JR東日本やJR北海道内の新幹線や特急列車を何回も乗車できて、驚くほど安価に遠くに移動することが可能な「大人の休日倶楽部パス」。
筆者も「大人の休日倶楽部」に入会以来、このパスをリピートで購入しています(この記事では「大人の休日倶楽部パス」を「パス」と略します)。
「大人の休日倶楽部パス」を購入する場合、駅のみどりの窓口や駅たびコンシェルジュで代金を支払って、きっぷをその場で受け取ることができます。その他にネット予約サービス「えきねっと」を利用してパスを買うこともできます。
この記事では、「大人の休日倶楽部パス」をネットで購入するまでに必要な準備、購入の操作手順の流れを説明します。

パスを「えきねっと」で購入すると、駅に行かなくても購入画面で列車の座席指定が一緒にできるので、とても便利です。
また、ネットで列車の指定席を取る方法や駅での指定券の発券手順についても説明します。最後に、このようなネット購入タイプのきっぷの課題について、筆者なりの考えをお話しします。
「大人の休日倶楽部パス」は実に簡単に元を取れるきっぷ
世間がお休みではない閑散期に利用期間が設定されているきっぷであるだけに、時間をひねり出すことさえできれば、遠くに行けば行くほど元が取れるきっぷです。
いかに価格的に強力なきっぷであるかを説明するため、筆者も「大人の休日倶楽部パス」と他のきっぷとの値段の比較をしました。パスの概要や値段の比較については以下の別記事(↓)にまとめたので、最初にご一読ください。
パスを購入するための準備

パスを購入するための前段階として、
1.「大人の休日倶楽部」に入会(=クレジットカード申込)
パスについては、大人の休日俱楽部の入会が完了し、手元に会員のクレジットカードが届いた時点で購入が可能になります。パスを購入したいと思ったら、少なくとも購入の1か月前には入会申し込みをするのをおススメします。
2.インターネット予約購入サイト「えきねっと」に入会
の2つを完了させる必要があります。
パスの購入時に「駅たびコンシェルジュ」でサポートを受けるにせよ、自分で手続を進めるにせよ、この2つのステップを踏むことがどのみち必要になります。
また、この記事を読み進め、作業を行う大前提として、PCもしくはスマホ、そしてインターネット環境が必要です。
大人の休日俱楽部に入会するための要件や流れについては、筆者の実体験を記した以下の記事を参照してください。
パスの購入手順

ネットでパスを購入する場合、購入が完了してから紙のきっぷを受け取るまでに、大きく次の手順を踏む必要があります。
1.「えきねっと」上で購入操作を行い、「大人の休日俱楽部」カードでオンライン決済を済ませる
2.駅の指定席券売機、みどりの窓口もしくは駅たびコンシェルジュにて紙のきっぷを受け取る
前述した「大人の休日俱楽部」および「えきねっと」の入会手続きと、パスの購入は一度で済ませることはできなくて、少なくとも2回に分けて行うことになります。
この記事を執筆した際に限定発売されていた「特別設定 Web限定 大人の休日パス スペシャル」だけではなく、定期的に発売されている「大人の休日俱楽部パス」についても、購入手順は全く同じです。
「えきねっと」での操作方法概要
えきねっとトップページを開き、ログインをしておきます。踏むべき手順が多いため、すべての画像を載せられませんが、辛抱強くお付き合いください。
この記事を執筆した2022年度に限定発売された「特別設定 Web限定 大人の休日パス スペシャル」と通常発売される「大人の休日俱楽部パス」は、全く同じ商品です。
以下の文章には「特別設定 Web限定 大人の休日パス スペシャル」と記載されていますが「大人の休日俱楽部パス」と読み替えてください。
(1) トップページ上にある「おトクなきっぷ」をクリック。

(2) 利用開始日を指定してから、きっぷの種類にある「大人の休日俱楽部会員限定」にチェックを入れます(すでに付いている他のチェックは外さなくてもOK)。

(3) パスが表示されるので、購入したい種類にある「詳細」をクリック。

(4) 購入前の最終画面です。「きっぷと一緒に列車を申し込む」と、この画面からも指定席を1列車分だけ取れますが、まずは「きっぷのみを申し込む」ことをおススメします。

(5) 会員本人の人数分の会員番号を入力。

(6) 決済するクレジットカードは「大人の休日俱楽部」カードで、オンライン即時決済が必要です。
※ 紙の領収書は発行されないので、必要な場合はネット上でPDFファイルの領収画面を取得します。

PDF領収書の取得方法は、以下の記事(↓)を参照ください。
駅での紙のきっぷの受け取り
えきねっと上でパスのオンライン決済が完了すると、決済完了の旨が記載されたメールが届きます。いずれにせよ、駅に出向いて以下のどちらかの方法で、パスを紙のきっぷとして受け取ることになります。
● メールに記載されたQRコードを指定席券売機に読み取らせて発券する
パスを受け取るだけであれば、これが一番簡単かつ短時間で済ませられる方法でおススメです。

パスの決済が完了すると、QRコードが記載されたメールが届きます。そのメール(画面もしくは紙)を駅に持参します。

これが、駅にある指定席券売機です。上記のメールに記載されたQRコードを、券売機の右下部、硬貨投入口のすぐ下にあるQRコードリーダーにかざします。(設置台数はあまり多くないですが)写真のような最新のアシスト機能付きのものであれば、受話器越しにやり方を教えてもらうこともできます。
● 駅の窓口で受け取る(みどりの窓口・駅たびコンシェルジュ)
決済した「大人の休日俱楽部」カードを持参して、窓口で受け取ることもできます。予約したい列車が決まっている場合は、受け取りと同時に座席指定をしてもらうと楽で、いいかと思います。
詳しくは後述しますが、自分でネットで座席指定して指定券だけ受け取るか、受け取り時についでに座席指定してもらうか、ご自身に合った方法を選べます。

列車の指定席の予約方法
6回まで普通車指定席を追加料金なしに受けられることを申し上げましたが、具体的には次の要領で予約することになります。
● 対象となる列車
新幹線の普通車指定席、在来線特急列車の普通車指定席、普通・快速列車の普通車指定席
定期列車だけではなく、観光列車(JR東では通称「のってたのしい列車」)などの臨時列車の指定席を、6回分の枠内で取ることも可能です。
JR東日本エリアでは、全列車の普通車の指定券、JR北海道エリアでは、SL列車を含む普通車の指定券を取れます。
● えきねっとで予約を取る方法
決済前に1列車分の指定席を取ってから購入完了とすることもできますが、一度パスの購入を完了させてからでも後から予約することが可能です。パス購入後の「マイページ」に列車の指定席を取るためのボタンが表示されるようになって、最大6列車分の予約操作を自力で行うことが可能です(操作手順は以下を参照)。
操作完了後、駅で紙の指定券として受け取るのを忘れないでください。
● 駅の窓口で予約を取ってもらう方法
座席配置が不規則な観光列車「のってたのしい列車」の座席を自分で思った通りに取るのは、通であっても結構難しいのが実情です。無理せずに一度購入したパスを後日駅の窓口に持参して、相談しながら指定券を取ってもらうことをおススメします(窓口でしか取れない席や、自分で席番を選べない列車が多くあります)。
えきねっとで予約を取る手順の概要
上記の手順でまずはパスの購入を完了しておきます。ここでも、すべての画面を掲載できないので、大まかな流れをつかんでいただければと思います。
(1) マイページ上に表示されているパスの画面にある「このきっぷを利用して列車を申し込む」をクリック。最大6回の操作を行えます。

(2) 乗車駅、下車駅、日時を指定して、列車を検索します。例えば「郡山」駅や「福島」駅は他の地域に同名の駅が存在するため、入力が難しいです(通の筆者でさえ迷います)。地理知識や操作テクがいるので、ハードル高く感じるかも(全国に数十箇所あるJR線の同一駅名にご興味がある方は、文末のリンクを参照してください)。

(3) 乗車したいお目当ての列車を選択して、指定席を選択します。パスの枠を消化するため、金額はゼロ円です。

(4) 予約確定直前の画面では、予約内容を確認します。OKならば「この内容で確定」します。

(5) さらに指定席の予約を続けることが可能です(残りの回数が表示されます)。

(6) 列車の座席指定が完了すると、パス購入完了時と同じ要領でメールが届きます。
※ このメールにはQRコードが記載されていないので、指定席券売機で受け取る場合クレジットカードが必要です。

予約した指定券の受け取り操作(指定席券売機)
ここでは、パス本体ではなく、パス購入後に座席指定を行った分の指定券を、指定席券売機で別途受け取る方法を記載します。えきねっと上で列車の座席指定をした場合に限り行える操作です。
今回指定券の受取操作をしたのは、アシスト機能付きの「話せる指定席券売機」です(「アシストマルス」ともいいます)。自力で操作することも、受話器でオペレーターと話して、操作をサポートしてもらうこともできます。
(1) えきねっと上で座席指定を完了しておきます。

(2) 「話せる指定席券売機」は、写真のような感じです。自分でタッチパネルを操作します。券売機左上に、オペレーターと話すための受話器があります。

(3) 緑色の「インターネット予約の受取り」のほうを押します。最初から迷いやすいところですが、紺色の「大人の休日倶楽部割引きっぷ」は押さないでください。

操作が煩雑なので、今回のようなアシストマルスの機種であれば、画面右下の「呼び出し」を押してオペレーターと話すのも手です。
(4) 「えきねっと予約の受け取り」を押します。
(5) QRコードを利用できないため、大人の休日俱楽部のクレジットカードで受け取ります。当該クレジットカードを挿入します。

(6) 予約した列車を画面上で確認し「選択」を押します。

(7) 受け取るものを確認し「この予約を選択する」を押します。

(8) あらかじめ購入しておいた「大人の休日パス」を券売機に挿入します。
(9) 指定券が発券され、座席指定の残り回数が表示されます。

筆者もサポートなしで自力でやってみましたが、通であっても正直なところ迷いやすい操作で、使い勝手が良いとは言えません。また「話せる」機能がない指定席券売機のほうが台数が圧倒的に多いので、実情はサポートを受けにくいことが多いです。その上、サポートを受けようにもオペレーターの数が少なく、長く待たされたという話を多く聞きます。
座席指定は極力、駅の窓口で駅員さんにやってもらうことをおススメします。
6回分の指定席枠のうまい消費の仕方
パスが利用できる期間は、世間がお休みの休暇シーズンではなく、逆に列車が空いている「閑散期」であることが多いです。そんなわけで、自由席が付いている列車は自由席を利用して、指定席しかない列車に乗車する際に枠を消費するのを原則とすると、貴重な枠を有効活用できるかと思います。
情報量が多いため、別の記事としました。詳しくは、以下の記事をお読みください。
パスを利用する上での課題

この記事を読んだ感想として、ネットの操作が大変だし、列車の予約も難しいと、多くの読者さまがお感じになったのではないでしょうか。
ミドルやシニアの世代でも、ネットを使いこなせないと日常生活を送りにくい時代になってきている現れではないかと思います。ウェブに販売方法を限定した「Web限定 特別設定 大人の休日パススペシャル」(2022年)の販売企画を担うスタッフの世代が、バリバリのネット世代と思われます。それで、実際の利用者層と販売を担当するスタッフの世代の意識が乖離してしまっていると感じます。
ネットを利用して情報収集をしたり、サービスの申込をしたりするスキルの習得が、このきっぷを購入することも含めて課題には違いありません。とはいえ、と戸惑ってしまうのも事実でしょうから、駅たびコンシェルジュのスタッフのサポートなどをうまく活用したいところです。
ここ最近、駅のみどりの窓口の閉鎖が相次ぎ、出札業務を担当する職員が減っています。みどりの窓口や出札担当職員数が少なくなったことでサービスを受ける機会が減少し、また待ち時間が長くなることをも意味し、懸念を覚えます。
それに加え、このパスの発売条件が「大人の休日倶楽部」クレジットカードでの決済であることから、クレカに申し込んで審査に通るという心理的なハードルを感じる方もいるかと推察します。
まだ現役世代であるミドル会員にとっては、パスを利用する時間(休暇)をいかに確保するかというのも課題でしょうか。
このように課題は多くありますが、このパスを利用するだけでも大人の休日俱楽部に入る価値があるくらい、このパスの価格および商品性は魅力的に違いありません。
パスを活用したモデルコース
筆者も早速このパスを購入し、実際に4日間旅立ってきました。
4日間普通列車を中心に列車を乗り継ぎ、日本列島の東半分を海岸沿いに約2,000kmを移動しました。かなりの強行軍でしたが、こんな究極な乗り鉄もできるという例を別の記事におさめました。こちらもぜひお読みください!
参考資料 References
● 「大人の休日俱楽部」会報誌(JR東日本) 2023.2

● 「大人の休日俱楽部」公式ウェブサイト

● 「えきねっと」新規登録方法

● 大人の休日俱楽部パス ご購入ガイド(JR東日本) 2021.7

● 全く同じ漢字の同名のJR駅名
改訂履歴 Revision History
2022年4月10日:初稿
2022年4月20日:初稿 加筆修正
2022年4月22日:初稿 加筆
2022年5月06日:初稿 修正
2022年5月16日:初稿 修正
2022年7月08日:初稿 修正
2022年9月09日:初稿 修正
2022年9月19日:初稿 修正
2023年4月07日:初稿 修正
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