2020年7月に初めて期間限定で発売され、その後2023年2月まで発売された破格のフリーきっぷ「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」。北海道の事業が終了したため、現在はこのパスも発売終了となりました。
筆者は、このパスを利用して、5日間の道内乗り鉄を楽しみました。
この記事では、前編の記事(↓)に引き続き、北海道鉄道の周遊2日目から最終日まで、旭川駅から最北端の稚内駅を訪れた後、道東の網走駅、根室駅を訪れる旅程を皆さまにご紹介します。
「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」の券面
JR北海道管内の、北海道新幹線の区間を除くすべての在来線に6日間乗り放題の「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」の券面は、以下の通りです。
● 1枚目:きっぷ本券
氏名の記入欄と座席指定を受けた回数を記録する欄がそれぞれあります。
マルス8.5cm大の、自動改札を通れる券です。券面に結構余白があるので、記念に途中下車印を押してもらうことができます。

● 2枚目:ご案内の券面
特急列車の普通車自由席が回数の制限なく乗り放題なこと、普通車指定席の座席指定を無料で4回まで受けられることが記載されています。


それでは、ここから筆者の道中の続きをお話ししていきます。
2日目(2020/9/23):旭川駅⇔稚内駅の往復
前日の1日目は、北海道のJR最南端の函館駅から、北に向けて旭川駅まで移動しました。旭川駅前のホテルに投宿して、2日目は朝5時半過ぎに再び旭川駅のホームに立ちました。
(5) 旭川駅→稚内駅(宗谷本線)
普通321D/4323D/4325D 6:03分発→12:08分着
日本最北端を走る普通列車に乗ってみたくて、あえて早朝の普通列車を選びました。

5番線のホームに上がったら、すでに2両編成の列車が止まっていて、すぐに乗車が可能でした。先頭のキハ54が終点の稚内行きで、後の車両が途中の名寄で切り離されます。

行先表示のサボは「宗谷線」。旅情を誘います。

車内の様子。車両の中央がクロスシートの部分で、その部分の定員が24です。朝早いにもかかわらず、この列車目当ての鉄道ファンたちが集まってきて、早い時間に全区画が埋まりました。稚内までの6時間の道中、鉄ちゃんの年齢層高いおじさんたちばかり乗っている感じでした。

名寄駅を過ぎると、人跡未踏な感じの天塩川沿いの区間を走るようになります。限界集落を思わせる車窓です。

途中の豊清水駅で特急サロベツ2号の行き違いで数分間停車。野趣あふれる風景です。(現在は廃止されています。)

旭川駅の出発から4時間たった10時過ぎ。糠南駅を過ぎて天塩川沿いの区間で、線路にエゾシカが乱入して、数分間停車しました。貴重なシーンでした。

幌延駅で列車番号が変わり、21分間停車。その間に、「北の大地入場券」を購入してみました。幌延駅版は細長いきっぷです。

酪農地帯を走り、抜海駅から南稚内駅の間で海を臨む見事な車窓を堪能。その後、定刻に稚内駅に到着。旭川駅からの運賃表示が、すごいことになっていました。。。

【日本最北端の地宗谷岬に向かう】
折り返しの特急宗谷号の発車まで時間があったので、宗谷岬まで路線バスで向かいました。駅の案内所で往復きっぷを買うと、運賃が若干割引になります。

発車時刻の前に停留所に着くと、長蛇の列でびっくり。バスに30人以上の旅行者が乗り込んで、50分間車内が混雑していました。筆者が利用した「HOKKAIDO LOVE! 6日間周遊パス」や「北海道&東日本パス」の利用者が多かったようでした。
日本最北端の地の碑。サハリンをはっきりと眺めることができました。

(6) 稚内駅→旭川駅(宗谷本線)
特急宗谷号【指定席】 17:46分発→21:26分着

旭川との日帰りの往復はかなり強行軍で、旭川に戻るのがかなり遅くなりました。稚内駅改札での発車案内。

出発10分前に改札が始まり、あわただしく車内へ。列車の終着は札幌駅でしたが、途中の旭川駅で下車する格好でした。


この区間でも指定席を取っておいたので、ゆったりと座ることができて、快適でした。自由席車両は1両のみで、かなり混雑していた模様です。

夜21:30分にこの日の旅を終えて、ホテルの部屋へ。
3日目(2020/9/24):旭川駅→釧路駅
3日目は、旭川から石北本線と釧網本線を利用し、途中網走駅で観光をしながら、釧路まで移動しました。ホテルの出発は、ゆっくりめでした。

(7) 旭川駅→網走駅(石北本線)
特急オホーツク1号【指定席】 8:35分発→12:17分着

札幌発のオホーツク1号、出発3分前の8:32分に入線。
車両はキハ183系の古い車両です。指定席の車両は、若干の空席があるくらいのほどよい混み方で、観光客よりも用務客が多かったです。


途中、遠軽駅で進行方向が逆になり、終点の網走駅まで快走。大多数の乗客が、北見駅か網走駅まで乗車していました。
【網走市内の観光】
乗り継ぐ釧路駅行きの列車の出発まで約3時間あったので、急ぎで網走市内の博物館まで路線バスで行ってみました。
特急列車の到着時刻に合わせて網走バスが運行されていて、博物館網走監獄、オホーツク流氷館、道立北方民族博物館を結んでいます。前二者のうち、1か所の博物館を見学して、網走駅に戻ることをお勧めします。

(8) 網走駅→釧路駅(釧網本線)
普通4729D 15:10分発→18:45分着

網走駅まで戻り、14:30分には改札口から中に入れるのを待ちました。14:50分に改札が始まるまで、10人以上の観光客が列を作っていました。この列車、思ったよりも地元の乗客よりも観光客のほうが多かったです。
車両は、定番のキハ54の1両単行です。行先表示のサボは、わかりやすい「釧路」。
車内は全員座れたものの、いい席に座るには要領よく乗車しなければならなかったです。


網走駅を出発した直後は、左手にオホーツク海、前方に知床連山を眺めながら走ります。釧網本線の釧路駅行きは、進行方向の左側に座ったほうが眺めがよいです。筆者は右側に座って、失敗でした。

途中の知床斜里駅で多くの乗客の乗り降りがあり、夕暮れの車窓を見ながら一路釧路駅へ。途中の清里町駅で少々停車。斜里岳の眺めが見事でした。

摩周駅を過ぎた頃に日が暮れて、真っ暗な釧路湿原を通って、終点の釧路駅に到着。立ち客がいるくらい混んでいました。
4日目(2020/9/25):釧路駅⇔根室駅の往復
前日までずっと晴天に恵まれていたものの、この日から天気が下り坂でした。この日は雨にならず、何とか天気がもちました。根室本線の花咲線の区間を乗車して、本土最東端の根室市に向かいました。
(9) 釧路駅→根室駅(根室本線)
普通5627D 8:18分発→10:45分着
ホテルを出て、朝7:30分過ぎに釧路駅入り。

「地球探索鉄道」花咲線のポスター。鉄道の堅いイメージをソフトタッチで演出しています。

ちょっと早いかなと思ったものの、7:40分には4番線ホームに入りました。すでにドアが開いていて、すぐに乗車できました。さすがに自分が一番乗りでした。JR北海道管内の始発列車のスタンバイは早くて、助かります。

行きの車内。キハ54単行のデフォルトです。乗車する日の前の四連休、この花咲線の単行列車に85人の客が殺到して、大混雑だったとの報道がありました。この日は、鉄道ファンが多く集うということはなく、穏やかな乗り鉄を楽しめました。

厚岸駅を過ぎ、旧糸魚沢駅まで向かう車窓。進行方向右側に湿原が見えました。この眺めのいい区間、時期限定で徐行運転されていて、この日も徐行で風景を楽しめました。

途中で長時間停車することなく、終点一つ前の東根室駅に到着。

終点根室駅には「日本最東端有人駅」の表示が。ちょっと苦し紛れです。
【本土最東端の納沙布岬到達】
根室交通の路線バスを利用して、納沙布岬まで行ってみました。

乗車する前に、案内所で往復のきっぷを買ってから乗車。1日5往復の路線です。

納沙布岬にて。「返せ北方領土」の表示が、政治的です。歯舞群島をうっすら眺めることができました。

根室駅に帰ってきてから、駅から徒歩15分の所にある回転寿司屋の「根室花まる」さんで、限定メニューを楽しみました。根室店限定の花咲がに軍艦と、カニが入った鉄砲汁が美味しかったです。

(10) 根室駅→釧路駅(根室本線)
普通5632D 16:12分発→18:51分着
根室駅舎の西にある線路の切れ目を訪れてから、根室駅に戻りました。

帰りの列車のキハ54の車体には、ルパン三世のラッピングが。作者のモンキーパンチの出身地が、沿線の浜中町というのに由来しているそうです。

車内のシートは特急列車から流用したもので、リクライニングもきいて、大変座り心地が良かったです。シートの向きが転換しないので、お目当ての座席は早く押さえたいです。

5日目(2020/9/26):釧路駅⇔塘路駅の往復
北海道道東に台風が近づいてきていて、この日はあいにく大雨の一日でした。「くしろ湿原ノロッコ」号に乗車するのを楽しみにしていたのですが、大雨の中の乗車でした。
(11) 釧路駅→塘路駅(釧網本線)
(12) 塘路駅→釧路駅(釧網本線)
日中の「くしろ湿原ノロッコ」2号と1号に乗車して、釧路湿原の中をトロッコ列車でめぐりました。大雨にもかかわらず、大勢の観光客でにぎわっていて、ほとんど満席でした。
その道中を別の記事(↓)に詳しく書いたので、あわせてご一読ください。
参考資料 References
改訂履歴 Revision History
2020年11月22日:初稿
2022年5月26日:初稿 タイトル変更
2022年5月30日:初稿 再構成
2022年6月22日:初稿 修正
2022年7月08日:初稿 修正
2022年11月02日:初稿 修正
2022年11月25日:初稿 修正
2023年02月07日:初稿 修正
2023年04月07日:初稿 修正
2023年04月29日:初稿 修正
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