特急「ひたち号」仙台駅→品川駅 完乗体験【2020年版:常磐線全線復旧】

特急ひたち号仙台駅にて 関東・甲信越

常磐線の富岡駅-浪江駅間が、2011年3月にあった東日本大震災以降、不通になっていました。そして、大震災から9年経った2020年3月に、その区間を含む常磐線全線の運行が再開しました。これで、東京都内から仙台市まで、常磐線を通しで乗車することができるようになりました。

常磐線の運行が全線で復旧してから4日目の、2020年3月17日。筆者は、仙台駅から東京の品川駅まで特急列車の「ひたち」26号に乗車して、常磐線の全区間を完乗しました。

東北新幹線以外にも仙台に行く方法があるんですね。

東北新幹線が不通になった時に、代替経路として活躍したことがあります。

この記事では、特急「ひたち」号の概要(ダイヤ、運賃・料金)と、2020年に常磐線が全通した時点で、全区間を完乗した体験をレポートしたいと思います。

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特急「ひたち」号のダイヤおよび運賃・料金【2022年更新】

特急ひたち号販売パンフレット
特急ひたち号のイメージ画像(JR東日本の販売パンフレットより)

東京・品川駅から仙台駅までの区間を結ぶ常磐線特急「ひたち」号。2022年3月改正のダイヤでは、1日に3往復運行されています。3往復とも、品川駅と仙台駅を発着しています。全線で373.9kmの区間を走るのは、東京都心部を発着する在来線特急列車としては、最長です。

最後まで不通だった区間の富岡駅-浪江駅の間では、大野駅と双葉駅にも停車します。

常磐線特急のひたち号は全車指定席です。乗車するには、あらかじめ乗車券と指定席特急券を購入しておく必要があります(事前料金適用)。

希望の列車が満席、あるいは乗車する列車が決まっていない、といった事情がある場合には、「座席未指定券」を購入して乗車し、赤いランプのついた座席に座ることもできます。

ただし、座席指定された特急券を持つ人が現れたら席を譲る必要があるのが煩わしいと思います。

また、特急券を購入しないまま乗車して、車内で購入する場合もあろうかと思います。その場合、駅で事前に買うよりも料金が260円高くなります(車内料金適用)。

乗車前日までに乗車する列車が決まった場合は、乗車券と特急券がセットになったネット限定割引「えきねっとトクだ値」を利用することも可能です。

乗車券部分は「特定都区市内制度」が適用になって、乗車距離に応じて「東京都区内」「東京山手線内」「仙台市内」のいずれかが乗車券部分の発駅・着駅になります。

余談ですが、「新幹線eチケット」の場合「特定都区市内制度」が適用されないのに対し、在来線の特急「ひたち」号には特定都区市内制度が残存しています。

「えきねっとチケットレスサービス」で特急券だけ購入し、乗車券(紙のきっぷ)を別に用意して乗車することもできます。チケットレス特急券版の「えきねっとトクだ値」も登場し、出発時刻まで購入できますチケットレスで乗車する場合、特急料金が実質35%引きです。

常磐線特急を利用するためのきっぷの買い方や乗車システムについて、別の記事に詳細をまとめました。以下の記事(↓)も参照してください。

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特急ひたち26号に実乗!(仙台駅→品川駅)

特急「ひたち」26号は、仙台駅から東京の品川駅、373.9kmの区間を約4時間40分で走行する列車です。

26M:仙台駅 16:11分 →(常磐線・上野東京ライン経由)→ 品川駅 20:52分

※ 2020年3月時点の発着時刻。現在もほぼ同じダイヤです。

筆者は、10%割引の「えきねっとトクだ値」料金で、同区間を乗車しました。2020年3月乗車日時点での料金は8,350円で、東北新幹線の運賃・料金よりはいくらかお手頃でした。

仙台市内から東京都区内ゆきトクだ値

仙台駅に着いたのは、列車の発車時刻前の15:40分頃でした。

お土産の「萩の月」や車内で食べる夕食の弁当を、乗車する前に買いました。ひたち26号の車内販売が入るのが途中のいわき駅からで、18時過ぎまでは食料にありつくことができません。仙台駅の改札口を入る前に買っておくことをおススメします。

仙台駅西口

仙台駅では、新幹線の改札口ではなく、在来線の改札口を入りました。

東京に向かうのに在来線、とは不思議な感じでした。改札口にある発車案内表示に「品川」という表示があるのが、ある意味新鮮です。

仙台駅常磐線発車案内表示

「ひたち」号が発車する6番線ホームに降りる階段に、「つながる常磐線」ひたち号の乗り入れをアピールする、きれいなラッピングがありました。E657系車両の、きれいな写真です。

仙台駅コンコース

仙台駅の6番線ホームに降り立ったのが、列車の発車時刻の約20分前。

仙台駅の在来線ホームは、基本近郊列車だけの発着で、ローカル感があります。

仙台駅駅名標

発車20分前にホームに降りた時点で、これから乗車する列車の車両は入線していました。ドアがまだ開いていなかったので、それまでしばらくホーム上で待機しました。

仙台駅6番線ホーム
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特急ひたち号の車両E657系

列車に乗車するまでの時間に、車両の写真を撮影しました。

列車の先頭部。普段常磐線にはよく乗車しますが、特急列車に乗車することはまずないです。この車両には新鮮味というか、特別感があります。

特急ひたち号仙台駅にて

乗車位置を示すホーム上の表示がカラフルで、ビビッドです。

特急ひたち号乗車位置案内

これから乗車する4号車の車体外部。車両がまだ新しく、塗装がツヤツヤで、周囲のものがよく映りこみます。

特急ひたち号

4号車の列車表示板。

仙台駅で「品川」駅行きの表示を見れる体験が新鮮です。

特急ひたち号行先表示板

発車約10分前にドアが開き、いざ乗車。E657系の車両が新しくて、車両内部も明るいです。

特急ひたち号車内

実際に座った座席。アームレストの部分に電源コンセントがあります。自分で充電器を持参すると、電源を取ってスマホなどの充電ができます。

特急ひたち号車内
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常磐線特急(ひたち・ときわ号)の座席システム

「ひたち」号を含んだ常磐線特急は全席指定席で、自由席がありません。そのため、指定席特急券を事前に購入しないと、基本的には乗車できません。

事前に指定席を予約するシステムであるために、各座席の上に予約状況を示すランプがあります。その意味が、座席前のテーブルに表示されています。

特急ひたち号乗車案内

緑色の表示がある座席が予約されていて、誰かが座るところです。

赤色の表示がある座席が、空いているところです。

黄色の表示になると、その席はもうすぐ埋まるという意味です。

座席上のインジケーターを見ることで、どの席が空いているかが一目瞭然です。自分の隣の席が空いているかどうか、ランプを見ればわかるので、変な気を遣わないですみます。

仙台駅を発車した時点では、まだほとんどの席が赤色の表示で、空いていました。

特急ひたち号座席ランプ

列車が発車して、一路品川駅へ

仙台駅を16:11分に定刻で発車して、最初は東北本線を南下しました。岩沼駅には停車しない列車なので、走ったままで常磐線に入りました。

最初に停車したのが、福島県の相馬駅。仙台駅から乗車していたローカル利用の乗客がちらほらと下車していきました。仙台駅から品川駅まで通しで乗車していたと推測されたのは、4号車で数人でした。いつもより鉄道ファンが多い印象を受けました。

浪江駅に到着する前に、きれいな夕景を車窓から眺めることができました。

常磐線車窓の夕景

不通区間だった浪江駅に入ったのが、17時24分。常磐線全通を象徴する瞬間だったので、車内の表示を写真に記録しました。

特急ひたち号車内

最後の不通区間だった浪江駅から富岡駅の間では、双葉駅と大野駅に細かく停車。駅が再建されたのはよいのですが、駅前が当時帰還困難区域で、人気を感じなかったです。

双葉駅駅名標

富岡駅を発車した頃に日が暮れて、夜の常磐線を東京に向けてひた走りました。

いわき駅に着くまでの間がちょうど夕食をとるのにいい時間でした。仙台駅で買っておいた駅弁をいただきました。

いわき駅に着く直前に座席のインジケーターが何席か黄色に変わりました。いわき駅から乗客が結構乗ってくることが分かりました。

いわき駅から南は普通のビジネス特急列車で、複線の常磐線をひたすら南下していきました。日立駅から水戸駅の間でかなり多くの乗客が乗ってきて、空いていた席がかなり埋まりました。

常磐線特急は、JR東日本にとってドル箱なのかなと思った瞬間でした。

水戸駅から上野駅に着くまでは、途中の駅には停車せず、定刻で走りました。上野駅と東京駅で多くの乗客が下車して、その後終点の品川駅まで乗車していたのは数人でした。

品川駅駅名標

これまた余談ですが、東京駅で下車して1時間少し待ち合わせると「サンライズ瀬戸・出雲」号に乗り継ぐことができます。仙台駅から西日本までの長大な距離の乗り鉄を楽しめます。

改訂履歴 Revision History

2020年3月18日:初稿

2022年6月14日:初稿 再構成

2022年6月22日:初稿 修正

2023年02月03日:初稿 修正

2023年4月07日:初稿 修正

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