「新幹線eチケット」で変わったこと~利用のための準備・予約の手順~

こまち号はやぶさ号連結部分 デジタル鉄(ネット)

JR東日本管内の新幹線 (*) を乗車するのに、紙のきっぷを買うのではなく、スマホや交通系ICカードでチケットレス乗車できる「新幹線eチケット」というサービスが、2020年3月から始まりました。

従前から「モバイルSuica特急券」というチケットレスの乗車サービスがありました。そのサービスが終了し、新しい「新幹線eチケット」のサービスに切り替わりました。

筆者は早速「新幹線eチケット」サービスを利用して、新幹線に乗車しました。

この記事では、「新幹線eチケット」で変わったことを整理し、筆者が感じたメリット・デメリットを考察したいと思います。あわせて、交通系ICカードとして筆者が使用する「iPhone」を登録し、予約するための手順も、この記事に残したいと思います。

余談ですが、自由席が利用対象の「タッチでGo!新幹線」のサービスも、引き続き利用可能です。予約操作の手間なく、サクッと自由席に乗車できます。

指定席は「新幹線eチケット」自由席は「タッチでGo!新幹線」がおススメ

(*)東北・JR北海道の北海道・秋田・山形・上越・JR西日本を含む北陸新幹線

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「新幹線eチケット」で変わったこと(主なもの)

新幹線eチケット販売パンフレット
「新幹線eチケット」販売パンフレットより引用

● 交通系ICカード(Androidスマホ・iPhoneを含む)で乗車

手持ちの「交通系ICカード」またはスマホ(「モバイルSuica」:Androidスマホ/「Apple PayのSuica」:iPhone)があれば、新幹線の自動改札を出入りできるようになりました。紙のきっぷを受け取る必要がなくなりました。

● 指定席では、紙のきっぷより200円安いこと

指定席では、紙券よりも一律で200円安いです。また、チケットレスで1回乗車するごとに、JREポイントが発売額の「2%」相当分が付与されるようになりました。

自由席は紙券と同じ所定の運賃料金で、ポイントの付与がありません(「タッチでGo!新幹線」利用をおススメします)。自由席については、「新幹線eチケット」を利用するメリットはあまりありません。

● 「特定都区市内駅制度」の不適用(東京都区内・東京山手線内・仙台市内)

乗車キロ数に応じて適用された「特定都区市内駅制度」が適用されなくなりました

例えば、新宿駅から愛子駅(仙台市青葉区)まで利用する場合、この運賃料金には東京駅から仙台駅までの新幹線区間のみが含まれ、東京駅や仙台駅周辺の在来線の区間が含まれません。

この場合、新宿駅から東京駅、仙台駅から愛子駅といった在来線区間は、従来の紙のきっぷでは運賃に含まれたものが「新幹線eチケット」では含まれず、別に運賃がかかるようになりました

● 「モバイルSuica特急券」サービスの終了

お手頃な運賃料金であった「スーパーモバトク」や「モバトク」が廃止されました。その代わり「えきねっとトクだ値」を利用できますが、当該料金の設定区間は限定されます。

● 「えきねっとトクだ値」料金の利用条件の変更

上述したとおり、新幹線については「特定都区市内駅制度」が適用されなくなりました。在来線特急列車が対象の紙のきっぷでは、「えきねっとトクだ値」料金でも「特定都区市内駅制度」が適用されています。

しかし、「新幹線eチケット」は紙のきっぷでないため制度が適用されず、前後の在来線区間の運賃の別払いが必要です。その分、乗客にとっては条件が悪化したといえます。

【まとめ】

指定席で紙のきっぷより200円安い点、 特定都区市内駅制度が適用されないこと、ネット限定「えきねっとトクだ値」を利用できる点が、東海道・山陽新幹線の「スマートEX」サービスと類似しています。

各乗客の利用形態によって、便利になった場合、条件が悪化した場合の双方があろうかと推察します。

また、学割や障害者割引など、一部の割引では「新幹線eチケット」サービスを利用できず、従前の通り紙のきっぷを利用することになります。

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「新幹線eチケット」サービス利用に必要なもの

交通系ICカード (Androidスマホ・iPhoneを含む)

Suicaをはじめとする全国の主な交通系ICカード/モバイルSuica:Androidスマホ/Apple PayのSuica:iPhoneのいずれかが必要です。

クレジットカード

現在では「えきねっと」の決済手段が多様になったため、必ずしもクレジットカードがなければいけないわけではありません。ただし、決済を行うタイミングによっては、依然クレカが必要なことを留意した方がよいでしょう。

クレジットカードのブランドは、「ビューカード」に限らずオッケーです。現在は、クレカ決済以外にもコンビニ決済も可能です。

インターネット環境・電子メールアドレス

ネット予約「えきねっと」のサービスなので、大前提として、インターネット接続の環境を自分で用意する必要があります。

「新幹線eチケット」サービスなどチケットレス乗車する座席の予約には、スマホ上ではウェブブラウザの他、「えきねっと」アプリも利用可能です。

【まとめ】

「新幹線eチケット」サービスは、スマホ(交通系ICカード)の保有や、ネットの普及が前提です。アーリーアダプターではない中高年層やシニア層、福祉割引を利用する人にとってはリーチしにくいサービスだと思います。

決済手段として、クレジットカードが必要な場面が依然として残っています。極論ですが、鉄道会社が客を選ぶ側面があるような気がします。

新幹線の自由席に関しては、現金チャージで乗車できる「タッチでGo!新幹線」のサービスを引き続き利用できます。その場合、クレジットカードを保有していなくても、チケットレス乗車のサービスを利用できます。

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「新幹線eチケット」サービスの基本的な利用の流れ

(1) ネット上の「えきねっと」の会員登録および交通系ICカードの登録を行う

ネット予約サービスの「えきねっと」で予約するため、インターネット接続環境と自分の電子メールアドレス、交通系ICカード(スマホでもオッケー)が必要です。列車の予約に先立って利用する交通系ICカードを登録しておくと、スムーズに列車の予約ができます。

(2) 「えきねっと」にログインし、列車の予約・購入を済ませる

「えきねっと」の予約画面上で乗車する列車を選んで、事前に予約購入を行います。6人まで同時に予約できます、全員の交通系ICカード情報が必要なので、慣れるまでは煩雑です。

※ 乗車1か月7日前に列車の事前受付を行う場合、事前受付の結果が分かり、予約が成立した時点で交通系ICカードの情報を紐づけます。

(3) 登録したICカード・スマホを持参してそのまま新幹線の自動改札を通過する

予約購入したタイミング、および乗車寸前のタイミングで、座席番号が記載されたメールがスマホに送信されるので、その情報に基づいて乗車します。

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交通系ICカード(スマホ)の登録手順

列車に乗車するまでに、手持ちの交通系ICカードまたはスマホを登録する必要があります。

列車を予約する前に「えきねっと」上で登録しておくと、カードの紐づけがスムーズで便利である。もちろん、列車の予約を先に済ませてから、実際に乗車するまでに登録しても大丈夫です。

これから説明する内容は、「えきねっと」の会員登録を完了し、ログインしている状態が前提です。(以下の画面はPC・スマホ共通です)。

(1) 「えきねっと」上でマイページを表示します。そして「会員情報の確認・変更」に進んでから、「ICカード情報」をタップします。

以下「えきねっと」ウェブサイトより引用

メール認証を求められた場合、メールに送信されるワンタイムパスワードを入力します。

(2) 「新しいICカードを登録する」をタップします。この画面から、既存のICカード情報の編集や削除も可能です。

(3) ICカード番号、おとな・こどもの別、ICカードの登録名を入力します。登録名は何でもいいですが、半角英字を入力できないので、ご注意を。

Android用のモバイルSuicaの愛称として「モバイルSuicaちゃん」としてみました

(4) 入力した内容を確認して「登録・変更」をタップします。

(5) これでICカードの登録が完了。正しく登録できたか確認しましょう。

指定席の新規予約購入の手順

ここでは、新幹線普通車指定席の「えきねっとトクだ値」料金で、新規の予約購入を行う手順を説明します。

(1) 乗車する列車を選択します。予約購入したい設備・料金種別を選択します。きっぷの種類は「新幹線eチケット」が選択されていることを確認します。

トクだ値料金は、新幹線eチケットのみで表示される

(2) 合計の運賃料金の金額が表示されるので、確認した上で予約を確定します。

(3) 引き続き、乗車時に使用する交通系ICカードを登録します。

(4) あらかじめ登録したICカードを選択します。自分でつけた愛称名で選択が可能です。

(5) 予約の確認を行うと、以下の画面が表示されます。領収書が必要な場合は、この画面から表示します。この画面からも、ICカード情報の登録(紐づけ)を行うことができます。

指定席の予約変更の手順

一旦予約購入した指定席の予約変更をするための手順は、以下の通りです。

手順自体は、新規予約購入の時の流れと同じです。なお、指定席から自由席への変更も、いまのところ無手数料で可能です。

(1) 変更を行いたい列車の予約画面を表示して(上記の手順(5)の画面)、「申込内容の確認・変更・払戻へ進む」をタップします。

(2) 変更内容を選択します。区間や日時、座席位置などの変更を行うことができます。

(3) 変更前の内容と変更後の内容が表示されるので、確認した上で変更を確定します。

「新幹線eチケット」領収書の発行方法

「新幹線eチケット」サービスでの領収書や紙のきっぷの発行方法については、以下の記事を参照してください。

参考資料 References

● 「えきねっと」JRきっぷご利用ガイド

新幹線eチケットをご利用の場合|JRきっぷ ご利用ガイド:えきねっと(JR東日本)
新幹線eチケットサービスのご利用方法についてのご案内

改訂履歴 Revision History

2020年3月21日:初稿

2021年10月22日:初稿 修正

2022年6月03日:初稿 修正

2022年6月22日:初稿 修正

2023年02月04日:初稿 修正

2023年4月07日:初稿 修正

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