2023年7月、東武鉄道の特急列車に新しい仲間が増え、運行が始まりました。その仲間は、新造された特急用電車N100系車両です。先代から進化したということで「スペーシアX(エックス)」と名づけられました。
今回、新造車両にて新しい特急列車が走り始めたのは、1990年に先代の100系スペーシアが導入されてから33年ぶりです。今までの特急列車にはない、目新しい設備が目を惹きます。そんなスペーシアXには多様な設備(座席の種類)があるだけに、どのようにしたらそれらを予約できるのか、疑問に思う方がいらっしゃるのではないかと思います。
スペーシアXに関しては華やかな話題に満ちている一方で、列車に乗車するためのきっぷの買い方や予約の仕方といった地味な情報があまり表に出てきていません。
この記事では、東武本線を走る新型特急列車「スペーシアX」について、列車の概要や料金体系、指定券の予約方法(きっぷの買い方)について詳しく説明します。スタンダードシート(普通車指定席)以外の設備の予約は大変取りにくいですが、この記事がヒントになればと思います。

多彩な設備(座席の種類)がある「スペーシアX」の中で、スタンダードシート以外の設備は予約がなかなか困難です。乗車1か月前の朝9時、東武線の駅窓口でその運命は決まります!
筆者が実際に乗車した1号車「コックピットラウンジ」とカフェカウンター「GOEN Café SPACIA X」の様子もこの記事に収めようとしましたが、文字数の関係で別記事(↓)としてまとめました。是非お読みください!
東武特急「スペーシアX」の概要~どんな列車か~

1990年に登場した先代の100系「スペーシア」の後継として、2023年7月にN100系車両「スペーシアX」がデビューしました。
先代の100系スペーシアも斬新な車両で、一般席の他にコンパートメント(個室)やビュッフェが備えられた名車です。
今回誕生したN100系スペーシアXは、そのコンセプトを承継しつつ、カフェカウンターがあるコックピットラウンジ、コックピットスイート、プレミアムシートなど多彩な設備が追加されました。N100系スペーシアXが、100系スペーシアを超える名車になるか、今後の評価が待たれます。
車両や客室の情報ばかりが先行して出回っているので、ここではどこを走っているか、どのくらいの頻度で走っているかといった基礎的な情報をおさらいしたいと思います。
東武本線を走る特急列車
スペーシアXは、東京・浅草駅(東京都台東区)から東武スカイツリーライン・日光線を経て、東武日光駅・鬼怒川温泉駅(栃木県日光市)までの区間を結ぶ、典型的な東武鉄道の特急列車です。

スペーシアXと同じく、東武日光線・鬼怒川線を走る列車には、100系車両で運行される「スペーシア●●」号および500系車両で運行される「リバティ●●」号があります。
今回のスペーシアXの誕生で、東武本線上を走る特急列車は、100系スペーシア、リバティ、そして「スペーシアX」の3本建てになりました。
東武日光線・鬼怒川線を走る特急列車には、他に栗橋駅でJR線に乗り入れる特急列車「スペーシア日光」「きぬがわ」号も運行されています。東京西部に弱い東武特急にとっては欠かせない列車ですが、本記事では説明を割愛します。詳しくは、別記事(↓)をどうぞ。
スペーシアXのダイヤ【2023年】
スペーシアXとして走るN100系車両は、デビュー時で2編成12両あります。将来的には4編成24両まで増える予定です。
午前中に浅草駅を出発する下り「けごん」や「きぬ」、および午後に東武日光駅・鬼怒川温泉駅を出発する上り「けごん」や「きぬ」の一部が、今回「スペーシアX」に置き換えられました。
日光・鬼怒川を目指す観光客にとって利便性の高い時間の列車が、100系スペーシアからN100系スペーシアXに変わったことになります。
● 下り列車【2023年7月現行】
号数 | 運行日 | 運行区間・時刻 |
1号 | 木ー日・祝 | 浅草(0750)→ 東武日光(0939) |
3号 | 毎日 | 浅草(0900)→ 東武日光(1050) |
5号 | 木ー日・祝 | 浅草(1300)→ 東武日光(1448) |
7号 | 毎日 | 浅草(1400)→ 鬼怒川温泉(1603) |
● 上り列車【2023年7月現行】
号数 | 運行日 | 運行区間・時刻 |
2号 | 木ー日・祝 | 東武日光(1045)→ 浅草(1235) |
4号 | 毎日 | 東武日光(1155)→ 浅草(1345) |
6号 | 木ー日・祝 | 東武日光(1543)→ 浅草(1735) |
8号 | 毎日 | 鬼怒川温泉(1637)→ 浅草(1845) |
木曜日から日曜日までは2編成とも運用され(祝日含む)、1日当たり4往復8本が運行されます。月曜日から水曜日までは1編成が運用に入り、1日当たり2往復4本が運行される形です。言い換えると、スペーシアXは毎日走る定期列車ですが、木曜ー日曜の間にはより多くの本数がスペーシアXとして運行されます。
スペーシアXに関する情報源
華やかにデビューしたスペーシアXに関しては多くのメディアで報道されたため、列車そのものについて多くの情報があります。
その中で、列車の乗り方や料金に関する情報はあまり多くありません。東武鉄道公式の「スペーシアX特設サイト(URLは記事末尾に掲載)」が基本的な情報源で、実用的な情報が一通りわかる形になっています。
乗ってみて実際どうよ、という生の声はこれから増えてくるでしょう。レビューが公式サイトに載ることは考えられないので、本サイトの情報が参考になればと思います。
列車の設備~多彩な座席~

新しく誕生したスペーシアXには、普通車や個室にとどまらず、多彩な設備(座席の種類)があることが際立った点です。それらの設備は、具体的には以下の通りですが、6種類の設備があります。
次回乗車する時には前回とは違う設備に乗ってみたいと思ってもらえるよう、これほどにも設備が多いそうです。
コックピットラウンジ(1号車)

スペーシアXの東武日光駅方先頭車両が、コックピットラウンジです。そのコンセプトは「時を超えるラウンジ」だそう。
前面の展望を楽しめる車両ですが、一般的な列車のような座席配置ではなく、代わりにソファーやチェアが並べられています。カフェカウンター「GOEN Café SPACIA X」があり、喫茶店のような雰囲気がある空間です。日光金谷ホテルのラウンジをイメージして造成されたそうです。
運転席直後に1人掛けが2人分、中央には2人掛けと4人掛けがあわせて6組分あり、1号車の定員は20人です。1席単位ではなく1区画ごとに発売するシステムなので、他の人との相席がありません。筆者的には、スペーシアXの数ある設備の中では、最もイケた設備だと思います。
プレミアムシート(2号車)

東武特急としては、初めての3列シートになろうかと思います。1列あたり2人掛けの座席と1人掛けの座席がレイアウトされていて、JRのグリーン車並みの設備です。定員は、35人です。
ただし、座席自体は上級感はあまり感じられず、比較的カジュアルな造りです。バックシェル型の座席で前席が気になりませんが、リクライニングの角度が浅かったり、フットレストがなかったりと、他の列車と比較すると端折った感があります。
スタンダードシート(3・4・5号車)

一般の列車でいうところの、普通車指定席です。4列シートで、座席にはテーブルとコンセントが付いています。5号車には、身障者用スペースがあります。
ボックスシート(5号車)
パーティションで囲われた半個室状の2人掛けボックスシートです(1名から利用可能)。設備は普通車並みですが、囲いがあるためプライバシーが保たれます。コンパートメントの簡易版といったところでしょうか。
コンパートメント(6号車)
定員4名の個室です(1名から利用可能)。先代100系スペーシアには6室ありましたが、N100系スペーシアXでは4室と部屋数が減っています。個室の雰囲気は先代と変わりません。
コックピットスイート(6号車)
部屋の面積が11平米の個室で、1名から7名まで利用可能です。コンセプトは「走るスイートルーム」だそうです。1室しかないため、先着1組限りの設備です。列車編成の浅草駅方にあり、上り列車では運転席を通して前面展望を楽しめます。
各号車の席番表

普通車指定席に相当するスタンダードシートの席番は、他の特急列車と同様A-D席、JRのグリーン車に相当するプレミアムシートの席番は、ABD席の3列シートです。
他の個室系設備は1組に対して1区画が割り当てられるので、席番ではなく室番となります。
本記事では、座席の位置関係を示した席番表の概略版をあわせて掲載します。
● 1号車・2号車

● 3-5号車

● 6号車

運賃・料金~乗車にいくらかかるか~
特急スペーシアXは全車指定席で、乗車する前に座席指定された特急券を購入します。ここでは、多くの設備を持つスペーシアXの特急料金について説明していきます。
スペーシアXの特急料金
スペーシアXの特急料金は、他の特急列車とは異なるスペーシアX用のものです。基本的な考えとしては、スタンダードシートとプレミアムシートごとに定められた区間別の特急料金に加え、設備によって「特別座席料金」がかかります。東武鉄道の特急料金には閑散期や繁忙期といったシーズナリティーはなく、通年で同額です。
● スタンダードシート/プレミアムシート特別急行料金表(一般座席)
営業キロ | スタンダード (a) | プレミアム (b) | 差額 (b)-(a) | 区間(目安) |
特定区間 | 610円 | 840円 | 230円 | |
1-40km | 870円 | 1,080円 | 210円 | |
41-60km | 1,120円 | 1,460円 | 340円 | |
61-90km | 1,470円 | 1,910円 | 440円 | |
91-120km | 1,710円 | 2,220円 | 510円 | 春日部駅発着 |
121km- | 1,940円 | 2,520円 | 580円 | 浅草・北千住駅発着 |
プレミアムシートの料金は、特急料金に特別座席料金を加算する方式ではなく、スタンダードシートとは別の料金表が設定されている形です。各距離帯の料金の差額を見ると規則性がなく、そのことが分かります。
● 特別座席料金表(個室系設備)
設備 | 1区画あたり料金 |
コックピットラウンジ 1人用 | 200円 |
コックピットラウンジ 2人用 | 400円 |
コックピットラウンジ 4人用 | 800円 |
ボックスシート | 400円 |
コンパートメント | 6,040円 |
コックピットスイート | 12,180円 |
1室もしくは1区画ごとにかかる料金です。1席単位ではなく、1室当たりいくらという課金方法です。1室売りなので、他の人と相席することはありません。
主な区間の各設備別の運賃・特急料金
分かりやすく比較するために、いずれの設備も2人で1室利用した場合の1人当たりの単価を表示します。
● 下今市駅発着(SL大樹乗り換え)
区間 | 営業キロ | 運賃 | スタンダード | プレミアム | ラウンジ1 | ラウンジ2 | ラウンジ4 | ボックス | コンパートメント | スイート |
浅草ー下今市 | 128.4km | 1,400円 | 1,940円 | 2,520円 | 2,140円 | 2,140円 | 2,340円 | 2,140円 | 4,960円 | 8,030円 |
北千住ー下今市 | 121.3km | 1,400円 | 1,940円 | 2,520円 | 2,140円 | 2,140円 | 2,340円 | 2,140円 | 4,960円 | 8,030円 |
春日部ー下今市 | 93.1km | 1,090円 | 1,710円 | 2,220円 | 1,910円 | 1,910円 | 2,210円 | 1,910円 | 4,730円 | 7,800円 |
● 東武日光駅発着
区間 | 営業キロ | 運賃 | スタンダード | プレミアム | ラウンジ1 | ラウンジ2 | ラウンジ4 | ボックス | コンパートメント | スイート |
浅草ー東武日光 | 135.5km | 1,400円 | 1,940円 | 2,520円 | 2,140円 | 2,140円 | 2,340円 | 2,140円 | 4,960円 | 8,030円 |
北千住ー東武日光 | 128.4km | 1,400円 | 1,940円 | 2,520円 | 2,140円 | 2,140円 | 2,340円 | 2,140円 | 4,960円 | 8,030円 |
春日部ー東武日光 | 100.2km | 1,230円 | 1,710円 | 2,220円 | 1,910円 | 1,910円 | 2,210円 | 1,910円 | 4,730円 | 7,800円 |
● 鬼怒川温泉駅発着
区間 | 営業キロ | 運賃 | スタンダード | プレミアム | ラウンジ1 | ラウンジ2 | ラウンジ4 | ボックス | コンパートメント | スイート |
浅草ー鬼怒川温泉 | 140.8km | 1,590円 | 1,940円 | 2,520円 | 2,140円 | 2,140円 | 2,340円 | 2,140円 | 4,960円 | 8,030円 |
北千住ー鬼怒川温泉 | 133.7km | 1,400円 | 1,940円 | 2,520円 | 2,140円 | 2,140円 | 2,340円 | 2,140円 | 4,960円 | 8,030円 |
春日部ー鬼怒川温泉 | 105.5km | 1,230円 | 1,710円 | 2,220円 | 1,910円 | 1,910円 | 2,210円 | 1,910円 | 4,730円 | 7,800円 |
今申し上げた通り、スタンダードシート/プレミアムシート以外の個室系設備の特急料金は、スタンダードシート料金に特別座席料金を加算する形です。個室が高いのは言うまでもありませんが、コックピットラウンジやボックスシートが意外にも低廉な設定だと分かります。
リバティ・100系スペーシア・スペーシアXの比較
現在、特急リバティと100系スペーシアの特急料金は同額です。スペーシアXの特急料金(スタンダードシート)は、それらの特急料金よりも割高に設定されています。
営業キロ | リバティ | スペーシアX | 区間(目安) |
特定区間 | 550円 | 610円 | |
1-40km | 700円 | 870円 | |
41-60km | 950円 | 1,120円 | |
61-90km | 1,250円 | 1,470円 | |
91-120km | 1,450円 | 1,710円 | 春日部駅発着 |
121km- | 1,650円 | 1,940円 | 浅草・北千住駅発着 |

お待たせしました!ここから、特急券をどのようにして入手するかお話しします。
乗車に必要なきっぷ・特急券の買い方(予約の取り方)

多様な設備に対して多様な料金が設定されていることから、スペーシアXのきっぷを買う際には誤りがないようにしたいです。ここでは、スペーシアXの特急券をいつ、どこでどのようにして買うか、技術的なお話を詳しくしていきます。
スペーシアXに限らず、東武鉄道の特急列車は全車指定席です。乗車する前に、乗車券に加え座席指定された特急券を準備します。
デビュー間もない列車なので、予約がとりにくいことはいうまでもありません。特に、スタンダードシート以外の設備の予約を取るにはそれなりの準備と覚悟が必要でしょう。
特急券の構成・枚数
多彩な設備をもつスペーシアXの料金構成は、今お話しした通り結構複雑です。それがきっぷにも表れています。設備によって[特急券]だけの場合と[特急券+特別座席券]の場合があります。
● スタンダードシート・プレミアムシート
それぞれの座席の特急料金だけが記載され、1席あたり1枚のきっぷが発行されます。きっぷの表記は[特急券]です。
● それ以外の個室系(特別座席)
スタンダードシート特急料金と特別座席料金が各別に記載され、1室に対し1枚だけきっぷが発行されます。きっぷの表記は[特急券・特別座席券]です。
このようなパターンがあるので、駅で購入した場合、受け取るきっぷの枚数には注意してください(旅行会社では設備にかかわらず1組あたり1枚です)
駅や旅行会社できっぷを買う場合、同じきっぷに乗車券を含めることも可能です。
特急券の発売開始時期~いつから買えるか~
東武鉄道の特急券の発売開始は、乗車1か月前の午前9時00分からです。駅窓口でも券売機でもネットでも差がなく、一斉に発売スタートです。
JRと違い、東武鉄道の特急券予約には、事前受付の制度がありません。また、JRとは予約開始時刻が違うので、うっかり勘違いしないようにしてください。
すべては、乗車1か月前の午前9時ちょうどに勝負がつきます。
特急券の発売箇所~どこで買うか~
スペーシアXには多くの設備がありますが、設備によって発売箇所が制限されることはありません。どの予約手段を使ってもチャンスは同じと言えます(ただし、各手段の特性により結果に差が生じます)。
● 東武本線系統の有人駅窓口で購入
東武東上線系統以外の有人駅には、特急券のオンライン予約・発行ができるマルチ端末(マルチ印刷発行機)が設置されています(例外として東上線池袋駅にはマルチ端末あり)。
駅員さんが操作する業務端末なので操作ミスがないし、発売開始直後に回答が得られる唯一の予約手段です。どの駅でも、設置されたマルチ端末の機能は同じです。多くの購入希望者が殺到する特急停車駅のような大駅ではなく、その周辺にある小駅を狙うのがいいかもしれません。
ただし、直接駅に出向く必要があるので、この手段を利用できるのは東武線沿線に在住する人に限られます。
特急停車駅などの一部の駅を除き、ほとんどの駅ではクレジットカードが使えず、現金決済になります。十分な現金を準備しておきましょう。
● 東武各線の券売機で購入
東武東上線系統の駅を含め、東武線の駅の自動券売機でも特急券を購入できます。

顧客が操作する券売機の特性から、列車の選択や設備の選択で別々の画面を遷移します。そのため、1回の操作で直ちに回答が得られず、結果が出るまでにタイムラグがあります。有人駅なら、まずは駅員さんに端末操作を依頼した方が良さそうです。
スペーシアXが登場する以前は、東武特急の予約操作がこんなにもシビアとは想像だにしませんでしたが、今は昔。プラチナチケットを入手するには、工夫と努力と運が必要ということでしょうか。
● 東武トップツアーズなどの旅行会社で購入
旅行会社「東武トップツアーズ」のカウンター店舗では、東武線の特急券や乗車券を手数料無料で購入可能です。東武線沿線から遠方に在住している場合、利用を検討する価値があります。
お店の開店が10時以降の事が多いので、乗車1か月前の発売開始には間に合わないことを念頭に置きましょう。
他の旅行会社でも東武線特急券の取り扱いがある場合がありますが、取扱手数料の有無には注意してください。
● ネット予約
会員登録がなくても誰でも利用できるのが東武鉄道のネット予約「特急券インターネット購入・予約サービス」です(URLはこちら)。先に申し上げた通り、JRのネット予約と違って事前受付の仕組みはありません。

ネットでも、スペーシアXの全設備の特急券を予約購入可能です。基本的にはネットで予約し、席番を決定してからオンライン決済し、チケットレスで列車に乗車します。

スペーシアXの場合、各設備ごとの空席状況が○△×にて表示されます。[座席を指定して購入]を押して進むと、設備を問わずオンライン購入できます。座席指定もその際完了します。

上記画面にて[予約のみ]を押して予約番号を得た上で、東武線の駅や東武トップツアーズのお店で代金の決済およびきっぷの受け取りを行う方法もあります。ただし、スペーシアXの場合、スタンダードシートのみの取り扱いです。その場合、受け取り期限があり、席番もきっぷ代金の決済後までわかりません。
駅に出向くことなく全設備の特急券を購入できることから、理論的にはベストな購入方法です。しかし、発売開始時刻にトラフィックが集中した時に遅延が発生するといった端末操作の特性から、物理的に直結された駅設置の端末には即時性でどうしても負けます。1席1室を争うクリティカルな状況に対して、信頼性のあるベストな購入手段とは断言できないのが残念です。
特急券の様式
これまでお話しした通り、設備別に料金の構成が異なります。その違いが、特急券の様式や枚数にも現れます。
● 特別座席(個室系設備)
1室あたり1枚です(人数分の特急券+特別座席券)。

このきっぷは、筆者が実際に乗車した1号車コックピットラウンジ2人用の特急券です。2人分のスタンダードシート特急料金3,880円に特別座席料金400円が加算されています。
● 一般座席
1席あたり1枚です。

このきっぷは、2号車プレミアムシートの特急券です。東武日光駅から浅草駅までのプレミアムシート特急料金2,520円で発行されています。
余談ですが、窓口のマルチ端末で発行されたスペーシアXの特急券、列車名の「X」の書体には、東武鉄道の並々ならぬこだわりを感じます。
乗車券について
特急券の他に用意する乗車券には、紙の普通乗車券以外に以下のきっぷも利用できます。
● 交通系ICカード
● 各種フリーきっぷ・デジタルきっぷ
● 株主優待乗車証
東京、埼玉地区から日光、鬼怒川地区に向かう場合のファーストチョイスは、株主優待乗車証です。時価なので1枚いくらとは断言できませんが、ネットオークションではおおむね1枚当たり800円から900円の間で流通しています。
1号車 コックピットラウンジ/カフェカウンターのレポ
筆者が乗車した、1号車コックピットラウンジおよびカフェカウンター「GOEN Café SPACIA X」に関する詳細な様子については、以下の記事をどうぞ!
まとめ

2023年7月に運行が開始された、東武鉄道のフラッグシップ特急「スペーシアX」。
運行開始時点では2編成が投入され、毎日定期列車として運用されます。運行ダイヤや停車駅パターンが変わったわけではなく、従来のダイヤで走行する形です。
スペーシアXの大きな特長は、多くの座席の設備です。一般座席のスタンダードシートにとどまらず、プレミアムシートやボックスシートなど個性のある設備が誕生しました。
列車の予約がなかなか大変で、スタンダードシート以外の設備は発売時点でほぼ瞬殺です。特急券の予約方法としてはネットが最も便利ですが、人気がある間は駅窓口で予約するのが最も強力でしょう。大半の駅ではクレジットカードで決済できないので、現金をお忘れなく。
参考資料 References
● 新型特急スペーシアX特設サイト(東武鉄道)2023.7閲覧

● インターネット購入・予約サービス(東武鉄道)2023.7閲覧
● 東武鉄道 旅客営業規則
● SPACIA X 車内設備のご案内(東武鉄道)2023.7
改訂履歴 Revision History
2023年7月23日:初稿
2023年7月24日:初稿 加筆
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