50歳以上のミドル・シニア層向け「大人の休日俱楽部」に入会すると、時期限定の「大人の休日倶楽部パス」の他に、JR西日本等北陸エリア内乗り放題の「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」をほぼ通年で購入できます。大人の休日俱楽部の会員にとっては、目玉のきっぷです。
筆者も、「大人の休日俱楽部」入会1年目にして北陸エリアに出かける機会があり、この「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」を早速購入して、利用してみました。
この記事では、大人の休日俱楽部会員本人だけが利用できる「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」とはどのようなきっぷであるか、概要やきっぷの買い方について触れます。そして、このきっぷが所定の運賃・料金と比べて、どれだけおトクであるかということを考えていきます。

2024年春には、北陸新幹線が敦賀駅延伸になります。それに伴い、このフリーきっぷの商品内容変更もしくは終売が想定されます。注視したいところです。
また、筆者が「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」を利用して実際に乗車した列車についても、筆者の利用体験としてご紹介します。このきっぷを利用して乗車できる北陸エリア内の観光列車にはどんなものがあるか、筆者が過去に利用したものも共有したいと思います。
「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」の概要

「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」は、大人の休日俱楽部会員本人が購入して利用できる専用のきっぷです。したがって、非会員の同伴者や家族は利用することができません。
このきっぷは、東京都区内および大宮駅周辺の駅から、北陸新幹線の北陸地区の駅まで普通車指定席を往復で利用する部分と、北陸エリアの下図の区間の乗り放題の部分とで構成されていて、1枚のきっぷとして発売されています。
このきっぷの有効期間が4日間なので、3泊4日までの旅行で利用することができます。「大人の休日パス」と違い、ほぼ通年発売されていて利用しやすいかと思います。ただし、出発当日に購入できないことと、繁忙期の特定の日には利用できない点に注意が必要です(盆暮れとゴールデンウイークは利用不可)。
【発駅】
● 東京都区内
● 大宮駅の周辺(川口駅と大宮駅の間・戸田公園と北与野駅の間)
【利用できる列車・区間】
● フリーエリアに入るために利用する北陸新幹線の普通車指定席(往復1回分)
● 下図のフリーエリア内の特急列車自由席、快速・普通列車
「JR西日本の指定区間(北陸新幹線の一部区間含む)」「IRいしかわ鉄道全線」「あいの風とやま鉄道の指定区間」

※ 特急列車の指定席に乗車する場合は「特急券」が別に必要です。
※ 快速・普通列車であっても、指定席の場合は「指定席券」が別に必要です。
※ あいの風とやま鉄道の黒部駅と市振駅の区間はフリー乗車の区間外で、別に運賃がかかります。
【きっぷの発売箇所】
JR東日本の発駅周辺の首都圏にあるみどりの窓口、指定席券売機、駅たびコンシェルジュ
※ ネット予約サービス「えきねっと」では購入できません。
【きっぷの購入日・有効期間・設定期間】
乗車1か月前から前日までに購入する必要があります。ただし、発売枚数の制限は特にないので、思い立った時に購入できます。
盆暮れ、ゴールデンウイークのピークシーズン(最繁忙期)には利用できませんが、その他の時期にはいつでも利用できます。利用期間が一応設定されていますが、少なくとも2024年3月末までは販売が継続されます。
4日間有効のきっぷなので、3泊4日までの旅行で利用することができます。
筆者は「駅たびコンシェルジュ」できっぷを購入

「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」は主に窓口で購入するきっぷですが、混雑したみどりの窓口で相談しながら購入するのは気ぜわしいかと思います。
従前あった「びゅうプラザ」は2022年春までに閉鎖されてしまい、利用できません。その代わり、後継の窓口として「駅たびコンシェルジュ」というところが順次開店していて、スタッフであるコンシェルジュさんに相談に乗ってもらえます。
接客が丁寧で、かなり落ち着いた環境できっぷを購入できるので、ゆっくり相談したい場合はおススメです。筆者も、実際に「駅たびコンシェルジュ」を利用してみました。
駅たびコンシェルジュの詳細や筆者の利用体験について情報が必要な場合は、以下の記事もご一読ください。
「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」の券面
「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」を購入すると、次の券片を受け取ります。
● ゆき券
発駅から北陸新幹線を最初に降りる駅まで使う券片です。

● かえり券
北陸エリア内の乗り放題と、発駅までの帰りの北陸新幹線乗車に使う券片です。

● 北陸新幹線の(座席)指定券
座席指定を受けると、席番が記載された指定券(指のみ券)を本体とは別の券片として受け取ります。


● ご案内
2枚組のご案内が付いてきて、このきっぷを使用する上での注意事項が記載されています。駅レンタカーやJR東日本エリアのコンビニ「Newdays」で割引が受けられることになっています。


今は発売されていない往年の「北陸ワイド周遊券」をイメージすると、おおよそのきっぷの内容が想像できるかと思います。
「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」の値段・おトク度

「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」は、北陸新幹線の普通車指定席往復分の運賃・料金と北陸エリア内の列車乗り放題分の運賃を含めて、発駅別に以下の値段となっています。
● 東京都区内発:22,410円
● 川口ー大宮・戸田公園ー北与野間発:21,390円
この値段は、大人の休日俱楽部会員均一で、ミドル会員とジパング会員とで区別はありません。そんなわけで、会員区分によってこのフリーきっぷのおトク度が異なってきます。
筆者は、このきっぷがどれだけおトクなのかを考えるために、東京駅・大宮駅から金沢駅までの区間を北陸新幹線の普通車指定席で単純往復した場合の金額を、片道と往復で試算してみました。所定の運賃・料金の他に様々な割引運賃がありますが、主なものの比較では、ざっと次の表の通りになります。
発駅 | 区分 | 所定(紙) | 所定(eチケ) | トクだ値10 | トクだ値30 | ジパング30 | 大休フリー |
東京 | 片道 | 14,380 | 14,180 | 12,760 | 9,920 | 10,060 | — |
往復 | 28,760 | 28,360 | 25,520 | 19,840 | 20,120 | 22,410 | |
大宮 | 片道 | 13,840 | 13,640 | 12,270 | 9,540 | 9,680 | — |
往復 | 27,680 | 27,280 | 24,540 | 19,080 | 19,360 | 21,390 |
表中「トクだ値」とは、ネット限定で購入できる「えきねっとトクだ値」のことです。購入時期によって割引率が異なります。割引率が30%の「お先にトクだ値」が最も廉価ですが、提供座席数が少なく、いかんせん取りにくいです。
この「お先にトクだ値」が取れなかった場合は、席数制限がない「大人の休日俱楽部北陸フリーきっぷ」が価格的にも断然おトクです。
注意すべきは、ジパング会員の場合です(表中「ジパング30」)。ジパング会員の場合は利用回数によって割引率が20%だったり30%だったりします。北陸新幹線にはJR西日本の区間を含むため、常時30%引きではなく、20%引きの場合がありえます。この記事では30%を前提に話をします。
ジパング会員が全区間で運賃・料金とも30%引きを受けると、前述した「お先にトクだ値」の30%引きの値段とほぼ同額になり、フリーきっぷを購入するよりも安く上がります。
割引率の低い大人の休日俱楽部ミドル会員にとっては、北陸新幹線の単純往復で乗車する場合においても、フリーきっぷの利用一択になります。
ジパング会員の場合の例外はあるものの、ほぼすべての場合において北陸エリアの4日間乗り放題が付いている「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」(表中「大休フリー」)が断然おトクで、余裕できっぷの元を取れると考えてよいでしょう。
「大人の休日俱楽部」割引適用時のえきねっとの挙動に注意
この記事では「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」についてお話しているので少し脱線する形になりますが、大人の休日俱楽部割引適用で北陸新幹線のきっぷをネット上の「えきねっと」で予約購入する際に注意が必要というお話をここで。
その内容をこの記事に追加しようと思いましたが、思いのほかまとまった量になったので、別稿を立てることにしました。ご興味のある方は、次の記事をご一読ください。
「大人の休日俱楽部会員限定 北陸フリーきっぷ」でどんな列車に乗車できるか

北陸新幹線で往復乗車するだけで元を十分に取れる場合が多い「大人の休日俱楽部 北陸フリーきっぷ」ですが、せっかくであれば北陸エリアの在来線にも乗車して、ゆっくりと乗り鉄を楽しみたいものです。
北陸エリアでは、観光列車である特急「花嫁のれん」号(石川県のJR七尾線)、快速「べるもんた」号(富山県のJR氷見線・JR城端線)に乗車することができます。ただし、これらの列車を楽しむためには(指定席の)特急券や指定席券を別に購入する必要があります。
古い記事ですが、列車の乗車体験を詳しく書いたので、興味のある方は是非ご一読ください。
その他にも、JR北陸本線を走る特急列車「サンダーバード」号や「しらさぎ」号、JR七尾線を走る特急「能登かがり火」号の自由席に乗車して、福井県や能登半島方面にも足を延ばすことができます。

筆者は、このフリーきっぷをフルに活用して、フリーきっぷの区間外にも足を延ばしました。京都府丹後地方を走る「京都丹後鉄道」や福井県内を走る「えちぜん鉄道」などの乗り鉄を楽しみました(いうまでもなく、これらの運賃は別に必要です)。
これらの列車への乗車体験の詳細については、別の記事として書きました。以下の記事のリンクから本記事の後半をお読みください。
改訂履歴 Revision History
2022年3月04日:初稿
2022年3月07日:初稿 修正
2022年3月10日:初稿 加筆
2022年5月17日:初稿 修正
2022年5月26日:初稿 タイトル修正
2023年4月08日:初稿 修正
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