南東北地区の「小さな旅ホリデー・パス」を使い倒す~元を取る使い方~

只見線普通列車会津川口駅にて 東北・北海道

宮城県・山形県・福島県の南東北3県にまたがるエリアにおいて、JR東日本の普通・快速列車に乗り放題のフリーきっぷ「小さな旅ホリデー・パス」。週末やGW、お盆、年末年始の時期であっても、フリー乗車区間内の一日乗車券として利用できます。

このきっぷには突出した特長が特になく、地味に普通列車の旅を楽しむために使う感じです。ただし、南東北3県のエリアが広いため、エリアを一気に縦貫するか、主要都市を往復乗車すれば、金銭的には十分におトクです。

フリー乗車区間ぶ並行する東北新幹線の乗車券として利用できないのが、残念です。しかし、在来線の奥羽本線の区間に限っては、特急券を買えば山形新幹線「つばさ」号にも乗車できます

この記事では、いかに「小さな旅ホリデー・パス」を使い倒して、南東北地区の乗り鉄を満喫するか、ヒントをお出しします。どのくらいおトクなきっぷで、どれだけ料金の元をとれるか、どんな列車に乗車できるかをお話しします。

首都圏から南東北3県を訪問する場合、東北新幹線新白河駅/郡山駅までネット割引料金「えきねっとトクだ値」を使って入り、その先「小さな旅ホリデー・パス」を利用するワザがあります。

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「小さな旅ホリデー・パス」のフリー乗車区間・料金

磐越西線普通列車郡山駅にて

それでは、はじめに「小さな旅ホリデー・パス」でどの区間に乗車できるか、パスの値段はいくらかというお話をします。

フリー乗車区間

「小さな旅ホリデー・パス」を利用すると、宮城県・山形県・福島県の3県にまたがる南東北地区エリアを走る「大半の」JR東日本線の普通・快速列車に1日乗り放題です。

JR東日本ウェブサイトより引用

このフリー乗車区間の範囲は、JR東日本東北本部(以前の仙台支社)の管轄範囲と概ね一致します。また、営業規則上の「仙台近郊区間」の範囲とも大体かぶっています。

いま「大半の」と申し上げたのは、南東北3県のエリアであっても、東北本部の管轄外である常磐線や羽越本線、陸羽西線はフリー乗車区間から外れています。そのため、このパスではそれらの路線に乗車できません。

また、東北新幹線はエリア外で、新幹線特急券を買ったとしても乗車できません。ただし、山形新幹線「つばさ」号は例外で、特急券を別に購入すれば福島駅と新庄駅の区間(奥羽本線)にも乗車できます

より広範囲のJR線と主な会社線に乗り放題な「週末パス」と違って、「小さな旅ホリデー・パス」にはフリー乗車区間にあるJR線以外の他社線(山形鉄道、阿武隈急行)が含まれていません。

というわけで、「小さな旅ホリデー・パス」は仙台近郊のJR線普通・快速列車に乗車できるシンプルな設計のきっぷといえます。

パスの発売箇所

「小さな旅ホリデー・パス」はJR東日本のどの駅でも買えるわけではありません。パスのフリー乗車区間内にあるJR東日本の主な駅・旅行会社でのみ購入できますパスの使用日当日でも購入できるので、前もって買う必要はありません。

フリー区間外から訪問する場合、例えば東北新幹線新白河駅/郡山駅/一ノ関駅といった、フリー乗車区間に入った駅でいったん降りて購入するとよいかと思います。

ネットでは購入できません

パスの料金・きっぷの様式

このパスは通年で発売されています。週末・祝日だけでなく、GWやお盆時期、年末年始も利用期間に含まれていて、最繁忙期にも利用できます。利用対象者には制限がなく、誰でも買うことができます。

大人用と小児用の料金は、次の通りです。

大人用:2,720円

小児用:1,350円

「大人の休日俱楽部」会員用の料金設定は、残念ながらありません。

「小さな旅ホリデー・パス」は、紙のきっぷとして発売されています。パスを購入すると、本券とご案内券片が付いてきます。きっぷの本券は、自動改札機に通すことができます。

(きっぷ本券)

小さな旅ホリデーパス本券

(ご案内)

小さな旅ホリデーパスご案内券片

ご案内の券片には、東北新幹線が利用できないこと、特急列車やグリーン車に乗車する際には特急券やグリーン券を購入する必要があることが書かれています。

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「小さな旅ホリデー・パス」の価格分析~いかに元が取れるか~

気仙沼線普通列車柳津駅にて

「小さな旅ホリデー・パス」の概要に触れたところで、このパスの価値を最大限引き出すための使い方や、他のフリーきっぷとこのパスの違いについて考えていこうと思います。

価格分析~広大なフリー乗車区間を乗り倒す~

南東北3県にまたがるフリー乗車区間が広大です。例えば、

● 東北本線 新白河駅ー平泉駅間

営業キロ:266.9km 普通片道運賃:4,060円

● 奥羽本線 福島駅ー新庄駅間

営業キロ:148.6km 普通片道運賃:2,640円

● 磐越西線/只見線 郡山駅ー只見駅間

営業キロ:153.0km 普通片道運賃:3,080円

です。通算して161km以上乗車すれば、元をとれる形です。普通列車を乗り継ぐ覚悟があれば、東北本線をひたすら北上するといった使い方ができます。

往復では、

● 東北本線 仙台駅ー平泉駅間

営業キロ:100.5km 普通往復運賃:3,960円

と、目的地に滞在する時間を長くとっても、日帰りで十分元が取れます。

他のフリーきっぷとの比較

南東北エリアの普通列車用一日乗車券として利用できる「小さな旅ホリデー・パス」、一番のライバルは、夏季/冬季/春季に利用できる「青春18きっぷ」でしょう。

価格・効力とも強力な「青春18きっぷ」の一日当たりの値段が2,410円で、「小さな旅ホリデー・パス」よりも安いです。いずれのきっぷでも新幹線に乗車できないため、青春18きっぷの利用期間に「小さな旅ホリデー・パス」を利用しなければならない理由が特に思い付きません。

関東甲信越エリアと南東北エリアの広範囲がフリー乗車区間の「週末パス」と比較すると、山形鉄道や阿武隈鉄道が「小さな旅ホリデー・パス」フリー乗車区間に含まれていないこと、東北新幹線に乗車できないことが弱点です。

このように「小さな旅ホリデー・パス」には際立った特長がありません。他のきっぷが利用できない場合の押さえのような位置づけです。

仙台近郊区間との関係

このパスのフリー乗車区間の大部分が仙台近郊区間に含まれることにも留意したいです。

JR東日本ウェブサイトより引用

途中下車しないで列車を乗り継ぐ、いわゆる「大回り乗車」をする場合、「つばさ」号に乗車しない限りは普通片道乗車券の方が安くつきます。列車に乗り継ぐだけの乗り鉄には、経路によってはパスではなく、普通乗車券やIC乗車を検討するとよいかと思います。

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「小さな旅ホリデー・パス」でこんな列車に乗車可能♪

「小さな旅ホリデー・パス」が威力を発揮するのは、エリア内で山形新幹線「つばさ」号に乗車する場合や、青春18きっぷの発売期間外に臨時列車・観光列車に乗車するような場面です。

もちろん、フリー乗車区間内に在住する地元の人が所用で仙台に出かけ、日帰りするような場合にも十分活かせるきっぷです。

ここでは、一般の普通列車以外で特色ある列車をかいつまんでご紹介します。

山形新幹線「つばさ」号

山形新幹線つばさ号新庄駅にて

全区間を通して山形新幹線と呼ばれる「つばさ」号ですが、福島駅から先の山形県寄りの区間は、実は在来線の奥羽本線を走る特急列車です。

したがって、東北新幹線では乗車券としてさえも使えない「小さな旅ホリデー・パス」を乗車券として、山形新幹線の奥羽本線内の区間を利用できます。

当然、このパスの他に特急券もしくはグリーン券を別に購入しなければならないことは、いうまでもありません。

「びゅうコースター風っこ」

びゅうコースター風っこ

車両のベースが南東北エリアの小牛田運輸区にあり、臨時列車としてあちこちに出稼ぎに行きます。パスのエリアでは、宮城県内の陸羽東線や石巻線、福島県内の磐越西線や只見線を臨時列車として走ることが多いです。

いずれの列車も全車指定席として運行されるため、別に指定席券を購入する必要があります

春夏秋に運行されるトロッコ列車としての「風っこ」については、以下の記事(↓)が詳しいです。

また、冬場にストーブ列車として走る「風っこストーブ」の詳細は、以下の記事(↓)を参照してください。

快速「湯けむり」号

快速湯けむり号

仙台駅から小牛田駅を経由し、新庄駅に至る臨時快速列車です。週末を中心に、レトロラッピングを施したキハ110系車両で運行されますが、紅葉時期には上記の「風っこ」として運行される日があります。

全車指定席として運行されるため、別に指定席券を購入する必要があります

快速「湯けむり」号に関する詳しい情報は、以下の記事(↓)を参照ください。

気仙沼線BRT

気仙沼線BRT志津川駅にて

他の線区とは毛色が違うのが、列車ではなくバスが走る「気仙沼線BRT」です。BRTの区間のうち、気仙沼駅以南の区間が「小さな旅ホリデー・パス」のフリー乗車区間になっています。

気仙沼線BRTおよび大船渡線BRTを筆者が完乗したレポートを、別の記事として公開しています。興味ある方は、ぜひご一読ください。

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まとめ

東北新幹線やまびこ号郡山駅にて

南東北3県の大部分がフリー乗車区間の「小さな旅ホリデー・パス」。

東北新幹線の乗車券として使えないのが大きく、残念です。また、「大人の休日俱楽部」会員用の割引設定もありません。しかし、フリー乗車区間が広大なので、通算161km以上乗車すれば元を取れるきっぷです。

青春18きっぷが使える夏季/冬季/春季の期間には、「小さな旅ホリデー・パス」の出番はあまりないように思えます。

フリー乗車区間の中に在住する人にとっては、週末気軽に使えるきっぷに違いありません。また、首都圏から訪問する人にとっても、フリー乗車区間内の普通列車の旅にリーズナブルなきっぷとして活用できます。

首都圏からパスのフリー乗車区間までは、東北新幹線をネット割引料金「えきねっとトクだ値」を利用し、このパスを使って南東北3県を移動すると、パスの価値を実感できるかと思います。

参考資料 References

● 「小さな旅ホリデー・パス」商品詳細(JR東日本)2023.4閲覧

おトクなきっぷ:JR東日本
JR東日本の特別企画乗車券「おトクなきっぷ」をご紹介します。フリーエリアが乗り放題になるきっぷや往復割引、回数券、フリーパスなど条件を指定して検索できます。

改訂履歴 Revision History

2023年4月21日:初稿

2023年7月04日:初稿 修正

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