されています。そこに立つアテンダントさんに特急券を見せて、車内に入るという形でした。
グリーン車は、1号車と2号車の乗り場が1か所だけでした。乗客全員そこから乗車することから、乗降性の効率が悪いという印象を持ちました。

車内清掃が完了し、13:00分の定刻の数分前に、2号車の乗車口から車内へ。
入ったところにあるミニカウンターは、現在利用されていない様子でした。カウンターの上にあるブランケットを使ってよいかどうか分からなかったので、結局手に取りませんでした。

ダブルデッカーの車両でしたが、一般のグリーン座席は2階なので、階段を上って2階へ。

グリーン車の座席は横に1+2席の3席で、空間的に余裕のある配置になっています。ダブルデッカーの車両なので、座席の上に荷物を収納するスペースがないのが課題でしたね。

2号車は、海側が一人掛け、山側が二人掛けの座席です。
乗車した日は普通車がとても空いていたのに対して、グリーン車だけは満席でした。

1号車の階下部分にあるサロン室を見学してみました。
階段の上は一般のグリーン座席で、サロン室には階段を下っていきます。

カウンターと5,6人が座れる程度のミニサロンスペースで、アテンダントさんがドリンクサービスをするための基地になっていたようです。

そして、東京駅を定刻に発車して、伊豆半島に向けて出発。
JR線内は途中、横浜駅と熱海駅だけに停車して伊東駅までひた走り、伊豆急行線に入っていきます。
列車が出発してからしばらくして、アテンダントさんがドリンクのメニューを持って各席を回ってきました。実は、筆者はグリーン車にドリンクサービスがあることを知らなかったので、このサービスに感激した次第です。

温かいドリンクとしてコーヒー、紅茶、緑茶と、冷たいドリンクとしてオレンジジュースとウーロン茶が提供されていましたが、筆者はホットコーヒーをいただきました。同時に提供されたおしぼりが、「スーパービュー踊り子」号オリジナルのものでした。

「スーパービュー踊り子」8号【普通車指定席】
伊東駅から東京駅への帰りには、同じスーパービュー踊り子号の普通車を利用しました。
普通車に乗車するのに必要な料金は、A特急料金です。

伊東駅の改札口から階段をくぐって3番線ホームに向かいました。

伊東駅3番線ホームにある行先表示板には、「スーパービュー踊り子」8号の表示が。

乗り場の位置を示すホーム上の表示がカラフルですが、あと1週間で見られなくなる代物でした。

定刻の数分前に、伊豆急行線内から伊東駅のホームに列車が入線。

車両側面の行先表示。「スーパービュー踊り子」東京駅行きの表示も、もうすぐ見られなくなるものでした。

普通車の座席のモケットは号車によって青系か赤系に分かれますが、乗車した6号車は赤いモケットでした。
伊東駅から東京駅までは途中、熱海駅、横浜駅、品川駅に停車。ちょうど外出自粛があった時期で、列車がとても空いていました。この日も、6号車の座席は海側の座席が埋まっていて、山側の座席は全く埋まらなかったという状況でした。

二人掛けの座席。普通車はグリーン車と違って、座席の上に荷物の収納スペースがあって、足元すっきりで乗車できました。

5号車の車端部にはミニカウンターがあって、グッズやドリンクを買えるようでした。

改訂履歴 Revision History
2020年3月15日:初稿
2022年8月10日:初稿 再構成
2023年02月03日:初稿 修正
2023年4月01日:初稿 修正
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