「SLばんえつ物語」号|予約の取り方・乗車ガイド【グリーン車:2023年改訂版】

SLばんえつ物語号C57-180野沢駅にて 関東・甲信越

JR磐越西線の西半分、会津若松駅から新津駅までの区間は「森と水とロマンの鉄道」と呼ばれています。その区間を、蒸気機関車が牽引する客車列車「SLばんえつ物語」号が走っています。

貴婦人とも呼ばれる蒸気機関車「C57 180」号機が、12系客車を牽引して同区間をゆっくり走ります。汽笛を聞きながら客車に乗車できる体験は非常に希少で、今となっては貴重です。

大正ロマンあふれる「SLばんえつ物語」号には、ボックスシートの普通車とリクライニングシートのグリーン車が連結されています。普通車では大正・昭和時代の汽車旅の風情を追体験できますし、グリーン車ではかつての一等車のような優越感を体験できます。

グリーン車には、2015年と2023年に乗車する機会がありましたが、時間が経っても変わらぬ汽車旅を楽しめました。

この記事では、磐越西線のうち「森と水とロマンの鉄道」の区間を走る観光列車「SLばんえつ物語」号に乗車するために必要なきっぷの準備の仕方、そしてこの列車の普通車およびグリーン車それぞれの様子をレポします。グリーン車の定員が少なく、予約が取りにくいのですが、指定券を取るための知見を皆さまと共有できればと思います。

グリーン車の指定券を取るのはなかなか困難ですが、実際に乗車すると贅沢空間での極楽体験が待っています!

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「SLばんえつ物語」号の概要

SLばんえつ物語号5号車外観

JR東日本の看板列車といっても過言ではないSL列車「ばんえつ物語」号は、全車指定席の快速列車です。単に移動するための列車ではなく、この列車目当てにわざわざ訪れるような観光列車「のってたのしい列車」の一つです。

SLばんえつ物語がデビューした1999年以来、現在まで変わらぬ姿で走り続けています。

列車の運行区間・ダイヤ・運行日

「SLばんえつ物語」号が走るJR磐越西線は、郡山駅(福島県郡山市)から新津駅(新潟市秋葉区)までの区間を結ぶ175.6kmの路線です。

郡山駅から会津若松駅(福島県会津若松市)までは、会津磐梯山を眺められる景勝区間です。その先終点の新津駅までの区間は「森と水とロマンの鉄道」として、阿賀川/阿賀野川に沿って森の中を走ります。区間によって車窓ががらっと変わるのが磐越西線の特徴であり、醍醐味です。

この列車には、かつて会津藩の拠点だった会津若松市と日本海随一の大都市である新潟市を結ぶ役割もあります。起点と終点がともに観光地で、観光客の移動が多い区間のため、観光列車が活躍できます。

SLばんえつ物語号は、以前は会津若松駅から新潟駅(新潟市中央区)までの区間を直結していました。しかし、新潟駅の高架化工事を契機に、運転区間が新津駅までに短縮されました。SLの整備拠点が新津駅にあるので、自然な形に落ち着いたといえます。

というわけで、SLばんえつ物語号は現在、磐越西線会津若松駅から喜多方駅(福島県喜多方市)を経て、同線新津駅までの111.0kmの区間を、約3時間半で結びます

SLばんえつ物語号は通年運行ではなく、春先から晩秋にかけての土休日に、多客臨時列車として運行されます。冬場は運行されないので、注意してください。

列車の運行日には、一日当たり1往復2本が運行されます。午前中に新津駅を出発し、午後イチに会津若松駅に到着する列車と、午後に会津若松駅を出発し、日が暮れてから新津駅に到着する列車があります。運行時刻は毎年概ね同じですが、最新のダイヤは公式ホームページや時刻表を確認してください。

上り新津駅(10:03分)→ 会津若松駅(13:36分)
下り会津若松駅(15:27分)→ 新津駅(18:43分)

蒸気機関車のメンテナンスのため、上り列車では途中津川駅(新潟県阿賀町)と山都駅(福島県喜多方市)で小休止し、下り列車では途中野沢駅(福島県西会津町)と津川駅で小休止します。

また、下り列車の新津駅ゆきでは、真夏を除き道中日が暮れて、夜汽車の雰囲気を味わえます。ただし、新津駅の到着時刻が19時近くになり、同日中に首都圏に戻るのが旅程上きついです。そのため、上り列車会津若松駅ゆきに比べて人気が劣り、指定券が取りやすい傾向にあるように見受けられます。

列車に乗車するためのアクセス

SLばんえつ物語号が発着する会津若松駅、新津駅ともに首都圏からダイレクトに行くことができず、やや奥まったところにあります。そこで、会津若松駅および新津駅までのアクセスについて、簡単に触れたいと思います。

首都圏から会津若松駅に向かう交通手段には王道がなく、複数の交通手段や経由駅があります。鉄道で向かう場合、

● 東北新幹線に乗車し、郡山駅から磐越西線に乗り換える方法

● 東武特急「リバティ会津」号に乗車し会津田島駅(福島県南会津町)を経て、会津鉄道線に乗り継ぐ方法

があります。いずれの経路をとっても直通列車がないため、所要時間には大きな差がありません。料金的には、東武特急リバティ号を利用した方が随分と安くなります。

会津若松までの経路について、筆者の考察を以前投稿しました。詳細については、以下の別記事(↓)を参照してください。

新津駅に向かうには、上越新幹線長岡駅(新潟県長岡市)もしくは新潟駅から信越本線普通列車に乗り継ぎます。長岡駅からは約55分、新潟駅からは約20分かかります。

【日帰りモデル旅程】※列車名・時刻は2023年9月現在

東京駅 7:04 ー とき303号 → 新潟駅 8:56/9:19 → 新津駅 9:40/10:03 ーSLばんえつ物語(上り)→ 会津若松駅 13:36/14:20 → 郡山駅 15:36/16:06 ーやまびこ64号 → 東京駅 17:24

東京駅 11:36 ー やまびこ59号 → 郡山駅 12:56/13:15 → 会津若松駅 14:31/15:27 ー SLばんえつ物語(下り)→ 新津駅 18:43/18:57 → 新潟駅 19:16/19:42 ー とき346号 → 東京駅 21:52

列車の編成・設備

快速列車のSLばんえつ物語号は、蒸気機関車「C57 180」号機が、12系客車7両編成を牽引して走ります。客車が7両編成で残っている例は、現在日本でも数少ないと思います。

SLばんえつ物語号編成図

7両編成のうち、客室があるのは2,3,5,6号車の普通車と、7号車のグリーン車です。1号車は「オコジョルーム」という名のキッズスペース、4号車は展望車です。5号車の半分は車内販売のカウンターです。列車の編成に共用部分がこれだけ多くあるのはSLばんえつ物語号の大きな特長で、SLばんえつ物語号が人気を誇る観光列車である所以です。

座席の設備としては、普通車とグリーン車の2種類があります。

● 普通車

SLばんえつ物語号普通車

普通車指定席は、すべて4人掛けのボックスシートです。4両にまたがる普通車の定員は316名と、非常にキャパシティがあります。繁忙期でなければ、相席なしでゆったり座れる可能性があります。

● グリーン車

SLばんえつ物語号グリーン車

3列シートで、全席リクライニングシートです。人気がある上定員がわずか30席のため、時期を問わず常に満席で、予約が非常に取りにくいです。

グリーン車がある7号車は電源車でもあるため(スロフ12-102)、人によっては床下にある発電機の音が気になるかもしれません。

客室の席番表

普通車とグリーン車では、座席のレイアウトが異なります。したがって、席番の付け方も全然違うことに留意してください。

● 普通車

一つのボックスシートに、A席からD席があります。窓側はA席およびD席、通路側はB席およびC席です。新潟県内で阿賀野川を望めるのは偶数番のボックスで、眺めがよいと思います。

(2・3・6号車)

SLばんえつ物語号席番表

(5号車)

SLばんえつ物語号席番表

● グリーン車(7号車)

1人掛けの座席がA席で、2人掛けの座席がB席およびC席です。南側が窓際のA席、北側が窓側のC席です。新潟県内で阿賀野川を望めるのはA席側です。

SLばんえつ物語号席番表

乗車前に押さえておきたい情報源

JR東日本の観光列車「のってたのしい列車」の公式ウェブサイトに、必要な情報がすべて織り込まれています。運行日や運行時刻を確認するには、このページを参照します。

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「SLばんえつ物語」号の運賃・料金

津川駅オコジロウルーム

SLばんえつ物語号に乗車するためには、旅行商品を購入するのではなく、きっぷ(乗車券および指定席券/普通列車用グリーン券)を用意します。旅行商品と違い、申込期限がないため、きっぷさえ入手できれば誰でも乗車できます。

きっぷの買い方については後述しますが、駅で購入する場合の値段と、ネット予約サービスで購入する場合の値段には、差がありません

● 指定券

SLばんえつ物語号には普通車とグリーン車の設備があり、それぞれ料金が異なります。消費税の転嫁を除き、長らく料金には変更がありませんでしたが、2023年10月に料金の見直しがありました。シーズナリティがないシンプルな料金体系に変わりましたが、値段が引き上げとなりました。

指定席券(普通車)
大人840円/小児420円

普通列車用グリーン券(グリーン車)
大人/小児2,000円(150km以下)

● 乗車券

シーズン限定の「青春18きっぷ」や「大人の休日俱楽部パス」、通年利用できる「週末パス」、「Japan Rail Pass」等のフリーきっぷを使用できる場合を除き、指定券とは別に乗車券を購入します。

青春18きっぷを使用する場合、乗車できるのは普通車のみです。その他のフリーきっぷでは、グリーン車に乗車する場合でも乗車券として利用できます。

列車の走行区間の会津若松駅から新津駅までの区間、111.0km分の運賃は、大人1,980円/小児990円です。

途中下車できる乗車券をつくり、当該乗車券の一部に会津若松駅ー新津駅間を含めることもできます。例えば東京から東北新幹線、磐越西線、上越新幹線を経由し、大宮駅まで戻る周回経路の普通乗車券を購入することも一応可能です。ちなみに、経路と値段は次の通りです(日帰りならば、ジパング会員以外は週末パス8,880円を買った方がおトク)。

乗車券経路図
きっぷ区間営業キロ運賃
連続1東京都区内→大宮駅721.1km10,670円
連続2大宮駅→東京駅30.3km490円
2023年9月現行のねだん

SLばんえつ物語号の分だけきっぷを買う場合、普通車ならば大人片道3千円弱、グリーン車ならば片道約4千円で済み、コスパがとても良いです。料金が引き上げられたとはいえ、大衆価格であることには違いありません。誰でも乗れるのはありがたく、とても貴重なことです。

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「SLばんえつ物語」号のきっぷの買い方(予約の取り方)

会津若松駅2番線ホーム

前述の通り、SLばんえつ物語号に乗車するには乗車券と指定席券/普通列車用グリーン券が必要で、事前にそれらのきっぷを購入します。

きっぷの発売開始時期:いつから買えるか

指定券の発売開始時期は、他の列車と同様、乗車1か月前の午前10時00分です。ただし、きっぷを買う場所や手段により、実際に購入が可能な時刻が異なるので、要注意です。

SLばんえつ物語号の場合、普通車が瞬殺で満席になることはあまり考えられません。しかし、グリーン車は人気があり、時期を問わず発売開始即瞬殺です。グリーン車のきっぷを取りたい場合、指定券の発売開始前からのプランニングが欠かせません。

きっぷの発売箇所:どこで買えるか

SLばんえつ物語号のグリーン車の手配については、発売開始時刻にシビアです。そのため、どの手段や場所できっぷを購入するかで、成敗が決まります。

ネット予約サービス「えきねっと」

JR東日本のネット予約サービス「えきねっと」で、SLばんえつ物語号の指定券を購入できます。予約時には駅に出向く必要がないので、一番楽です。発売開始は、駅のみどりの窓口と同じで、乗車1か月前の午前10時00分です。

発売開始に先立っての事前受付の受付開始時間は、乗車1か月と7日前の午後14時00分です。ただし、事前受付=座席確保ではなく、手配の結果予約不成立の場合があることを覚えておきたいです。

事前受付にエントリーしても回答までタイムラグがあるため、発売開始時刻にも操作を行えると万全でしょう。

午前中に走る会津若松駅ゆきの上り列車のほうが人気が高く、より取りにくいように思えます。筆者が同じ日の上り列車と下り列車を同時に事前受付にかけましたが、取れたのは下り新津駅ゆきのみでした。

● 駅の指定席券売機

全国のJR駅に設置されている指定席券売機にて、特急券を購入できます。この場合の発売開始時間は、乗車1か月前の午前10時10分です。有人窓口やネットよりも10分遅いので、注意してください。

瞬殺のことが多いグリーン車の指定券を取るための手段としては、やや弱いです。

駅の有人窓口(みどりの窓口)

全国のJR駅の有人窓口にて、指定券を対人で購入できます。乗車1か月前の午前10時00分に発売が開始されます。いわゆる「10時打ち」を依頼できる唯一の手段ですが、一部の駅では10時打ちを断わられる場合があるので要注意です(本当はそんなことがあってはいけないですが)。当日の受付手順が駅によって異なるので、ご自身で確認してください。

全国の旅行会社でも駅の有人窓口に準じますが、前売りの開始時間に間に合わない可能性があります。

きっぷの様式

指定券が取れて、代金を払うと、紙のきっぷを受け取ります。普通車の指定券には「指定席券」、グリーン車の指定券には「普通列車用グリーン券」と記載されています。

本記事の執筆時点では、指定券はチケットレス化されていません(どうか紙のきっぷのままであり続けますように)。

SLばんえつ物語号普通列車用グリーン券
値段は2023年9月乗車時のもの

お待たせしました。新津駅ゆきSLばんえつ物語号のグリーン車に乗車した体験です!

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「SLばんえつ物語」号の車内探訪

2015年11月に初めてSLばんえつ物語号(上り)に新潟駅から乗車した時以来、約8年ぶりに会津若松駅から下り列車に乗車する機会が得られました。

SLばんえつ物語号 下り(8233レ):
会津若松駅 15:27分発 → 新津駅着 18:43分着

SLばんえつ物語号普通列車用グリーン券

2022年8月の大雨災害で磐越西線喜多方駅ー山都駅間で不通になり、SLばんえつ物語号も長期間運休しました。約1年後の2023年7月末に当該区間が復旧し、SLばんえつ物語号も運行が再開となりました。

運行が再開になったタイミングを見て、2023年9月に再度乗車する機会が得られたわけです。

会津若松駅駅舎

会津若松駅には、郡山駅からの磐越西線の普通列車で、14時17分に到着しました。SLばんえつ物語号用の12系客車がすでに会津若松駅構内に留置されていました。

SLばんえつ物語号会津若松駅にて

15時少し前に、列車が発車する2番線ホームへ。客車が留置されていた場所に、蒸気機関車C57が連結されていました。

SLばんえつ物語号会津若松駅にて

その後、1号車を先頭に列車が入線してきました。発車15分前の15時12分にドアが開き、車内に入りました。

エクステリア(車両の外観)

SLばんえつ物語号C57-180号機会津若松駅にて

蒸気機関車の「C57 180」号機。貴婦人と呼ばれる優雅な車体です。2023年で77歳になる機関車のヘッドマークには、77歳を意味する「喜寿」と書かれています。

SLばんえつ物語号12系客車

車体は、濃いグレーと茶色のツートンカラーです。SLばんえつ物語号のオリジナルロゴとキャラクターのオコジロウのエンブレムが描かれています。

SLばんえつ物語号12系客車

行先表示は、車両によってサボか幕です。これは、サボです。

SLばんえつ物語号12系客車

本来幕である部分には、行先を表示したステッカーが貼ってあります。

SLばんえつ物語号12系客車

5号車の売店にあたる部分には、列車のロゴが大きく描かれています。

SLばんえつ物語号12系客車

4号車展望車の窓は、ハイルーフ型で天井が高いタイプです。

インテリア(車内の内装)

座席がある車両と共用部分がある車両と、バリエーションが豊富です。

● グリーン車(7号車)

SLばんえつ物語号グリーン車車内

グリーン車の車内に入るには、乗務員室の横を通ります。自動ドアは開きにくいです(天面にセンサーがあるのに気づきにくいです)。

SLばんえつ物語号グリーン車車内

新津駅ゆきの場合、車内に入ると座席の背面が見えます。バックシェル型の座席に見えますが単に木板が付いているだけで、リクライニングした分だけ倒れます。

SLばんえつ物語号グリーン車車内

2列シートです。ひじ掛けに小さなテーブルが収納されています。

SLばんえつ物語号グリーン車車内

こちらは、1列シートです。

SLばんえつ物語号グリーン車展望スペース

展望スペースです。ベンチに座ることができます。新津駅ゆきの場合、蒸気機関車の直後に位置し、機関車の迫力を味わえます。

SLばんえつ物語号グリーン車展望スペース

展望スペースの客室側には展示用のショーケースがあります。

● 普通車

SLばんえつ物語号普通車車内

背もたれが高いタイプのボックスシートです。大正ロマン風に作られています。ボックスシートは昔ながらの座席で、4人掛けです。小さなテーブルが窓際にあるだけで、弁当を広げにくいです。

● 売店(5号車)

SLばんえつ物語号売店

ワゴン車での車内販売がないので、5号車にある販売カウンターに出向きます。SLばんえつ物語号のオリジナルグッズや軽食、アルコール飲料などを買うことができます。

● 展望車(4号車)

SLばんえつ物語号展望車

ワイドビューの窓が付いています。腰掛けるバーがありますが、あまり快適ではないと思います。

SLばんえつ物語号展望車

スタンプ台や郵便ポストがあります。実際に投函でき、列車に乗車した日の消印が付きます。

● オコジョルーム(1号車)

SLばんえつ物語号オコジョルーム

SLばんえつ物語号の1号車には、オコジョルームという名のキッズスペースがあります。入口から中に入ると、遊具が見えてきます。塗り絵や折り紙が置いてあって、長時間の乗車にも飽きないように配慮されています。

SLばんえつ物語号オコジョルーム

展望スペースです。小さいながら、ベンチには座れます。

SLばんえつ物語号オコジョルーム

記念写真を撮れるボードもあります。

会津若松駅から下り「SLばんえつ物語」号に乗車!

SLばんえつ物語号グリーン車

急ぎ足で車両探訪をし終えたところで、グリーン車に戻りました。ドアの脇に表示されたグリーン車の表示が目を惹きます。

車掌さんは通常3名体制で乗務しているそうですが、この日は4名乗務されていました。それに加え、オコジョルームには、スタッフが2名乗務します。また、蒸気機関車の運転要員が数名乗務していて、列車の運行に尽力されています。自動化が進む鉄道業界にあって、人によるサービスを体験できるのは貴重です。

SLばんえつ物語号グリーン車車内

定刻の15時27分に会津若松駅を発車し、ゆっくりと加速していきます。この日のグリーン車に乗車していた乗客は、ミドル層やシニア層が多くて落ち着いた雰囲気でした。

SLばんえつ物語号はむしろファミリー向けの列車に思えますが、2015年に乗車した時も含めて、子供連れのファミリーが少なかったです。今回もミドル層やシニア層が目立ったのは、少子高齢化の深刻さを物語るような気がします。

この現象は、グリーン車には青春18きっぷで乗車できない一方、大人の休日パスの利用期間に当たったことが要因です。指定席の発売が瞬殺だったにもかかわらず、実際にはポチポチと空席がありました。直前でキャンセルされた席でしょうか。

喜多方市濁川鉄橋

喜多方駅を過ぎ、復旧されたばかりの濁川橋梁を渡りました。

SLばんえつ物語号記念撮影ボード

野沢駅では蒸気機関車のメンテナンスのため、約10分間停車。駅ホームではスタッフさんが記念撮影用のボードを持っていて、撮影の対応をしてもらえます。

SLばんえつ物語号野沢駅にて

機関車の車輪を点検している様子です。

C57-180銘板

C57 180号機の銘板。三菱製です。

SLばんえつ物語号津川駅にて

福島県から新潟県に入り、津川駅でも10分強の停車。

SLばんえつ物語号津川駅にて

運行要員が集まっていました。機関車の上では石炭をくべている様子がみられました。

SLばんえつ物語号グリーン車車内

津川駅を発車し、一路終点の新津駅へ。日没の時刻を過ぎ、車窓は夜空に変わりました。車内の雰囲気も、日中とはガラッと変わります。

新津駅駅名標

定刻の18時47分に、終点の新津駅に到着。

C57ー180新津駅にて

長い道中を走り切った機関車。夜汽車の雰囲気がこれまたステキです。

まとめ

SLばんえつ物語号乗車記念スタンプ

1999年にデビューして以来、20年以上磐越西線を走り続けている「SLばんえつ物語」号。JR東日本の観光列車「のってたのしい列車」の一つですが、客車に乗車できる唯一の列車です。客室ばかりでなく、共用部分が充実していて、客車の優雅さを満喫できます。

人気列車ですが、特にグリーン車の人気が高く、指定券が取りにくいです。なるべく早いタイミングで旅程を立て、乗車1か月前10時の発売開始に合わせて手配する必要があります。現在は駅で10時打ちするだけではなく、ネット予約サービス「えきねっと」でも同条件で予約できるようになりました。座席配列が規則的な列車なので、駅の窓口で席番の変更を依頼することもあまりなく、ネット予約で用が足ります

普通車の指定席券が1枚840円なのに対し、グリーン車の普通列車用グリーン券が1枚2,000円と、観光列車のきっぷとしては比較的リーズナブルです。両者の乗り心地に大きな差があるので、是非グリーン車の乗車体験を味わっていただきたいです。

少し心配なのが、長期間走り続けているだけに車体の老朽化がみられるようになったことでしょうか。客室はともかく、共用部分の古さが目立ちます。

車内では売店にて軽食やドリンクを買うことができますが、弁当などの食事は手に入りません。新潟駅や会津若松駅にあるコンビニであらかじめ食料を調達することをおススメします。

参考資料 References

● のってたのしい列車ポータル SLばんえつ物語(JR東日本)2023.9閲覧

JR東日本の「のってたのしい列車」:SLばんえつ物語
JR東日本「のってたのしい列車ポータル」。『SLばんえつ物語C57180』に関する情報をご紹介します。

改訂履歴 Revision History

2015年10月12日:初稿

2022年11月24日:初稿 再構成

2022年12月12日:初稿 修正

2023年4月06日:初稿 修正

2023年8月07日:初稿 修正

2023年9月14日:第2稿

2023年9月15日:第2稿 修正

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