「西日本グリーンきっぷ」JR西日本管内の端から端まで駆け抜ける【2023年特別版】

特急サンダーバード号グリーン車 おとなび

JR西日本管内の特急列車自由席に乗り放題の「西日本グリーンきっぷ」。

6回までの回数制限があるものの、グリーン車/普通車指定席にも乗車できます。考えられないような破格な値段で、上質な空間での移動を満喫できます。

ただし、2人以上で全行程同時行動し、全員が50歳以上の「おとなび」会員であることが求められるくらい、購入できる人が限られるきっぷです。

そんな中、2023年2月から3月にかけて、このきっぷの使用人数が一人からに緩和された「特別版」が発売されました。筆者が購入のための条件を満たしたことを知って、早速このきっぷに飛びつき、JR西日本エリアを2日間弾丸で駆け巡りました。

この記事では、筆者が「西日本グリーンきっぷ」を実際に使い、JR西日本最西端の博多南駅と最東端の上越妙高駅を2日間かけてグリーン車で往復した道中をご紹介します。

あわせて、主要区間の所定運賃・料金の値段を列挙して、「西日本グリーンきっぷ」を最大限使い倒した場合のコスパの高さをご理解いただきたいと思います。

2日間で2,000kmにおよんだ長距離の移動も、グリーン車で快適でした。普段では得られない至福の時間を満喫できました。

JR西日本エリアをグリーン車でまわれる「西日本グリーンきっぷ」の概要やきっぷの買い方、使用上の注意点といった細かな話については、この記事とあわせて以下の別記事(↓)をご一読ください。

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「西日本グリーンきっぷ」で元を取る~料金の比較検討~

西日本グリーンきっぷ本券

「西日本グリーンきっぷ」の一人当たりの値段は、以下の通りです。あくまでも、普通車ではなくグリーン車を利用するならという前提がありますが、料金設定そのものは非常に安価です。

3日間用:23,000円
5日間用:27,000円

筆者が使用した特別版の値段は、2日間用で20,000円でした(2023年2-3月に限定発売)。一人でも使えたものの、2日間で20,000円なのは、2人用よりも高めでした。とはいえ、激安でした。。

いずれをとっても、説明が不要なくらい簡単に料金の元を取ることができます。料金のシミュレーションをするまでもないので、ここでは主要区間の片道当たりの値段をいくつか載せたいと思います(通常期の値段)。

● 新大阪駅から博多駅まで

山陽新幹線グリーン車:
片道21,350円
[座席指定枠カウント:1回]

● 新大阪駅から出雲市駅まで:岡山駅乗り換え

山陽新幹線グリーン車/特急「やくも」号グリーン車:
片道18,860円
[座席指定枠カウント:2回]

● 大阪駅から金沢駅まで

特急「サンダーバード」号グリーン車:
片道11,450円
[座席指定枠カウント:1回]

値付けが間違っていると思うくらい、激安です。使っているのが申し訳なく思うくらい、乗客目線で見るとコスパが高いです。

周遊する経路で威力を発揮するきっぷなのは言うまでもありませんが、単純往復の経路でも十分用が足りるきっぷです。周遊だと座席指定の枠が足りないと感じますが、単純往復ならば枠の回数は十分です。

個人的には、値段をもっと引き上げる代わりに発売条件を緩和し、多くの利用者にきっぷを使ってもらってもいいのかなと思いますが、いかがでしょうか。

ここからは、筆者の弾丸乗り鉄体験です!

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筆者の弾丸乗り鉄記録【往路】博多駅までまっしぐら

2023年3月上旬の金曜日と土曜日の2日間にかけて、筆者は2日間用の特別版を使いました。

2日間で、首都圏から北陸新幹線を経由し、JR西日本エリアの東端の上越妙高駅(新潟県上越市)を通り、西端手前の博多駅(福岡市博多区)まで往復しました。どれだけ使い倒せるか体験したく、限界に挑んだ形です。今回は、最初の列車に乗車する当日に紙のきっぷを受け取るのではなく、事前に他の駅で仕込んでおきました。

往路は、北陸新幹線大宮駅から金沢駅、北陸本線特急列車「サンダーバード」号で大阪駅、山陽新幹線で博多駅まで乗車しました。JR西日本区間に入る上越妙高駅までは別のきっぷを併用して、という形です。

復路は、朝一で博多南線に乗車後、往路と同じ経路で引き返しました。1日あれば、首都圏から北陸新幹線経由で博多駅まで向かうのは余裕でした。

上越妙高駅→金沢駅:北陸新幹線「はくたか」号

北陸新幹線はくたか号

はくたか553号【グリーン車】
上越妙高駅 9:57分 → 金沢駅 11:01分

はくたか号新幹線指定券

上越妙高駅から終点金沢駅まで、西日本グリーンきっぷの座席指定枠1回目を消費。グランクラスには乗車できないので、普通のグリーン車に乗車。1時間強のグリーン車乗車でした。

北陸新幹線上越妙高駅

JR西日本最東端の上越妙高駅にて。後続の「かがやき」号通過待ちで停車中に、普通車指定席からグリーン車に移動。「いい日旅立ち西へ」のメロディが脳内をめぐりました、笑

西日本グリーンきっぷ

仕込んでおいた座席に着席。大宮駅からのきっぷと併用していたので、西日本グリーンきっぷの本券はまだ入鋏されていません。

糸魚川駅近くの車窓

糸魚川駅に到着する直前の車窓。日本海が間近に見えるビュースポットです。

はくたか号グリーン車

平日日中ということもあって、グリーン車は空いていました。まもなく、金沢駅に到着。

金沢駅→大阪駅:北陸本線・湖西線特急「サンダーバード」号

特急サンダーバード号

サンダーバード22号【グリーン車】
金沢駅 12:14分 → 大阪駅 15:05分

サンダーバード号指定券

このきっぷを利用した2023年3月には、特急サンダーバード号は金沢駅発着でした。北陸本線と湖西線を疾走し、3時間弱グリーン車で過ごしました。座席指定枠の2回目を消費。

金沢駅入口

金沢駅の外に一瞬出てから、軽くランチを。ここから、本格的に西日本をひた走ります。

金沢駅発車案内標

ホームに上がり、発車案内標に注目。金沢駅で在来線特急列車の発車案内を見られるのも、2024年春までです。

金沢駅駅名標

金沢駅の駅名標と特急列車の車両の組み合わせも、見納めが近づいてきました。

特急サンダーバード号グリーン車

特急サンダーバード号のグリーン車は、1号車です。この日は12両編成だったので、列車の最前部から最後部まで遠かったです。自由席がわずか2両で、混雑していたようです。

サンダーバード号グリーン車車内

グリーン車の車内へ。3列シートで、座席一つ一つが大きな造りです。長時間座っても快適です。平日日中の車内は平和そのもので、満席にまでならないで快適に過ごせました。

大阪駅駅名標

JR西日本の本拠地、大阪駅に到着。山陽新幹線が発着する新大阪駅まで、普通列車で戻りました。

新大阪駅→博多駅:山陽新幹線「みずほ」号

山陽九州新幹線みずほ号

みずほ609号【グリーン車】
新大阪駅 16:06分 → 博多駅 18:30分

みずほ号新幹線指定券

新大阪駅からJR西日本エリア最西端を目指し、博多駅まで。2時間半弱のグリーン車体験でした。座席指定枠の3回目を消費。

山陽新幹線新大阪駅発車案内標

九州新幹線直通のN700系車両に乗りたくて、みずほ号を選択。新大阪駅コンコースにある発車案内標に表示された列車種別がカラフルで心躍ります。

九州新幹線直通用N700系

新大阪駅の端にある20番線ホームへ。九州新幹線直通車両を表すロゴが、西らしいです。

みずほ号行先標

車両の行先表示。みずほ号の表示は東京ではみられないので、新鮮に感じます。

みずほ号グリーン車車内

グリーン車は、6号車の半分です。もう半分は普通車指定席ですが、グリーン車と同じ4列シートです。座席のスペックが普通車指定席と同じなので、グリーン席である必然性が薄い車両です。わずか24席なので、新大阪駅発車時点では窓側の席はほぼ埋まっていましたが、広島駅を過ぎたらすっかり空きました。

新幹線博多駅駅名標

往路の目的地、博多駅に到着。JR西日本最東端の上越妙高駅からは、約1,050kmの移動でした。

ここからは、帰路に入ります。

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筆者の弾丸乗り鉄記録【復路】博多南線からとんぼ帰り

2日目は、首都圏に向けての帰路につきました。朝イチでJR西日本管内最西端の博多南線に乗車し、その足で自宅に向けてとんぼ帰りしました。その様子を綴りたいと思います。

JR西日本の最西端にある博多南駅への乗り鉄やきっぷの買い方については、別の記事にまとめました。興味ある方は、ぜひご一読ください。

博多駅→新大阪駅:山陽新幹線「のぞみ」号

のぞみ号入線

のぞみ16号【グリーン車】
博多駅 9:15分 → 新大阪駅 11:43分

のぞみ号新幹線指定券

博多駅チカのホテルに投宿し、翌朝新大阪駅に向けて引き返しました。座席指定枠の4回目を消費。

新幹線博多駅発車案内標

博多南線を往復してから、再び博多駅からのぞみ号に乗車。博多駅コンコースにある発車案内標の列車種別も、昨日みた新大阪駅と同じくカラフルです。東京駅直通列車を除き、8両編成の列車が多いです。

のぞみ号8号車

のぞみ号東京駅ゆきにはグリーン車3両が連結されていますが、土曜日の午前中ということか、ほとんど満席でした。

のぞみ号グリーン車座席

東海道・山陽新幹線用のN700系のグリーン車の座席は、至ってシンプルな造りです。

山陽新幹線グリーン車用おしぼり

列車が発車してからパーサーがおしぼりを配っていました。おしぼりサービスがなくなっていたものと思っていたので、サービスがまだ生きていたのかとうれしく思いました。

新幹線新大阪駅駅名標

新大阪駅まで帰還。改めて新大阪駅の駅名標をみると、JRのロゴが入っていません。

京都駅→金沢駅:北陸本線・湖西線特急「サンダーバード」号

特急サンダーバード号京都駅にて

サンダーバード23号【グリーン車】
京都駅 13:10分 → 金沢駅 15:26分

特急サンダーバード号指定券

新大阪駅から京都駅までは、特急「はるか」号で移動。別途特急券を購入しました。座席指定枠の5回目を消費。

京都駅0番線ホーム

巨大な京都駅の0番線。開放的なホームです。ホームの端から端までがとても長いです。

京都駅駅名標

駅名標は4か国語の表記。JR西日本には珍しいなぁと思いました。

定刻に列車が滑り込んできました。土曜日午後の金沢駅ゆきも混んでいて、グリーン車は満席でした。湖西線の浜大津駅付近から永原駅までの区間の琵琶湖の眺めが、とても見事です。

金沢駅→上越妙高駅:北陸新幹線「はくたか」号

北陸新幹線はくたか号

はくたか570号【グリーン車】
金沢駅 16:10分 → 上越妙高駅 17:13分

はくたか号新幹線指定券

JR西日本東端の上越妙高駅までは、グリーン車に乗車。座席指定枠6回目を消費。座席指定枠の6回分をちょうど使い切りました。

金沢駅発車案内標

金沢駅の新幹線改札口はこじんまりとしていて、発車案内標もシンプルです。

はくたか号11号車

帰りの列車では、途中の上越妙高駅までグリーン車に乗車し、その先普通車指定席に移動しました。この日のグリーン車は空いていて、平和な空間でした。

はくたか号グリーン車車内

北陸新幹線E7系/W7系のグリーン車の座席、シートの操作が電動で、他の列車と違って高級感があります。

金沢駅から上越妙高駅まではちょうど1時間。昨日と今日で往復2,100kmに及んだグリーン車弾丸乗り鉄も、ここでおしまいです。2日間夢のような時間と空間を満喫できました。

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上越妙高駅から博多駅までの運賃・料金

みずほ号グリーン車座席

JR西日本エリア最東端の上越妙高駅から、北陸新幹線と特急「サンダーバード」号、山陽新幹線と乗り継いで、最西端手前の博多駅まで乗車した場合の運賃・料金の金額を、参考までに記載します。

【普通片道運賃】

● 上越妙高駅ー福岡市内 1,054.7km 13,200円

【特急・グリーン料金:通常期】

● 上越妙高駅ー金沢駅 168.6km 5,440円

● 金沢駅ー新大阪駅 263.8km 5,400円(乗継割引)

● 新大阪駅ー博多駅 622.3km 11,560円

【片道運賃・料金合計】

35,600円

往復で7万円かかる経路を「西日本グリーンきっぷ」で2万円台で乗車できる形です。一人用は期間限定ですが、二人以上で同時行動できれば破格のグリーン車の旅を楽しめます。

おわりに~一人用の再販を望む~

特急サンダーバード号

この記事では、筆者が首都圏から上越妙高駅を経由し、博多駅までJR西日本エリアの端から端までを2日間で駆け抜ける体験をご紹介しました。

これで、西日本グリーンきっぷを最大限使い倒した場合の威力の大きさを理解していただけたかと思います。

今回は、きっぷをフルに使いこなした場合の限界を知るためにエリア全域を回りましたが、きっぷの利用の仕方の想定は、目的地までの単純往復であるのかなと考えます。

JR西日本の大半の列車にはグリーン車が連結されているので、存分にグリーン車の旅を満喫できます。ただし、きっぷを買うための条件が非常に厳しく、なかなか買えないのが残念です。

願わくは、安すぎる料金設定を見直し、購入条件が緩和されれば、より多くの人にこのきっぷの魅力を体験してもらえるのかなと考えます。

参考資料 References

● JRおでかけネット トクトクきっぷ(JR西日本)2023.4閲覧

鉄道のご案内|トクトクきっぷ:JRおでかけネット
トクトクきっぷとは、特別なご利用条件(区間、列車や利用期間など)を定めて発売する普通乗車券、回数乗車券、急行券、特別車両券、寝台券、コンパートメント券および座席指定券のことです。

● JRおでかけネット おとなび会員限定 西日本グリーンきっぷ(JR西日本)2023.4閲覧

おとなび会員限定 西日本グリーンきっぷ|トクトクきっぷ:JRおでかけネット
JR西日本全線の新幹線・特急列車が3日間または5日間乗り放題に!(グリーン車指定席または普通車指定席が6回まで利用できます。)

改訂履歴 Revision History

2023年4月29日:初稿

2023年5月04日:初稿 修正

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